紙の本
嫌いではないですね
2017/02/09 22:12
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
どうして読む気になったのかは憶えてません。ただ時々、罪滅ぼしか食生活を見直すみたいに純文学とか言われるものを読んでいます。(笑)
例のよって例のごとく私にはこの作品の意味や価値はわかりませんでした。食事に例えたついでに言えば、体に良いと言われるものを食べたところでその良さを肉体的に実感することなど私はないのです。単純に美味しいか不味いか、要は好みがあるだけです。
ただ一箇所、「孤独」について書かれた部分は共感というか強く同意できました。
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途中まで読んで、そういえば一回読んだんだったと思い出した。
やはり芥川賞は文学であって、エンターテイメントではないようで。
リアルな中年の姿と葛藤。
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短い内容、1時間ちょっとで読了。今の時点で全く物語に移入できず。巻末の解説も少しも自分には楽しめなかったです。あと10年くらい経たないと面白く無いんだろうか?取り敢えずこの文庫本は古本屋に出ること決定になりました。さようなら、また会える日まで。
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これはけっこうな大人になってからまた読み返したいかなと思う。正統派な文章、起伏の激しくない展開ではあるがフィクション性が強い不思議な小説。著者がしばしば言及するように北杜夫の影響が文章の端々に窺える(特に収録作品の「ペナント」)。
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抽象的というかちょっとファンタジックというか、掴みどころのない雰囲気。彼も妻も娘も、みんな考えていることがわからなかった。
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早回しの録音テープがきゅるきゅる鳴っているみたいな読感があまり好きじゃなかった。ざーざーという音も聞こえてきそうな荒さで描写も何もない。最後は「キュルルッ」と音を立ててガシャンと終わってしまう。(私は喋る時擬態語と擬音語が多すぎるそうです)
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会社員としての、ごく平凡な人生の、奇妙な物語。読むと、自らの人生も、平凡だけど、奇妙で面白いと思えるのでは。
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夫婦ってものを考えさせられた。
ありえない、と思われるストーリーながら、
夫の淡々とした語り口がやたらリアル。
結婚について考える年頃で読むと
共感したり、悲観したり。
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併録されている「ペナント」が最後セザンヌにつながったところで「あっ!なんか凄い!」となった。読み終わったすぐの時は気づかなかったけど「終の住処」の感想を書こうとして、「そういえばこれはピカソなのかも」とぼんやりと思った。
メインの「終の住処」は実はそんなに期待していなかったのだが、かなり意表をつかれた。見えてくるものを新鮮にとらえなおそうとする主人公のずれ方が、何かいちいち面白いなあと思う。一つ一つの認識は正しいのにつなげると妙な違和感が出るというか。そんなことは一言も書いてないが、妻のことを怪物でも見るような(しかも無意識)語りがちょっと笑ってしまう時もある。カフカっぽい感じがする。
セザンヌの静物画は自分の浅い美術理解によると、Aの方向から見た感じとBの方向から見た感じを同一平面上に描き込んでいることが、斬新だった理由の一つだった(たぶん)。で、ピカソはセザンヌに影響を受けていて、キュビスムはそれを進めた形(?)とテキトーなマイ美術史があるのだが、そう言われてみるとピカソの絵って、全体としては滑稽でもあればどこか物悲しくもあって、それがなんだかこの小説と似てるなと思ったのだった。「リアルなものを書こう」というのを妙な方向に進める形で世界を構築しよう、とでもいうような。
かなり面白いと思ったので他の人のレビューも読んでみたのだけど、ブクログではあまり評判が良くないようである。確かに真面目に「現代の家族とは」みたいなメッセージを読みとろうとするとあまり面白くないかもしれないなとは思う。主人公とかに適当にツッコミながら読むのがいいのではなかろうかと個人的には思う。
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タイトルに惹かれて買ったものの、B級の短編ミステリだった。
せめて数ページでも読んでから買うようにしよう。
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うーん、深い。
私の年齢で読むには早すぎたのかも。
短い話だから話の流れに乗れないまま終わった感じ。
でもたまにハッとさせられる文章があったりもして。
これが文学なのか、と。
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芥川賞を受賞したものなので読んで見たが、何を伝えようとしているのか理解が出来なかった。
難しすぎた。
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2013.05.23 読了
純文。おそらく。
嫌いではない。今後の作品にも期待したいが書き続けているのだろうか。
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改行をほとんどせず淡々と書き綴れた作風には好き嫌いがありそうだが、自分は嫌い。内容は男の孤独感を描いており共感できるところがあり、のめり込めた。
同収録の「ペナント」はよくわからなかった。
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2009年芥川賞受賞作。あまり乗り気ではない結婚をして、あまり幸せとは言えない結婚生活を送り、さまざまな不倫も経験し、仕事もそこそこの業績を残し、そんな、日本中ありとあらゆるところに存在するであろう名も無き男の物語。なんとなく庄野潤三を連想させるような、断片的イメージの連続とするするとした不思議な手触りの文章が、方法論的なこのひとの個性かとおもいます。そしてそれは、「時間」というものに対する磯崎憲一郎の関心のあり方からして非常に合っているんじゃないかなあ。「終の住処」では、人生という時間があるっていうよりも、時間があって人生はそれをなぞっている、外界が個人のあり様を決めていく。あらゆるひとを縛る「時間」は外界であり、一方的なコミュニケーションであり、それに対峙する主人公はとてつもなく無力。その時々における個人の意思決定にはあんまり意味がなくて、思いも寄らないことを言ってしまったり、一方的な語りをひたすら浴びせられたり、会話を拒否されたり、そんなことばかり。なんかこう、現実的な力の意味で無力というよりも、ひとつの生命、個体としての無力さなのかなあ、そしてそれは淡々と、静謐に描かれている。
まあ、21歳の今ではなく10年、20年後に読んだらもっとずっと染みるんじゃないか、今読んでも掬い取りきれないんじゃないか、と。わたしはまだ全体よりも、瑣末なひとつひとつに苦しめられる年代にいるのだとおもう。