『K町の奇妙なおとなたち』
2017/11/18 19:57
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和三十年代、東京のはずれにあるK町を舞台に、ちょっとふしぎな11人のおとなたちを少年の目を通して描く
現実とも幻とも自伝とも創作とも読める奇譚集は斉藤洋の得意分野
前年2011年に出版された『遠く不思議な夏』の姉妹編
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お店に来ていたサンプルで、配本より早めに読了。
タイトルの通り、K町に暮らす不思議な大人たちを当時少年だった主人公が回想する11の短編。
ひとつひとつが短いのでさらっと読めます。
雰囲気は昨年でた遠く不思議な夏に似てるというか、完全に同じテイスト。町版みたいな。
主人公は少年だけど、内容は大人向けだと思いました。
たんたんとして少し盛り上がりにかけますが、そこが不思議さを際立たせているようでもあり………
個人的には好きだけど、好みが分かれるかな??
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著者の子ども時代と同じころ、昭和30年代の東京近郊のK町。そこに住む主人公の少年と町の大人たち。著者のノスタルジー的短編かと思いきや、それぞれにちょっとSFチックなラストが待っていたり…。まさに「奇妙な」連作短編集。
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奇妙なおとなたちが織り成す普通だったり普通じゃない話。
『世にも奇妙な物語』というほど完全に世界が変わっているわけではないけれど、K町を生物探知スコープ(そんなのないけど)で見たら、きっと何人か“unknown”って表記されそう。
しかも途中投げかけられたり疑問に思う謎が、そのまま謎で終わっていたり。リドル・ストーリーではなく、もちろん推理小説でもないんだけど、実に謎が多い。
挿絵もやや怖で、装丁からイメージする“黄昏”よりも“逢魔が時”があってるかな。(時間帯は同じだけど)
エピローグはちょっとジーンとした。
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子どもの頃の不思議な体験を、周囲にいた大人にまつわる話としてまとめてある。まだ、コンビニもなく人と人との繋がりがあった頃のお話。
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著者とは生まれた年代は全然違うけど、読んでて不思議な懐かしさを感じ、なんでか共感した。今でこそ、近所のあの人は~だ、とか、あそこの誰々は実はこうなんだ、とか知ってるから、不思議なことはほとんどない。けど、子供の頃って周りには不思議で奇妙な大人たちばっかりだったなぁって思い出すような話。個人的にまれやまさんのおばちゃんとせーばあんちゃんの話が好きだ
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斉藤 洋 作
森田 みちよ 絵
偕成社 (2012/9)
続いて斉藤 洋 作
これはまだ戦後の名残があり高度経済成長に駈け出そうとする時代
奇妙なおとなたちを少年の目を通してユーモラスに描きます
疑問は残ったままなのがいいです
後味がとてもいいです
≪ あの時代 混沌として 親も子も ≫
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なんか表紙がいいカンジだったので手にとる。
お話、お話の間にある挿絵もなかなか味わい深いものがあった。
奇妙なおとなたち。
なるほど。
ファンタジーではない。懐かしい、とゆーわけでもない。
奇妙、とゆー字面がぴったりの感じなお話。
ぼっちゃん、と呼びかけられるまで、主人公、女の子と思ってたぞ。
ちょっとしんみりしちゃったのはベティのおはなし。
あとあじ悪めだったのは月光仮面のおはなし。
なーんか気になったのは教頭先生のおはなし。
この子の家族は興味深い。
先生、と呼ばれる元ヤクザっぽい父。
あっ、今思ったが、先生って政治家系か??
そこそこ豊かなおうちっぽい。
そーいや、おとなたち、とあるように、友達との話とかはあんまなかったなあ。
商店街で迷ったとこは少しファンタジーはいってた。
最後は桜の木の下でみんな笑顔だったので、よかったよかった。
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昭和30年代、東京のはずれのK町。
わたしが回想する、就学前から小学生(低学年くらいまで)時代の、ちょっと不思議な連作短編。
両親をはじめ、隣のK荘(アパート)のいつもお小遣いをくれるおばちゃん、お父さんの下っ端野良部下(?)のサブロウさん、時々預けられたベティーさん、銭湯で潜水艦の乗組員ごっごをした普段は堅い顔したおじさん、知らず知らずのうちに わたしがつないだ、モデルガンの店主と近所のカズちゃんの恋。・・・
戦後日本の、なんだか陰影礼賛な建物がならぶ、東京とはいえまだまだ田舎の町の
奇妙な、でも、ありそうな物語。
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教頭先生が池に入っていく場面、まさに奇妙でこわかった。けれど読みすすめていくと理由がわかって、怖さがせつなさに変わっていった。昭和という時代は、今よりずっと陰の部分が多かったような気がする。
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なんだかさっぱり。どうも作者の思い出話らしい。でも、おもしろくない。子供の時のきおくだから、夢の話をきかされているようなつじつまのあわない、ゴールのないお話し。わざわざ本にするかな。
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タイトルからして奇妙過ぎる。謎々しいファンタジーのようです。
”奇妙なおとなたち”とあるように、”ぼく”にとって大人はとても奇妙にみえていたー…。
2012/00/00
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子供の頃に不思議に感じたことも、大人になって考えてみると、存外あっさりと解決してしまうことがある。
が、やっぱりどう考えても辻褄の合わないこともある。
『まれやまさんちのおばちゃん』
おばさんの家で見た、茶箱いっぱいの蛇の死骸。今考えると漢方薬か何かに使うんだろうけど、あの時箱の中から聞こえた音は一体何だったんだろう。そしておばさんは東京の高級住宅街へと引っ越して行った
『カズちゃんたち』
K町にいる3人の男女のカズちゃんが、おかめのお面をつけて夜の原っぱで踊っていた
『サブロウさん』
サブロウさんに聞かされた狸囃子を探して迷子になった私を助けてくれた灯りが、「おくりちょうちん」だと気づいたのは大人になってから
『ベティーさん』
私にだけ本名を教えてくれたベティーさん。ベティーさんが亡くなった時間に会ったベティーさんは、私にしか見えていなかったようだ
『教頭先生』
入院しているはずの教頭先生が、誰もいない校庭の池に飛び込んだのを見た
『せーばあんちゃん』
子どもたちに「カタ」を売って、その「カタ」を使って子どもたちが作った作品の優劣を決める「カタのおじさん」。何度も勝てば、ポイントがたまって良い賞品と交換してもらえる(ただし出品された作品の所有権は「カタのおじさん」にうつる)
目玉賞品を渡すのが惜しくて、一番上手にできたせーばあんちゃんの作品を優勝にしなかったテキ屋のおじさん。その日に私は丑の刻参りの音を聞いた。翌朝、いつもテキ屋のおじさんが座る後ろの木には釘がささっていた。それきりテキ屋のおじさんはこの町にはやって来なかった。
『浅間のおじさん』
八百屋のおじさんは、浅間のおじさんの亡くなる時期をお医者さんより的確に当てた。そして亡くなった浅間のおじさんの家に行った私を、八百屋のおじさんは呼び止めてお祓いをしてくれた
『写真屋のおじさん』
銭湯で海軍時代の潜水艦ごっこをしていた写真屋のおじさんと私。のぼせた私が見たおじさんの海軍仲間の上司のことを話すと、おじさんはそれ以後潜水艦ごっこをしなくなった。
『ガンショップのおじさん』
となり町の商店街は迷路のようになっており、やっと見つけた開いている店に入り込むと、そこではとっくに住んだはずの浅間のおじいさんのお葬式のようなものが開かれていた…。
『松風のお嫁さん』
和菓子屋「松風」に来たお嫁さんが電話ボックスに入るのを見た。お嫁さんは電話が終わると下半分が不透明な
電話ボックスの中にしゃがみ込み、一瞬後に立ち上がった時には洋装から着物へと変わっていた。それから半年後、お嫁さんはK町から出て行った。
『ジュンジロウさん』
結婚を反対していた父親に邪魔されないように、父親の嫌いな桜の樹の下で宴会のような結婚式をしたいというカズちゃん。木の上には、おじさんと、戦死した息子のジュンジロウさんが見えた
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どちらかというと大人向け?作者が子どものころに出会った不思議な体験を語る形の短編集。おそらくフィクション。でも本当にあった話なのかも…と思わせるような話。ちょっと怖い話もあるし、なんだか少し寂しいような、懐かしいような…。自分の幼い頃にもこういう不思議なことがあった気がする。子供の時は時間がゆっくり流れているから新幹線みたいに走っている大人にはみえないものがみえるのね。挿し絵も昭和レトロ+怖い雰囲気が出ていていい感じ。
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主人公の男が、子供の頃に体験した少し不思議な物語。きっと大人になれば、ああいうことだったんだって分かるけど、子供だから不思議な体験になっている。だけど、大人になった今でもよく分からないこともあるみたいな。
最後の話は、今まで出てきた人などが出てきて、なんだかほんわかした。
K荘の管理人の娘のカズちゃんが、父親がいい顔したないために、働きに出られなかったって下りは、なんだか昭和時代だなぁと思ってしまった。今では考えられない話だしね。
また、そのカズちゃんも最後は幸せになって良かった。だけど、あの年で結婚するのは今ではあんま気にならないけど、当時は行き遅れ感があったんだろうなぁ。
児童図書って、だいたいはハッピーエンドで終わるから好き。
2017.7.16 読了