紙の本
近未来の犯罪を予感させる一篇
2012/11/24 22:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はディーヴァーによるリンカーン・ライムのシリーズ第8作目である。シリーズ物は難しい。読者はシリーズに何を期待しているのか? 作家はそれをよく汲み取らなければならない。たとえば、ディーヴァーのスピンアウト作品であるキャサリン・ダンスが主人公のスリーピング・ドールは期待外れであった。
何故ならば、キャサリン・ダンスの持ち味であるキネシクスが活躍する場がほとんど描かれていなかったからである。それを期待していた私は肩透かしを喰らったような気がした。ライムのシリーズは、ライムとサックスのコンビ、あるいは周囲の仲間であるセリットー、クーバーなどの絡みが面白く、人気が高まったのであろう。
しかし、そもそもライムの持ち味である捜査手法に興味を覚えた人が多かったのではなかろうか? 現場を隈なく調べ上げて証拠を分析するライムの捜査手法である。シリーズではこれを必ず出して欲しいものである。それが私の期待なのだ。しかし、今回はそれがほとんど出てこない。少なくとも犯人逮捕への貢献度は低いように描かれている。
そろそろ材料が枯渇してきたのか、あるいはいつもそれでは飽きがくると考えて、異なる趣向を用意したのか? それはそれでディーヴァーの考える効果は出ていないとは言えない。しかし、今後はこれが当たり前の描き方になるのであれば、落胆してしまう。このようにシリーズになった場合の期待の仕方は、読者毎に分裂を始めるので、当初の作品のように簡単ではないと推定する次第である。
今回はライムの成長過程でいわくのあった従兄弟の登場である。ライムは今まで事情によって絶縁状態にあった従兄弟と接触する必要が出てきた。この従兄弟が殺人の容疑者となったからである。
シリーズ物は難しいと書いたのだが、実は本書ではライムの捜査手法を登場させる暇がないほど、犯人の策略が巧みであった。この策略が面白い。ディーヴァーの発想は近未来の犯罪を想起させる。つまり、個人情報を利用した犯罪である。情報を巧みに利用して他人を犯人に仕立て上げるというものである。
この種の犯人は個人情報にアクセスできる立場にある人物に限られるのだが、情報管理が杜撰であれば容易に悪用されてしまう。そういう点で近未来的な犯罪の姿が描かれているといっても過言ではない。ディーヴァーのアイデアの泉はまだまだ滾滾と湧き出ているといってもよい。次回もどのような展開を見せるのか期待できよう。
電子書籍
ソウルコレクター
2021/03/16 17:18
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投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回も素晴らしく面白かったです。
ライムの学生時代が少し過去を思いだすときに出て来るんですが、アーサーに裏切られたって話は本当にそうだったのか、後ほどアーサーと話してる場面等が見たいです。
ロナウドがいいキャラで目立ってて好きなキャラの一人になってしまいました。笑
紙の本
すごい!
2017/08/29 09:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:笑う門ふう - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人情報の怖さが身にしみます・・・
現金払いしなければ。
日用品はネットで買ったらダメだわ…などなど。
現代社会、身につまされます。
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ジェフリー・ディーヴァーは先日「追撃の森」を読み終わったばかり。あまり、続けて読まない方が良いかもしれないけど。
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〈リンカーン・ライム〉シリーズ第8弾
千兆(テラ)バイトの闇にひそむ
もっとも卑劣な殺人鬼
ミステリ:
ストーリー:
人物:
読みやすさ:
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ジェフリー・ディーヴァーの作品はハズレなしだ。犯人の顔は全く見えないが、ハラハラドキドキしながら、頁をめくっている。今回はコンピューターを駆使した最新の技術との対決だ。
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ジェフリー・ディーヴァーは大好きな作家さんなのですが、リンカーン・ライム・シリーズの長編を読むのは初めてです。
短編は「クリスマス・プレゼント」の中に有ったかな??
私は基本的にシリーズ物はあまり好みません、何故なら必ず主人公が勝からです。
まあ、大体の小説はそうなのですが、ハラハラ感が少し減る感じがします。
しかし久しぶりに典型的な勧善懲悪的エンターテイメントも良いかと思い読んで見ました。
面白かった。
やはり、ディーヴァーのスピード感は凄いですね。
今回はインターネット情報社会の怖さがテーマですが、同じようなテーマでは「青い虚空」の方が面白かったかな。
シリーズ物特有のサイドストーリーも満載でこういうのが好きな人にはたまらないのでは。(私には少々邪魔)
少し食わず嫌いで敬遠していたのですが、面白いモノは素直に面白いと言うことで、評判の良い「コフィン・ダンサー」と「ウォッチ・メーカー」を読んでライムシリーズを語ってみようと思います。
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ああ怖い怖い。このシリーズはいつだって恐ろしいモンスターが犯人となるわけだけれど、今回の522号の恐ろしさは際立っている。こんな化物に被害者として選ばれたらどうしよう、という恐怖だけではなく、加害者役として選ばれたらどうしようもない、という恐怖まで重なって、いやはや本当にぞっとする。
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帯に児玉清さんのお顔を見て購入。
購入してから気が付いたのが、映画「ボーンコレクター」を見ていたけど、あのシリーズ?ってことでした。
読んでいるとリンカーンが常にデンゼル・ワシントンで映像が現れていました。
それにしても、現代ならではの事件ですね。
SSDみたいな組織って日本にもあるのかしら。
なんでも情報の世の中だから怖いなぁ。
ベッドで捜査指揮するリンカーン
あの部屋・・
今回の犯人は誰だろう・・
下巻が楽しみ。
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久々のリンカーン・ライムシリーズ。
相変わらずの展開に満足。
下巻にレビューはまとめて書きます。
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ディーヴァーのリンカーンライムシリーズ。スピード感があり、グイグイ読める。今回の犯人はデータを自在に操り、かなり手強い。最新のテクノロジーまでも、自在に書き上げるディーヴァーも流石。犯人を絞りきれずに下巻へ続く。
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ライムの従弟が、逮捕された。
周到に用意された証拠に、かえって違和感を覚えるライム。
「クリミナルマインド」で「インターネットは人類が作り出した人智を超えたもの」っていってたけど、まさにそれなんだよね。
でもって、ネットに熟知しているってことは各種の記録を改竄できるってことで。
これが怖い。こわすぎる。
も、手も足もでないじゃないかって状況から、まぁ、ライムなので無理矢理解決をこじあけていく。
安定の面白さです。
にしても、やっぱ「ボーンコレクター」は、白人の俳優で作り直すべきだよね。いや、デンゼンワシントンは最高によかったんだけどね、どーしてもあれがちらつくとぶれる。今回のようにライムのバックボーンがかかわってくると余計にぶれる。
それがしんどいです。
うん、せめてテレビシリーズにしてっていう案はないんですかねぇ。
にしても、<感覚>っていう感性は、すごいなと思うのである。
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リンカーン・ライムシリーズの8作目。
全てを知る男とライム、サックスの対決。上巻はなんだか説明やらなんやわがわかりにくくて読みにくい。詳細は下巻のレビューで。
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ライムシリーズもずっと読んできましたが、安定した面白さです。
今回の犯人は、自分の罪を他人になすりつけることで、殺人から窃盗、レイプまであらゆる犯罪を逃れている男。
このシリーズの面白さは犯人を追い詰めていくライム達の調査力、推理力に加えて犯人側からの心理戦も描かれているところ。
今上巻を読み終わった所で、犯人像がおぼろげながら浮かんできたところ。このあとどんなどんでん返しが起きるのか見どころです。
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2013.3.30読了。
ライムシリーズ。
逮捕者はまったく身に憶えのないことで捕まり、証拠品はしっかり揃っている事件が発生。ライムの従兄弟も捕まり…