紙の本
手遅れ過ぎる真実
2015/09/17 11:08
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
瑩国王位を簒奪することで自身の由来に対する復讐を果たそうとするユヴィオール・カタシェレティスは、煉術師レイド・オータムと共に、王宮へと攻め込もうとしていた。
そして匍都にはトリエラ・メーヴの生み出した幻獣たちが徘徊し、それらが街を破壊する。だが阻止すべきアルテミシア・パロ・ラエと「ローレンの雛」フォグは龍と、総合商社「レキュリィの宴」レキュリィと王弟リチャード・ミル・ラエはイーサ・ピル・ドレインが生んだ蛇鶏と、キリエは丁国法王庁奇跡認定局のグイード・レレイスと対峙していたのだ。
各所で戦いが進みつつも、それは最終目的地である玉座へと収束していく。そこでユヴィオールが語るのは、ローレンの雛の最後の一人と、ローレン・エヌ・コーンフィールドの目的についてだった。
全てはもはや手遅れで、フォグやアルトにもはや打つ手はない。全てはユヴィオールの計画通りに進行し、そのまま終わりを告げてしまうのか。あるいは絶望の淵から再び光を取り戻すことが出来るのか。結末は次巻に持ち越される。
終わりも近いということで、チェスのエンドゲーム並みにバンバンと駒が消えていく感じ。この辺は相変わらずですな。
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うんレジンキャストミルクの作者を甘く見てた。
どうも、輪環の魔導師の彼とごちゃにしてるくさい。
おなじような正統派ファンタジーとはいえ、なかなか厳しい展開で。
これからどう巻き返すのか。
レジンの時は巻き返し方向がわりと自分的に絶望系だったので
どうかな。
人生、平凡が一番だよ、きっと。
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藤原祐っぽくなってきた巻でした。
キリエの戦闘シーンが圧巻。
理不尽だとか、残虐だとか、そんなのはどうでもいいんですよ。
命を軽んじること、命を弄ぶこととはこういうことだ。
というのが良く描かれていたと思います。
あと藤原作品では毎回最後にある、重要キャラの自害シーン。
今回は最終巻を前にして持ってきましたね。ラストでもあるかも知れないけど。
この部分はちょっと微妙だったかな……。前作『アカイロ/ロマンス』の棺奈の死に比べると、喪失感が足りない。多分、この人を味方として描いた1巻2巻で出番が少なかったのがいけないんでしょう。
とにかく最後は舞台を壊すのが藤原作品。
そのどこに希望を描くのか、期待。
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昨今、これほどまでにまとまったファンタジーはきわめて珍しい。
収拾がつかないほど話を広げたり、シリーズ続行のため、お金のため、はたまた出版社都合ひきのばたりしている作品のなんと多いことか。
そんなお話の多くが発行部数を伸ばし、評価されている現代の世の中においてこれほどまでに散りばめたかけらをひとつ残らず生かしている構成力と緻密な伏線の張り方は実にお見事。
世界観、表現力ともに理にかなった素晴らしいストーリー展開に最後まで目が離せない。
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藤原さんだからこういう展開になるとはわかりきっていたはずなのに。
読むタイミングを間違えた。。。
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第5巻を読破。
前回の感想で「ユヴィオールってもしかしてアレなんだろうか」とか言っていましたが、冒頭で「やっぱりかー!」と叫びました。
やっぱり彼はアレだったんですね、と。
思っていたのに!!
まさかのどんでん返しにびっくりしました。
やられた……作者さんにやられました……。
こういう仕掛けとかすっごい好きです。
けれど、あの人があれだけで退場というのもなあ。
いいとこ取りって感じで決着がついてしまっているが、いいのか、それで?
と、すでにいない人に向かって問いかけてみる。
笑
それにしても――
救いはないんですかー!? と言いたくなる、そんな怒涛の展開でした。
トリエラさんが造り出した幻獣(ドラゴン、バジリスク、ケルベロス)を無事撃破した主人公たち。
けれど、ユヴィオールの魔の手は着々と王宮へと伸びていて。
世が世ならユヴィオールは作家になれそうです。
シナリオ書いて、修正して、きれいに伏線すら回収して。
あ、でも空想世界だけじゃ物足りなくて現実世界でもなにか起こしてそうだな、と思ったり。
なにもかもを奪われてしまったフォグたち。
彼らはユヴィオールからなにもかもを奪い返すことができるのか?
そしてアイリスさんがイオさんに渡した首飾りはいったいどんな恐ろしい〈剣〉なのか。
次も楽しみです!
それにしても――
表紙の喪服のお嬢さんとトリエラさん。
帯を外して全体を見ると、なにかの骨がムカデに見えて悲鳴をあげそうになりましたw
本当にびっくりした。
あとがきでモンハンのことに触れてまして。
ドラゴンとの戦闘シーンがモンハンだった私は思わず噴いてしまいました。
笑
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ライトノベルは3巻までの売り上げでその後が決定する…
みたいなお話をきいた事があるのですが、
今回も一寸打ち切りっぽい感じがして残念でなりません。
あんなにひっぱて、楽しみにしていたイーサがあっさり命を散らしてしまいましたし…!
トリエラももう一寸粘って欲しかったですが、あの散り様は私は嫌いじゃないです。
あと2冊多く出せたら、凄く良かったんじゃないかと私は思うのですが…。
期待のニーナ嬢もティ・キによって絶望に打ちひしがれ。
あの時のティ・キのセリフはとても印象的でした。
正しくない物を正しいと盲信し、偽物の正義を強要する…
形は違えど色んな本でそんな人を見かけますが、
そういう人やその周りの人って大抵不幸になってしまうのですよね。
まさかローレンの雛の最後の1人がキアスとは思いませんでしたし、
しかも特殊能力も使わないまま殺されてしまい一寸残念。
次が最終巻だったので、凄く楽しみにしながら待っていました。
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トリエラさんの最後がせつなかったです。
アルトの成長や頑張りがたくさんあって、すごくかわいくてよかったです。なぜカルブルックは『ローレンの雛』たちを助けたのか、これからアルトはどうなってしまうのか、早く続きが読みたいです。