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闇色のソプラノ みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー22件

みんなの評価3.6

評価内訳

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紙の本

ミステリは複雑に見えたものが、最後でスッキリするのがいいわけで、複雑なものがそのまま解決っていうのはちょっとね。でも、妙に気取った英語をぽつぽつ使われるよりはいいかな・・・

2011/11/16 20:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、読み残しにチャレンジ中の北森鴻作品ですが、今回は『闇色のソプラノ』です。まず全体の色合いが紫というのが希少です。で、相変わらず装画の藤田新策の仕事がいいです。藤田の絵は文庫よりは単行本、大きなもののほうがしっくりすることが多いのですが、今回は対象物のせいもあるのか、実にすっきりしています。デザインの石川絢士との組み合わせがよかったのかも。

で、内容です。帯の言葉は
        *
その詩に魅せられた
者は不幸になる――

神無き地・遠誉野で戦慄の殺人事件が幕を開ける
  驚愕の結末をあなたは見破れるか?
        *
カバー後の内容案内は
        *
夭折した童話詩人・樹来たか子の
「秋ノ聲」に書かれた〈しゃぼろん、
しゃぼろん〉という不思議な擬音
の正体は? たか子の詩に魅せら
れた女子大生、郷土史家、刑事、
末期癌に冒された男、医師、そし
てたか子の遺児・静弥が神無き地・
遠誉野に集まり、戦慄の事件が幕
を開ける。驚愕の長篇本格ミステ
リー。     解説・西上心太
        *
となっています。解説で西上が書いているように、複雑な話で、それを文学的ととるか、不器用ととるかは見解が分かれるところでしょう。ただし、他の作品でも文章はいいのに、分かりにくいものもあるので、北森の場合、短編は概して鮮やかな切れ口をみせ、長編は凝らした技巧が理解の足を引っ張る、といっていいでしょう。多分、ご当人はこんなにスッキリさせているのに、と思っているのではないか、そんな気がします。

でも、この作品では明らかに複雑さが、興を殺いでいる感が否めません。構造の複雑さもありますが、登場人物の魅力になさというのもマイナス要素です。真夜子、殿村、弓沢、洲内といった好奇心が強くて詮索好き、しかも他人のプライバシーを侵害することになんの後ろめたさも覚えない連中ばかり登場すると、私などは閉口してしまいます。

おまけに、西上心太の解説にも引っかかってしまうのです。私は西上を全く知らず、鮎川哲也賞の予選委員を務めていた、と解説の中で書いていたり、文末にミステリ評論家とあったりするので、それなりの方なのでしょう。へえ、で、どんな著作があるんだろうとは思ったものの、それ以上は調べることもなく解説を読み終えたのですが、442頁から3頁冒頭にかけての文章の中に

・この作品のモデルとなった詩人にもリスペクトが払われている何よりの証拠であると思う。

・お得意の民俗学的なガジェットを以って作り上げ、登場人物たちの〈因果律〉に支配される背景を補強しようと試みている。

・先に挙げた『凶笑面』で全面的にフィーチャーされるので、こちらの作品も一読をお薦めする。

と、全体で9頁の解説文の一頁に、リスペクト、ガジェット、フィーチャー、という最近洋楽のタレントが尊敬するアーティストについて語るときや、外国かぶれした人が偶に使う、聞いているほうが恥ずかしくなるような英語が出てくるわけですが、これがむかつく。何で〈敬意を払う〉〈小物〉〈取りあげられる〉でダメなんでしょう。文庫が出たのが2002年ですから、その頃は流行っていたのかもしれませんが、それから10年経った今でも聞いていて歯が浮くような言葉の域を出ていません。文章を書く人のスタイルというのは確かにありますが、英語は違和感を抱かれないような使い方をしてほしいところ。

ちなみに、北森鴻の文章には、こういう英語は登場しません。ただ、お話の筋が複雑なだけです。安心してお読みください・・・。最後は目次のコピー

『私見 遠誉野市沿革』より
プロローグ
第一章 生キモノノ謡
風景 1
第二章 無関係な死
風景 2
第三章 伝説の交差点
風景 3
第四章 広がる輪と狭まる輪
風景 4
第五章 崩壊
エピローグ

 解説 西上心太

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紙の本

民俗学が紡ぐ偶然の必然性。

2010/10/17 02:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

北森さんは好きだけれど、トリッキーな北森作品は好きではない。『メビウス・レター』なんてどんでん返しの詰め込みすぎで嫌気がさしたくらいだ。

本書は、北森作品の中でもトリッキーな部類に入るだろう。そしてその「トリッキー」を可能とすべく色々な「偶然」が重なる。偶然に偶然が重なれば必然?!なんて…現実世界ではできるかもしれないけれど、そもそもが紙の上での空想世界。あまりに多用される偶然は、「ご都合主義」と揶揄される。

先にも書いたように本書には様々な偶然が登場する。しかし…不思議なことにその偶然の連続に違和感を覚えない。これぞ北森マジックっ!!!と言いたいところだけれど、その種はとってもシンプル。本書に登場する重要なあるエッセンスが、偶然の不自然性を中和してくれているのだ。

そのエッセンスとは、民俗学である。民俗学といえば、北森作品の代表的シリーズである連丈シリーズが挙げられるが、ノンシリーズでも民俗学的考察を用いたストーリーを度々見かける。もともと、歴史や民俗学といった方面に興味があられたのだろう。

東京都遠誉野市。変遷に関する公的資料が残らないこの市で、何の接点もなさそうな女子大生や刑事、医師、郷土史家らを繋ぐ夭逝した童謡詩人・樹来たか子の魅力。たか子の生前の姿を求める彼らの前に現れたのは、たか子の死に隠された秘密だった…。

著者が作った架空の街・遠誉野。この街の言われが謎に満ちている。そしてその「謎」がまた作品に、不思議な雰囲気をもたらす。こういうぼんやりした「謎」の使い方がとても巧い、と思う。冬狐堂シリーズの骨董品の価値にしても、連丈那智シリーズの民俗学にしても、そこに明確な答えはない。もっとも無理や矛盾のない仮説が「ニアリーイコール」真実、あるいは真価であると判断される。そういう答えがあるようでない、ないようである、非常に不安定な題材やテーマが十二分に生かされている。

入り組んだプロットも詰め込まれた知識も偶然の必然性も哀しい結末も、すごく好き。だから、やっぱりちょっと悲しくって淋しくなった。


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2007/06/29 16:42

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