紙の本
テンポよく進んでいくストーリーの最後に待っている、やられたっ! という快感。騙される楽しさが堪能できるミステリ短篇集です。
2010/02/03 16:34
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『TWISTED』(ひねり)という原題のとおり、話に“ひねり”が利いていたり、逆転必殺の“オチ”が付いていたりする短篇集。
この作家の作品を読むのは初めてだったのですが、話の展開のさせ方、お話の作り方が堂に入っていて、巧いもんだなあと堪能させられましたね。乗り心地の良い車の助手席に座って、流れ去る外の景色に目を走らせているうちに、目的地の終点近く。「えっ!?」という、ツイストの利いたサプライズ(驚き)が待っているという妙味。小気味よく楽しませてもらいました。
収録16作品のなか、特に「やられたっ!」と痛快な心持ちにさせられたのが、「三角関係」と「ひざまずく兵士」。前者の騙しのテクニック、後者の話の絵柄が反転するエンディング、いずれも巧妙で鮮やかでした。
そうしたひねりの要素は薄いけれど、出来のいいショートストーリーとして贔屓したいのは、「ノクターン」の一篇。O・ヘンリー風味の心あたたまる一品。音楽好きの警官が活躍する音楽ミステリとして、これはなかなかの逸品ではないでしょうか。
原書に掲載されていたものなのか、それぞれの作品の扉の頁に載っている挿絵が、ちょっと洒落ていて素敵。話の中に入っていくムードを盛り上げてくれて、好印象を持ちました。
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怒涛の16作品
2019/11/23 21:07
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
怒涛の16作品。最初から、ガツンときます!筋書きが何となくわかるどんでん返しもあれば、叙述ものあり、そう来るかというものもあり、実に楽しかったです。訳が何人かで分かれており、ディーヴァー作品はやはり池田さんの訳が読みやすくてスッと入ってきました。
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リンカーン・ライムで嵌った人には物足りないかも
2017/05/06 21:11
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱり紙数の限られる短編では登場人物の造形で知らぬ間に物語の世界に引き込まれるほど書き込みはできないのですね。
著者の数々の長編で圧倒的な魅力を放つ犯罪者たちは残念ながらこの短編集では登場しませんでした。
それでもトリッキーで捻りの効いたストーリーはどれも見事で良くできた短編集でした。
多分、この作品で初めてこの著者の作品に触れた人なら、満足こそすれ不満をおぼえることはないと思います
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全作すべてにサプライズが用意されている。短編になってもディーヴァーのストーリーテラーぶりは見事。短編の方がますます読みやすくなった気もする。捻りのきいたトリッキーなアイデアもあれば、深みのあるショート・ストーリーをじっくり読ませる作品もある。短編なので伏線の数は少ないが、逆に読み終えた瞬間にその妙に気づき、思わずにやりとさせられる。読み手を選ばない作品に仕上がっている。『ジョナサンがいない』『身代わり』『三角関係』が気に入った。
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短篇集。長編を多く書いている著者が、年少時代より親しんでいる短篇を綴った。最後の一行にどんでん返しがあり、余韻を楽しめる一冊
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16作品からなるショート・ストーリーで捻りの効いた、どんでん返し満載の書。
最近、長編ものばかり読んでいたけど久々に肩に力を入れず一気に読んでしまった。どれも面白かったけど、中でも「ノクターン」、「被包含犯罪」、「パインクリークの未亡人」が僕のBEST3。
「ノクターン」は洒落たラストが用意され、ちょっと心温まる作品。
「被包含犯罪」はショート・ストーリーながら法廷物として十分楽しめる作品だった。作品中で「法とは、結局のところ、言葉の蓄積なのだ。」という言葉がこの作品の全てを表現しているように思う。
「パインクリークの未亡人」はアメリカの田舎町で起こる未亡人と詐欺師の騙し合い。話は2転3転し以外なラストが待っている。
あと、忘れてはいけないのが車椅子の探偵リンカーン・ライムと女刑事のアメリア・サックスが登場する邦題の作品。映画「ボーン・コレクター」でデンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーが演じていたあのサスペンスものの書き下ろし。こちらも洒落た会話とライムの明晰な推理が如何なく発揮されていて、今度は小説版の方を読んでみたいと思った。
長編ものに飽きた人にはお薦めな本です。
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ディーバー初の短編集。どの作品も相変わらずのどんでん返しで楽しませてくれる。なかでも気に入ったのは「三角関係」「ノクターン」など。リンカーンライムシリーズも出てきます。ただ、やはり短編は疲れる・・・
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短編集。作者のまえがきが大いに気に入った。短編とは《登場人物について時間をかけて学び、その人物を愛し、あるいは憎むことではない》。全くその通り。しかしひとつひとつのお話を読むのには多少の疲労感も感じるのでなかなか進まない(笑)
が、物語に仕掛けられた「どんでん返し」はどれも素直で忠実な読者であるわたしを裏切ってくれて楽しめた。
「三角関係」「釣り日和」「宛名のないカード」そしてリンカーンライムシリーズの「クリスマス・プレゼント」などが良かった。
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これもmarieさんオススメの本、ディヴァー初の短編集です。
全部で16の短編が載ってるんですが、どれもこれも結構面白く読めました。
「ジョナサンがいない」で最後の思わぬ一捻りに驚き、「身代わり」でどんでん返しの巧みさに頷き、「三角関係」では意外な人物設定に感心しました。
ディーヴァーって、短編も結構イケルって言うか、16作あるとある程度のパターンもあるんですが、どれもこれも、お得意のジェットコースターがあざとくなる前に終わってしまうので読んでて楽しい(笑)。ディーヴァー好きの方にはお勧めの一冊です。
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巧いなあ。大体にこういうのは騙されるために読むんだけど、それはつまり、簡単にはだまされないぞ、って天邪鬼な決意もあるわけね。でも、見事にやられちゃうんだなあ、これが。ツボを押さえてるっていうか、手持ちのツボが多いというか、褒め言葉を幾つ重ねても足りない。
全ての編を語るのは無理なので、書き下ろしの「クリスマス・プレゼント」についてだけ。他が全て、所謂短編小説の体を成してるのに対して、こいつはちょっと違うよね。中編というか、長編崩れというか。おそらく、想像するに、まず前半を思いついたんだね、普通の短編として。で、どうかして物足りなくなって後半を足したんだろうか。では、リンカーン・ライムを登場させようか、なんてね。ちょっと不思議なバランスの一編です。
それはさておき、かのリンカーン・ライム(+アメリア・サックス)も常に長編になるような事件ばかりを扱っているわけはないだろうから、日常的にはこういう事件が多いはずだよね。てことは、こういう中短編がもっとあっても良いよね。そういうのを集めた一冊があると、こういうお洒落な短編集とは違う味わいがるのではと、期待するのです。
小説自体もめっぽう面白いけど、この本は各編の扉の絵がまた良いのだなあ。タイトルに偽りはないです。騙されたと思って騙されましょう。
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「どんでん返し16連発!」との宣伝文句だが、逆にそう書かれていたため、作品によっては途中から話の先が見えてしまうのが残念。
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どんでん返し、と謳っている作者がスゴイ。本当にどんでん返しでしたが、中には先が読めてしまうものも。「パインクリークの未亡人」が一番好き。「釣り日和」みたいなのも好きでした。
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楽しめました。水準は高いのですがこの作者の作品といてはものたりません。作者の持ち味は短編ではないですね。彼が技を駆使するには長さが必要です。そして彼の作品は技を楽しむべきものです。
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世間の評判どおりに面白い作品!
「大どんでん返し」な作品が16篇並んでいます。
作品によっては、二転三転する結末もあり、思わずニヤリとしてしまいます(まあ、ミステリー好きな人には、簡単に先が読めてしまうであろう作品もありますが・・・)。
短篇ということで、空いた時間に気軽に読み始めてしまうと、いつの間にか抜け出せなくなる面白さです。
注意してください!
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1つ1つが短編で読みやすいし、ミステリとしてはよくできている作品ばかりだと思う。
ただ、私個人の好みとしては、やっぱり日本の作品の方が好きだなぁ…。