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戦時下の強制収容所に心理学者が収容されたら・・・
収容所にありがちな残酷な表現などは数少ない。
しかし、異常下で、何を心の支えに生き抜くかが、
淡々かつ冷静に述べられている。
心理学書としての評価が高い
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彼を見れば、人間の本質がわかるってもんだ。
アウシュビッツ収容所など複数の収容所を経験し、生き残ったユダヤ人の心理学者が記した夜と霧。
誰もが一度は耳にしたことあるだろう。
全体的には、収容所を経験する者の心理の変化について述べているが、実際には、著者がその監獄の中で何を感じ、悟ったかという主観的な部分に重きを置かれていた。特に彼の悟った生について述べられている後半は、非常に秀逸である。
フランクル氏との出会いは7つの習慣でコヴィー先生が彼の言葉を引用したことに始まる。
「わたしたちが生きることからなにかを期待するのではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ」
いまだに、人生が僕に何を期待しているかわからないけれど、この言葉がずっと頭から離れない。
彼は、自分を定義するものが収容者番号以外何もなかった。
彼は、常に空腹と睡眠不足であった。
彼は、意味もなく侮辱され、殴られ、虐げられた。
彼と他の収容者は、ごみのように扱われ、多くが死んだ。
彼の家族も大半の人と同様にガス室に送られ、殺された。
彼は全ての苦悩をその身に受け止めた。
性欲もなくし、毎日自分を永らえさせることに全生命を注いだ。
何も感じない感覚を盾に、ユーモアを武器にして。
周りのほとんどの人々は、没価値化。
自我までが無価値なものに思え、精神の堕落または肉体の崩壊で、死んだ。死んだ。死んだ。
彼が生き残ったのには、神に与えられた運が99%を占めている。
しかしそれでも彼は残りの1%を、掴んだからこそ、生き残ったのだ。
地獄のような外的条件で内面的に深まる人々がいた。そう彼とほんの一握りの人々。
愛が人として到達できる究極にして、最高のものであると気づいた。
現時点ではなく、未来を常に見つめた。そして仲間と語り続けた。
生き残る可能性がどれだけ低くても、諦めず、少しでも人間らしくしようとした。
あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは誰にも奪えないのだ。
彼はその自由に対して、自らの生に繋がる行動を常に選び続けることで生き延びた。
アウシュビッツのような特殊な環境でなくても、どんな苦難にも通じる考え方だ。
こういう本を思春期の子とか、自殺とか考えちゃう子とかに読ましてあげたい。
言い方を変えれば、気のもちようって陳腐になってしまうんやけど
私たちに降りかかる出来事と私たちの反応の間にはスペースがあり、どんな振る舞いをするかは無意識的なものを含めて全部自分で選択しているってこと。って言われたら、自分の選択に対して、責任が発生するし、なんだかしっくりくる表現だと思った。
この考えさえ常に持ち続ければ、なんだってうまくいくと思う。
URL:http://ameblo.jp/btg4102/entry-10356479842.html
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時々読みたくなる『夜と霧』。一度ちゃんと読書感想文を書きたいもの。人間のたくましさ、生きるとは何か、読み返すたびに心うたれる場所が違います。
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これは著者のフランクルがアウシュビッツ収容所での経験を収めた本。言語を絶する感動と評され、人間の偉大さと悲惨をあますところなく描いた本と言われているが、まさにその通りである。数回読んだだけでは、本書の全てを理解することは無理なほど、内容が深い本である。そのなかでも特に印象が残ったのが、二つの人間と生きる意味を語るところだ。
「この世にはふたつの人間の種族がいる。いや、ふたつの種族しかいない、まともな人間とまともではない人間と、いうことを。……。わたしたちは、おそらくこれまでどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。」
人間は元来善であるという説と、悪であるという説があるが、その両方とも正しいことがこの本でわかる。私達の周りにも、まともな人間とまともではない人間の二種類しかいないだ。
「強制収容所の人間を精神的に奮い立たせるには、まず未来に目的を持たせなければならなかった。被収容者を対象とした心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは、ニーチェの的を射た格言だろう。「なぜ生きるべきかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」したがって被収容者には、彼らが生きる「なぜ」を、生きる目的を、ことあるごとに意識させ、現在のありようの悲惨な「どのように」に、つまり収容所生活のおぞましさに精神的に耐え、抵抗できるようにしてやらねばならない。」
このように人間は、未来や目的がなければ生きていけないことを本書は教えてくれる。
「生きるとはつまり、生きることの問いに正しく答える義務、生きることが各人に課す課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けることにほかならない。この要請と存在することの意味は、人により、また瞬間ごとに変化する。したがって、生きる意味を一般論で語ることはできないし、この意味への問いに一般論で答えることもできない。」
何のために生きるかは、人それぞれであって、仕事であろうが、趣味のためであろうが、金のためであろうが構わない。今は自分の生きる目的は自分の成長のためであるけど、自分の最終的な生きる目的は、愛する人のためでありたい。
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第二次大戦中のアウシュビッツでの体験をまとめた有名な本。戦場のピアニストを見た後に読んだので、すんなりと頭の中に入ってきた。極限状態においても、人間の尊厳を守り通した筆者の生き方はとても心打たれるように思う。とても重いが、しかし一度は読むべき本だと感じた。
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高校時代に初めて読んで、大学4年生のようやく全部読み切った一冊。
強制収容所での経験を事実報告としてでなく、心理学の立場から解明したこの本。
苛酷で恐ろしく、またおぞましい体験をかなり客観的に書かれているために、読んでいてもリアリティが伝わりにくい部分があったものの全体としては本書の目的通り、事実報告に留まらない心理学的な観点からの洞察により、その一歩先にある人間としての真理、また人間とは一体どのようなものかまでもを読者に伝えることに成功していると感じました。
読んで良かったと素直に感じる一冊でした。
【人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれる】
【人は強制収容所に人間をぶち込んですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間として最後の自由だけは奪えない】
【自分を待っている仕事や愛する人間にたいする責任を自覚した人間は、生きることから降りられない】
【人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ】
大切にしたい一冊です。
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2009/12/20
自身の強制収容所での体験を元に書き下ろした、
人間の偉大さと悲惨さをあますところなく描いた作品。
一気に読み終えたあとの気持ちは、
とても言葉にはできない満ち足りた感覚でした。
世の中を生きづらいと思っているすべての人を勇気づける至極の書。
『世界はどうしてこんなに美しいんだ!(p.66)』
『苦悩という情動は、それについて明晰判明に表象したとたん、
苦悩であることをやめる(p.125)』
『わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、
むしろひたすら、生きることがわたしたちから
なにを期待しているかが問題なのだ(p.129)』
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旧版を読んでませんが、たぶん新版はかなり
読みやすくなっているのではないかと想像します。
ただ単に強制収容所での非道な経験を書き綴って
いるだけではなく、心理学者の視点で書かれた
貴重なものだと思いますが、内容は興味深かった
ものの読みやすい分重みも軽減してしまった感あり。
旧版を読みたいです。
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高校の塾の先生に、一度読んだほうがいいと言われ。
荻窪で暮らしているとき、いつもの古本屋で偶然見つけて思い出しました。
強制収容所という言葉は私にとっては、手に余るくらい大きな歴史的な渦だったのですが、その中では紛れもなく、自分と同じ人が一秒一秒を過ごしていたんだとわかったときの驚きは大きかったです。経験で語る言葉の説得力も学びました。
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この本は、これまで書かれた強制収容所の体験記とはかなり異なります。
心理学者である著者自身が体験したアウシュヴィッツの惨さ、人間の残酷さという体験そのものをはるかに超えたものであり、人間という存在の尊さ、崇高さ、そして人間として生きる意味を考えさせられる、この世に2つとない、最高の哲学書のように思います。
「およそ生きることそのものに意味があるとすれば、苦しむことにも意味があるはずだ。苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在ははじめて完全なものになるのだ」
著者は自ら生と死の極限の状態を経験しながらも、また、収容所で全てを奪われることになっても、最後まで人間としての心のありようの自由は奪うことはできないこと、死を目前にしても最後まで内面性を高められるということを教えてくれました。
アウシュビッツからバイエルン地方に向かう護送車から見えた茜色の夕日の美しさを情景描写したくだりには、鳥肌がたつくらい、本当に深い感動を覚えました。
死ぬ1秒前まで人間性は高められるんですね。
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不幸な国の幸福論の中で、一部紹介され気になって購入。
絶望的な状況でもこう考えれば持ち直せる、という精神理論みたいなのが延々続くと思ったが、
前半は収容所の描写が殆ど・・。
後半に来て、とても感動する心理的描写があった。
むしろ、悟っている境地の人が発するような言葉の数々にとても感動した。
それでも人生にイエスと言うも購入したが、
後ろにある解説は長いし読むのに大変で、ちょっと・・と思った。
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初めて読んだのは高校の時、旧訳でした。その時はアウシュビッツの事実にただ愕然とするばかりでしたが、なんどか読み返すうちに私の中で「人生とは」を考えさせられる哲学書に変わっていきました。
新訳は読みやすくなっています。これからも多くの人に読んでもらいたいからという理由だそうです。
読むのはいつもなんかの壁にぶち当たったときなんですが、
いつ読んでも心に突き刺さる箇所が違います。
「およそ生きることそのものに意味があるとすれば、苦しむことにも意味があるはずだ。苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在ははじめて完全なものになるのだ」
ガス室に送られた人も人間。ガス室を作ったのも人間。
深く考えさせられる本です。
この本を人生で何回か読むことができよかったと思っています。
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何も知らなかった自分自身を反省。著者は、逮捕され収容所に入れられながらも、何とか生き延びた一人。皆が逮捕されてすぐに殺害された訳ではないらしい。また、ユダヤ人だけでなく、同性愛者、障がい者も収容されたという。収容者は、自分がいつガス室へ送られるか、過酷な労働を課せられる班に配置されるか、特に戦争の前線が迫ったりして、別の収容所へ移動する時は、過酷な心理状況に追い込まれたという。
悲惨な状況を記録するのが主題ではなく、極限状態で人は何を考え、どう行動するのか、心理学者である著者ならではの思索、考察による貴重な記録なのではないか。
人間としての尊厳を失わず、収容所生活を生き延びた著者は、終戦後、優れた心理学者として功績を残し、92歳まで生きた。尊厳を失わなかったのは、未来への希望、そして別の収容所に送られた妻を思うことだった。
収容所では、発疹チフスの流行で命を落とす者も。著者は、医師であったことから、看護の役割を与えられた。また、心理学者として、監督員からアドバイスを求められることもあり、生き延びるための救いになったのかもしれない。
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生と死のほんのわずかな隙間を、自分の意思とは別の力ですり抜けていく。
生きているということ、生きるとは、ということを、静かに語る。
生きるということ、今生きているということについて、どの時代の人が読んでも何かはっとさせられるものがあると思います。
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病気など、自分ではどうしようもない苦しい状況にいる人にはぜひ読んでもらいたいと思った。
非常に興味深い本。新版は読みやすい。