紙の本
想像ラジオ
2015/08/25 10:43
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投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災をモチーフにした小説。大地震発生後の大津波に攫われ、命を落とした男性。彼は死者と生存者を繋ぐため、あの世で「想像ラジオ」のDJをはじめる。独特の軽妙なトークは、まるで本物のラジオのようである。家族は生きてるか?友だちや知り合いの消息は?部下はどこに消えた?彼らの行方を追い求める人たちは、情報を求めて彼にメールを送る。それに丁寧に対応する彼の様子が何とも切ない。刊行と同時に話題になり、昨年(2014年)の芥川賞候補作にもなった作品だが、読んでいてちっとも心の中に響かなかないのが不思議だ。テーマは時宜を得ており、アイディアも秀逸だとは思うのだが…。このモヤモヤした違和感はどこから来るのだろう?書評サイトの評価も、真っ二つに分かれる。これは人を選ぶ作品である。
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地震の話
2022/08/18 10:36
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投稿者:rukutoma - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災のときの様子や心情を、「想像ラジオ」として物語を作った話。大切な人が目の前で消える、助けられなかったというのはどれほど無念で苦しいだろう
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生者として生きること
2020/06/09 17:31
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投稿者:まさがき - この投稿者のレビュー一覧を見る
震災を中心に置いた作品ですが、人間の「生と死」を描いているという点で非常に普遍的な作品だと思います。わたしたちは「生者」として、亡くなった方々に如何に寄り添うことができるのか、改めて考えさせられる一冊です。
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東日本大震災をモチーフとした、DJ形式で死者と向き合わせてくれる画期的な傑作です!
2020/05/21 09:51
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、音楽や舞台などで活躍されている、いとうせいこう氏の作品で、2013年には野間文芸新人賞を獲得された秀作でもあります。同書は、東日本大震災をモチーフにした小説で、想像上のラジオ番組の、これまた想像上のディスクジョッキーであるアーク氏が夜中の2時46分から語りかけます。DJであるアーク氏は、震災で亡くなったようで、それゆえに死者と同じ世界にいる者として、多くの死者の方たちと話ができるのです。ラジオには多くの死者の方々が話り手として登場します。DJ形式で死者と向き合わせてくれる、画期的な傑作です!
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私は好きです。
2015/08/30 15:04
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投稿者:ひらぴょん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大震災を、あの辛い状況を、こんな風に文章にできるなんて、いとうせいこうさんはタダモノではありません。最初から涙が止まりませんでした。私はとても好きです。
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独創的である.伝えたいことも届くが,なぜか響かない.私が薄情な人間だからかな.
以下あらすじ(巻末より)
深夜二時四十六分。海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聴こえるという、ラジオ番組のオンエアを始めたDJアーク。その理由は―東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出しベストセラーとなった著者代表作。
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深夜2時46分、「想像」という電波を使ってラジオのOAを始めたDJアーク。その理由は…。東日本大震災を背景に生者と死者の新たな関係を描きベストセラーとなった著者代表作。野間文芸新人賞受賞。
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想像で伝えるラジオ、あるいはこの小説そのもの。喪失を満たすのだ。想像してください。
「きれいごと」感は否めないけど、それでも理想を抱かなきゃ人は生きていけないし、これでいい気もする。良かったです。
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思い。
想い。
つながっていく、どこまでも。
目の前からあなたがいなくなっても。
いつまでも、ずっとどこかで、誰かが。
自分もそうでありたい。
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亡くなった人のことを思って悲しみ続けることは決して悪いことではない。悼み続けることを肯定してくれる感じ、涙が止まらん。
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ずっと読みたかった作品。賛否両論いろんな意見あるでしょうが…とにかく、作者は書きたかったんだよ。あの3.11以降、書かずにはいられなかったんだ。その想いは受け止めたい。
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もう一度読み直してから、再度感想をいいたいのだけど、いま思ったこと。
とても涙もろい私が泣くことがなかったのは、
淡々とした物語の流れだったからかもしれないし、
あの日のことをTVでしかみていなかったからもしれない。
時間は流れて、いつのまにか、あの日おこったこと、
夜も眠れなかった事、不安で不安でしかなかったこと、
ぜんぶがとおくなっていくのがとても怖くなった。
それと同時に時間が流れている事にとても安心した。
あの日いのちがきえてしまった人々のさいごに
ほんのすこしでもあたたかな一瞬が訪れてくれていたらいい
そんなことも生きている私には思う資格なんてないけれど
救うのも、救われるのも、すべては想像なんだなって
すとんと身体の奥におちていったお話でした。
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不思議な本だった。最初から意味がよくわらず追々明らかになっていく『想像ラジオ』。あの日の映像が浮かび上がり、杉の木上にさかさまに引かかっているDJアークが頭の中で真っ暗な闇の中で浮かび上がる。 ポロポロと読みながら涙ができるわけではなかった。だけどじんわりと心に沁みこむ不思議な感覚。読みながら自分がどう感じて良いのかが掴めず、ただただフワフワと読んでいた。
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2014年本屋大賞8位
東日本大震災で亡くなった一人の男が、想像の中だけで聞こえるラジオのパーソナリティとして、死者と生者に向けて自分史をオンエアする話。
第1章~3章まではどのように読んでよいものかわからなかった。被災地の人間でない自分が読んでもわからないのだろうか?と。
第4章になって、非被災地に居ながら震災の生々しい映像を見てPTSDとは言わないまでも少なからずショックを受けた三者三様の戸惑いに対する人それぞれの受け止め方について「想像してごらんなさい」という意味と「想像しかできないんだよ」という2つの意味が掛け合わさっているんじゃないかなぁ、と感じた。
暫くしてから再読してみようと思う。
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東日本大震災で失われた命たちが発する悲しみや想いを電波にした想像ラジオ。
死者たちが声を発していることになるんだけど、震災で亡くなった人たちの魂ってこんなにも穏やかなものなのかな?
どんな状況で亡くなろうと、死ねば諦めがつく?
私はもっと苦しい声がたくさん聞こえてきそうな気がした。
本の中にも書いてあったけど、実際に死者の声を聞くことは出来ないけど、聞こうとして耳を傾ける時間は必要だと思う。
たとえそれが自己満足だとしても。