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男女間の複雑な感情の行き交いを軸に、意表を突く展開を盛り込んだミステリ短編集です。
ときに流れるような筆致で描かれつつ、トリッキーな真相を用意しているあたりは作者のさすがの巧みさだと思います。
「白雨」や表題作は特にくるりと翻る情景の鮮やかさがとても素敵だと感じました。「無人駅」は全体にただよう色っぽさというか、情感の含ませかたが素敵。こういう露骨ではなく漂わせる官能的な文章はとても貴重だった、と今こそ、思います。
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短編集。どれも凝った造りだったけど、(やはり表題作は白眉!)よく言えば上品、悪く言えば地味。ま、でも、これが「新本格」前、幻影城の作風だよね。
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短編集。
地味ではあるが面白かった。心理的トリックというか行間を読むミステリで主人公の語りのため、つい感情移入してしまいオチに驚くパターンだった。
表題作が印象深く、なるほどと納得のオチ。
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小粒ながらも味わいのあるミステリー短編集。しかし表題作の「小さな異邦人」はイイ話風にまとめてあるが、これはそんなにイイ話じゃないだろう。作者も確信犯なんだろうなとは思うが、そう思えばどれも後味は苦め。
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初連城三紀彦作品なんだけど、上手い作家だなというのが第一印象。
長年修行を積んできた熟練の職人の手による
懐石料理のような無駄なく端正に仕上げられた作品群。
美味しいんだけど、少量かつ薄味で物足りなさを感じつつ
ふんわりとした後味を残しつつ、次々と運ばれる料理で、
面白さというよりも、上手さが際立つ職人技を堪能するような短編集だった。
ささやかな心理描写の描き方がさすがに上手い。
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「何となく街角にたたずんでいた。」
連城ブームがきている。面白い。
短編だが、気に入ったのは「白雨」と表題作。語り手すら、信用できる証人なのかわからず、どんでん返しがまっている。人間のヒヤリとする部分も、よく描けている。
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ミステリー短編集。少し読みにくい文があるが、話の真相やどんでん返しに驚いた。おもしろかったが、なぜだかモヤっと感が残る。
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このミス4位ということで読んでみました。
ミステリの短編集です。多くに中年の恋愛などが絡まっています。妄想癖がある主人公が多いです。僕にはややこしい内容が多いですが、ミステリー好きにはフィットするのでしょうか?本のタイトルになっている小さな異邦人以外ははまりませんでした。小さな異邦人は、子供が頭良すぎるでしょ!ということ以外は、しっくりきて、また、そうか~って感じでした。
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うーむ。とうなる。やられたっ的うなり。
指、駅、雨、が好き。
表題作は、ちょっとなぁ。なるほどそうきたかっ感は強いけど一代ちゃんの年がねぇ。
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どれも珠玉の短編集です。
特に最後の表題作は、逸品です。
こんな誘拐があったのかと、驚きました。
まだまだ奥深い、ミステリの可能性を広げてくれる作品です。
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わかりにくいなあ・・・私も年とともに深読みする力が衰えたのかも。ただ人生の微妙な色合いを描いていて、そこに今の私は興味ないということか。昔はよく読んでたなあ。
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切り口の違う8つの短編集
心理描写が丁寧で、ラストのどんでん返しが面白いミステリーです
ちょっと分かりにくくて、読み返すところが何ヵ所かありました
中年の恋愛が多かったかなぁ…
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連城三紀彦さんの本を読んだことがなく、たまたま目に留まった本。
いずれの短編も面白い。
いずれ他の作品も読んでみたい、そう思わせてくれた。
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別れた妻の影を追いかける主人公を部下の女性が、その未練を断ち切ってくれる・・「指飾り」。逃亡犯をかばう女と追う元刑事の結末は・・「無人駅」。夫の交換殺人を同級生から持ちかけられた女は・・「蘭かがれるまで」。不倫相手の男性に会いに行った女は夢か現実化わからない世界に入り込む「冬薔薇」。上司の噂話の出所を探る女。しかし現実は・・「風の誤算」。いじめにあう娘、しかしそれは自分の父母の死の秘密を封印している自らに原因が・・「白雨」。同僚の女と不倫旅行を続けるJR職員の主人公に、その不倫関係を臭わし、ただで切符を発行させる見知らぬ女の正体と、不倫関係の結末は・・「さい涯てまで」。8人の子供と母親の大家族に、子供を預かったとの脅迫電話。誰も誘拐されていないのになぜ・・・「小さな異邦人」。どれもがちょっと悲しい恋愛+ミステリの短編集。最後の「小さな異邦人」だけはちょっと毛色が違い、読者を何とかだましてやろうとする作者のイタズラ。
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ひとつひとつが予想外の地点へ着地する、その繋がりが面白い短編集でした。ひやりやどきりとするものあり、微笑ましかったりするのもあり、どれも美味しくいただきました。
…著者様亡くなられていたとは、残念。