紙の本
科学における人間と実体をもったものとしての繋がりを科学史をひも解きながら解説していきます!
2020/02/14 11:29
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、科学における人間と機械の繋がり、実体について、その科学史をひも解きながら、分かり易く解説した興味深い一冊です。実は、20世紀には科学は大進歩を遂げたのですが、それは電気、電波、エレクトロニクスといった目には見えない、実体のないものへと進み、私たちには分かりづらいものとなっていました。しかし、21世紀になって、こうした成果が家電製品などにどんどんと応用されるようになり、再び科学が実体のあるものとして再生してきたのです。同書では、そうした人間と機械の繋がり、実体をもったものとしての科学を、「第一部 ドイツ科学の光芒」と「第二部 アメリカ科学の愉快」という構成で、解説していきます。とっても愉快で、興味深い読み物となっています。
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面白いぞ
2015/08/22 23:50
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投稿者:ハッピーミツル - この投稿者のレビュー一覧を見る
荒俣氏のイメージはテレビタレントだった。本書きだったことをこの本で知った。ドイツ・ミュンヘンのドイツ博物館には行ったことがあったのでこの本ンお内容とイメージが一致してすごく面白かった。単なる博物館ンお紀行文でないところが良い。そこから派生した話がぞろぞろ出てくる。久しぶりに面白い本に出会ったと思った。アメリカのスミソニアンにも行ってみたいと思った。当分は荒俣氏の本を読んでみる。きっと意外な展開を知らされることを期待している。
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発明家の伝記オムニバス
2016/09/28 19:16
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
小さいころ、エジソンの伝記に夢中になった経験のある人は多いのではないでしょうか。これは、まさに大人向けの発明家の伝記オムニバスといった感の本です。各章20ページ前後のボリュームで、様々な科学技術の発明にまつわるエピソードを紹介しています。科学技術の発展において,20世紀前半を主導したドイツと、20世紀後半を主導したアメリカを対比します。人によって琴線に触れる箇所は様々かと思いますが、私の印象に残った箇所は、「ドイツをはじめヨーロッパでは新技術の発明はギルドに代表される熟練者、伝統産業の既得権益を害する存在として支持を得られないケースが多かったのに対し、アメリカではそのような既得権益者が存在しなかったために発明家という職業が成立した」、日本独自の科学技術に触れている和時計のくだりで「西洋では機械制御に落とし込みやすいという観点から定時法(季節に関係なく同じ長さの時間の単位を用いる)を進めたが、日本では不定時法(日の出と日没の時刻を等分し、季節によって時間の単位が変化する)をそのままからくり時計として採用した。西洋とは全く独立した技術体系が成立していた」という2点です。書名が「偉人伝」ではなく、「異人伝」となっているのは、発明家という人種が、生きている時には概して変人扱いされたケースが多かったからかも知れませんね。
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多くの史実の中で、ひとつだけ民俗学的考察に触れた章があり、非常に考えさせられた。和時計に対するクダリである。日本人は人間の好みを機械に押し付けるが、外国では機械のやり方に人間が合わせる。その背景には、日本人はモノに対する認識として「自然感覚」を持っているのに対し、西洋人はモノに神を宿らせて尊重する、という決定的な違いがある。確かに日本ではハイテク製品を秋葉の露店で売っていたり、高級デザートをコンビニで売っていたり、西洋人からしたら異常な光景に見えるだろう。某TV番組で、外国人が「日本のパンはパンではない」と指摘するコーナーがあった。西洋にとってパンはキリスト(神)から与えられた食事。したがって彼らにしてみれば、日本のパンはどちらかというとデザート。つまり根底にあるものが異なるから価値観も変わる。おそらくこれからもそうであろう。今後の文化、文明の展開を対比考察していくうえでも、なかなか面白い視点であると感じた。
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20年も前に書かれた本がブルーバックスで新しく出た。スルーしてもよかったのだけれど、ミュンヘンのドイツミュージアムが最初に登場するので思わず買ってしまった。結婚して2年目の夏休み、我々はミュンヘン、ウィーン、ライプチッヒと旅をした。音楽の旅を始める前に、1日だけ科学の日を組み込んでそこを訪ねた。こわれかけの実験器具が無造作に置かれているのもおもしろかったが、とにかくその巨大さに驚いた。ハイゼンベルグにあこがれて物理をかじった私は、わずかだけれどもそこにつながるものを感じて心を動かされた。本書にはたくさんの科学者・技術者が登場するが、やはり終盤で登場するプリンストン高等研究所が興味深い。アインシュタインがいた部屋を、普通に現在も数学者が研究に使っているという件がよかった。記念に、当時のまま残して、一般に公開するなんていうこともできるだろうが、そんな下世話な世界とは隔絶した高等な世界がそこにはあるのだろう。
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ドイツ博物館とアメリカのスミソニアン協会の属する博物館等に収められた数々の成果を、その発明者と関連する人々の話をまとめたものだが、面白い話しが満載だ.話の進め方が良い.例えば、有名なライト兄弟と熱気球を発明したモンゴルフィエ兄弟を対比して、かれらが持っていた基礎技術とそれに加えてアマチュアリズムを取り入れたところに成功の秘訣がある由.最後に出てくるプリンストン高等研究所とMITの比較も面白い.
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科学史にある失敗に焦点をあてた、ということで読んでみた。それほど失敗だけ並ぶだけでなく、サブタイトルにある「夢の痕跡」というほどロマンが感じれなかった。
もっと一人ひとりにスポットを当てるとロマンを感じれたと思うが、資料が乏しいだろうから仕方ないだろう。そうでなければフィクション化するしかないだろう。
ロマンが感じれなかったので途中でとばした。
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小さいころ、エジソンの伝記に夢中になった経験のある人は多いのではないでしょうか。これは、まさに大人向けの発明家の伝記オムニバスといった感の本です。各章20ページ前後のボリュームで、様々な科学技術の発明にまつわるエピソードを紹介しています。科学技術の発展において,20世紀前半を主導したドイツと、20世紀後半を主導したアメリカを対比します。人によって琴線に触れる箇所は様々かと思いますが、私の印象に残った箇所は、「ドイツをはじめヨーロッパでは新技術の発明はギルドに代表される熟練者、伝統産業の既得権益を害する存在として支持を得られないケースが多かったのに対し、アメリカではそのような既得権益者が存在しなかったために発明家という職業が成立した」、日本独自の科学技術に触れている和時計のくだりで「西洋では機械制御に落とし込みやすいという観点から定時法(季節に関係なく同じ長さの時間の単位を用いる)を進めたが、日本では不定時法(日の出と日没の時刻を等分し、季節によって時間の単位が変化する)をそのままからくり時計として採用した。西洋とは全く独立した技術体系が成立していた」という2点です。書名が「偉人伝」ではなく、「異人伝」となっているのは、発明家という人種が、生きている時には概して変人扱いされたケースが多かったからかも知れませんね。
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過剰な刺激を欲し続ける現代人にとって20世紀科学の発明・発見の舞台裏こそリアリティを体験できる大人の遊園地。20世紀科学の祭典にようこそ!
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ドイツ博物館をめぐりながら、目やカメラ・ジオラマ、版画や薬、機械の馬から飛行機、潜水艦や通信革命を語る。アメリカのスミソニアン博物館、伝統がないゆえの新技術、発明家と製品の企業化、そしてロケット、コンピュータへ。
科学界だけでなく、産業界、世の人々にどう受け止められ迎えられたかも描かれているのがすごい。日本の科学館についても書いてほしいです。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです
☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18260614
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イントロダクション
第1部 ドイツ科学の光芒
第1章 スペクトルとスペクタクル
第2章 科学を見せる劇場のこと―ジオラマの歴史
第3章 彫らない版画の誕生
第4章 薬種店と一角獣
第5章 機械がつくった「角」
第6章 リリエンタールの幻の翼
第7章 ロコモーションの啓示
第8章 ベンツの祖先は自転車だった
第9章 Uボートは人食いザメ
第10章 ジーメンスの通信革命
第11章 バベジの原コンピュータ
第12章 ロボットとからくり人形のはざま
第2部
第13章 電話の発明とヘレン・ケラー
第14章 メンロバーグの魔術師
第15章 万博のタイムカプセル
第16章 自然史博物館とスミソンの功績
第17章 空飛ぶ自転車の怪
第18章 女の脚を変えた発明
第19章 ロケット発明家ゴダート悲劇
第20章 ドイツから来た天才ロケット学者
第21章 ターボジェットを発送した男
第22章 革命児ノイマン、ここにあり
第23章 プリンストン高等研究所にて
エピローグ
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057371
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ぶっ厚い新書。主に「発明」についてたくさんの事例が書かれている本。夢と現実のジレンマが大きなテーマになっている中で、表紙にもあるリリエンタールの話が特に面白かった。飛行機を、乗り物ではなく人工の翼と捉えて、鳥になる夢を追求する人。印象深かった。