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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
目的のためには手段を選ばない、目的は手段を正当化するといった意味の「マキャヴェリズム」、権謀術数に長けた人を指す「マキャヴェリスト」の語源となった、著者ニッコロ・マキャヴェリ(本書ではマキアヴェッリ)が、当時、彼が住んでいたフィレンツェの統治者に献呈した、上に立つ者の在り方、国の保ち方、民の治め方などを書いた、政治学の古典として名高い名著。
「マキャヴェリスト」という言葉のせいか、著者にはあまり良いイメージを抱いていなかったのですが、本書を読んでそれが少し変わってきました。民を治める者は時と場合によっては悪人になるべきとか、新しい領土を得てそこを長く保つためには、前統治者の血縁を皆殺しにすればよいなど、確かに厳しいことも書いてあります。が、これらは過去の例をいくつも挙げていることからもわかるように、マキアヴェッリが初めて提唱したものではなく、大昔から何度も何度も繰り返し行われてきたことをマキアヴェッリがまとめたに過ぎないものです。美辞麗句を並べるよりも、たとえ冷酷と思われようとやらなければならないことはやるべきだという徹底した現実主義者マキアヴェッリの姿が見えてくるような気がします。
あまり良くない意味でマキャヴェリストという言葉が使われだしたのは、おそらく本書に書かれているモーゼのことが気に入らなかった教会のせいではないでしょうか?(マキアヴェッリの著作は本書しか読んでいないので憶測です。他の著書にその原因があるのかもしれません)
本書、講談社学術文庫版は、本文に入る前に前書きとして、『君主論』が書かれた当時のイタリアの政治情勢やフィレンツェの状況が簡単に説明されているので、マキアヴェッリが、なぜ、誰に対して、どのような思いで書き上げたのか、『君主論』を読み理解するのに多いに役立ちます。欲を言えば、もっともっと詳しい説明解説をつけてほしかったです。
マキャヴェリによる名著『君主論』の内容を分かり易く解説した書です!
2020/04/05 13:57
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1532年に刊行されたニッコロ・マキャヴェッリによるイタリア語で書かれた政治学の著作『君主論』の内容を、分かりやすく解説した書です。『君主論』は、歴史上の様々な君主および君主国を分析し、君主とはどうあるものか、君主として権力を獲得し、また保持し続けるにはどのような力量が必要かなどが論じられており、その政治思想から現実主義の古典として位置付けられている名著でもあります。同書は、この名著を政治学の第一人者である佐々木氏が全訳し、とっても分かり易く解説した一冊です!
野望と希望の二重奏
2015/08/31 23:54
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投稿者:マンセル - この投稿者のレビュー一覧を見る
イタリアの歴史に詳しくないとわかりづらいところがある。
(例えば地名や人物名など)
だが本質的なところは今読んでも色褪せることなく通用する。
2回3回と読むごとに新しい発見があるのでぜひ購入してくだい。
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君はマキャベリストだね
といわれてなんじゃそいつはと読んでみた なかなどうして 謀略術者のイメージとは違う 素晴らしい治世術の本だと思った 私はこれを読んで自らマキャベリスト宣言をすることにしました
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読もう。善悪で考えちゃだめだ
クラウゼヴィッツも毛沢東も言っているよ
戦争は政治の続き。形を変えた政治だって
イラク戦争に際して神の名前を軽々しく連呼しすぎって法皇に怒られてたどっかの大統領を思い出す。
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中世から統一までのイタリアにちょっと興味があるこのごろ。ゴールに塩野七生の『チェーザレボルジア−あるいは、華麗なる冷酷−』『ローマ人の物語』を考えているのだけれど、まずは、古典を押さえておきましょうということで手にとってみた。言うまでもなくマキャベリズムのおおもとである本なのですが、思いのほかシンプルで、平明なのに驚いた。君主として必要な素養と、なすべきことを網羅的に、さまざまな角度からまとめたこの一冊が、彼の一個人としての経験と歴史上の事実の見聞をもとにまとめられたのだから達観です。人心を掌握し、国家を安定させるための君主のありかたは、現代のリーダー論としても、ものすごく示唆的。
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“どう支配すべきか”の本。明快。具体例を挙げてあらゆる局面での君主のあり方を説く。人の上に立つリーダー的立場の人は是非読むべき。
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人を動かすには、ある時は独裁的な言動も必要なのでは。今に時代には流行らない方法でないか、でもこの論理が古くから消えることのないという事実が、人々に受け入れられている証拠である。
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マキャベリの時代の単なる君主にとどまらず、現代の「リーダー」にもあてはまる議論。これを読むといかに日本の首相たちが不適切であるかを感じさせられる。そしていかにリーダーであることが難しいか。リーダーの素質が備わっていなければ、またはリーダーとしてもう一歩であるならば、これを読んで“そう振舞うこと”をしてみてもいいだろう。
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「君主とはかくあるべき」が書かれた本。凡人である、自分であっても「あ、なるほど」や「ハッ」とすることがたくさんあるはず。
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ビジネスというより、政治とか経営かな。
優しさは大切です。
でも、人の上に立つ君主は、時にはそうでない方が、
たくさんの国民を救うことができたりします。
そんな風に言い切ってしまうところがむしろ潔い。
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狐のような狡猾さと獅子のような獰猛さを以て統治せよ、といったフレーズで議論を巻き起こしたと言われる本。まぁ一つのフレーズが一人歩きして印象を代表してしまうことはこの本に限らずいくつもあるだろうけど、ご多聞に漏れずこれも言うほど過激ではないと思う。表面上穏やかなだけな人を「優しい人」と呼ぶ種類の人間にとっては、過激と捉えられるだろうが。
全部で20数章にわたって著者が仕える君主に対して上梓する君主足るものこうすべき、といったことが書かれている。様々な事象を持ち出すのはよいことだが、それぞれのケースについて知らないとあまりピンと来ないどころか、どっちが味方だかわからないというようなことにもなって非常に読みづらい。それに、例外のケースも挙げるのはよいが「幸運だったから」と片付けられるのもなんだかなぁ。
ただ、それぞれの理論についてはなかなか面白かった。個人的にお気に入りなのは23章の良き君主でないと良き助言は得られない、というくだり。なんでも他人のせいにしちゃうような上司に言ってあげたい御言葉でございます。
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なかなか上質なビジネス書でございました! ビジネス書じゃない? まっさかー(^^)
んで、本書が書かれたのは1500年頃とのことですが、その理念は現在にも通ずるところがあります。君主を上司、リーダーと置き換えてみたり、臣民を部下と置き換えてみたりすると、意外としっくりきちゃうのです。今後、まったくの新天地にリーダーとして招きいれられた場合、どのようにふるまったらいいのか、そのヒントがここに記されています。
もちろん、すべてが全て使えるというものでもないでしょう。さすがに、権力者を一同に集めて暗殺するなんてね。まあ、そのへんは比喩的に捉えてみたらいいのだと思います。
繰り返しになりますが、一つのリーダー論がここにあります。リーダーたる者、どのように行動すればよいのか? 部下とどのように接すればよいのか? 自分と同程度の権力を持つ方を対処するには? などの考え方を参考にしてみるのも面白いです。こんな時代だからこそ『君主論』! (`ー゜)b
ただ、作品の成立背景から「世界史」的な世界観が見え隠れし、そのような記述が多く見られます。そのため、高校時代に「世界史」を嫌いだった方、特に「え、僕? いやあ日本史選択だったなあ。世界史ってカタカナ多いじゃん? ああいう人名とかマジ無理なんだよねー」なんて言ったことのある人には、読んでいて辛いところもあるかと。まあ実際、僕がそうだったんですがね。
【目次】
まえがき
君主論
マキアヴェッリ年表
索引
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世界史を知らないためか、前半を理解が難しかった。後半は君主の性質に関する事であったため前半より比較的理解できた。君主を企業の経営者と置き換えながら読んだが、リーダーシップを学ぶのに役立つのでないかと思う。
世界史を把握したうえで再読すると更に興味深い本になるだろう。
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話くだけてる感じは良いのだけれど、時々主語がわからなくなる文章にであう。最後は岩波文庫かな、やはり。