「新版・実践経営問答」という副題の通り、まさしく実践的な経営問題に対する処方箋です。
2011/04/24 22:55
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「新版・実践経営問答」という副題の通り、まさしく実践的な経営問題に対する処方箋です。
著書の「実学」で、稲盛氏は会計と経営の本質を解説しています。しかし、最近は経営哲学など、どちらかというと思想的な部分、特に仏教などの思想を前面に出している印象があります。
本書は、具体的な経営の諸問題に対して、著者の経験などを踏まえ、回答しているものです。経験をベースにして、実務問題を回答するなかで、思想を読み取ることになります。
「実は、人間が一番強くなるのは、執着から解脱したときなのです。」
この言葉だけを聞いても、なかなかピンとくる人は少ないはずですが、「商売で多くの人に喜んでもらうことを目標にすると、我欲が引っ込む」というと、明確に理解し納得ができます。
「会社を支えている人は、結局、精神構造の善い人・・・」
これもよく理解できるでしょう。どんなにかしこい人でも、組織を動かすのは人間である以上、最後は人間力が決め手となるということです。
あと、コンパの大切さを謳った部分は、興味深いです。人物を判断したり、トップの考え方を組織に伝えるための「場」としてコンパの重要性を説いているのです。
最近はどこの会社でも、なかなかそういう機会が減ってきたのも事実ですが、目的をもってコンパをするのであれば、それは有効な組織マネジメントの一つだということなのです。
他にもなるほどと思える部分がたくさんあります。
思想という部分は大切ですが、経営をおこなう上では、まず実践部分からの解説が必要となると思います。
そいう意味で本書は、稲盛氏の経営哲学を理解する上での導入として読むとよいと思いました。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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目から鱗の実践経営問答。また人としてどう生きるべきかという哲学も学べる人生問答。稲盛さんはもはや、宗教家です!
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京セラ創業者の稲盛 和夫氏が主催する盛和塾における、若手実業家の塾生と稲盛氏の対話形式の本。
塾生が直面している実際の問題を題材に、稲盛氏がどのように対応したらよいか、考えが述べられている。
稲盛氏によると、経営者は人の為(利他的)に行動する、財務に関しての理解を深める、酒の席を通して社員に自分の信念を叩き込むことが大切であるようである。
私が感銘を受けた点として、利益を生まない新規事業は世の中にはないということ。利益がでないのは、始める前の入念なシミュレーションができていないことに尽きる。まずは明確な目標を定めること、そして目標に到達するための具体的な方法論に落とし込むという流れが定石。
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本書は、稲盛和夫先生の経営問答集です。
様々な会社の、様々な経営者が、様々な悩みを持ってきます。
人間、組織、会計、様々な悩みがありますが、体験談などを交えつつ、わかりやすく、どの質問にも答えていきます。
私は経営などしたことがありませんが、おそらく経営者の方にとっては本書は、片時もはなせない一冊となるのでは、と想像します。
勉強になるだけではありません。
稲盛先生の懐の広さというか、包み込むような温かいやさしさを知ることもでき、読んでいて心が温かくなりました。
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盛和塾の講演Q&A集です。回答は稲盛さんがやられていて、稲盛哲学を現場に即して回答しているので具体的でわかりやすいです。ただこの本を読む前に稲盛さんの著書を一冊読んでいた方が理解しやすいでしょう。
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実際の経営者との問であった1問1答をまとめた本。具体的でわかりやすい。著者の一貫した経営哲学も伝わってくる。経営者でなくとも考えさせられるところはある。将来独立することがあれば読み返してみようかと思う。
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その立場になって初めて解る珠玉の言葉の数々。頭で理解できても実践しなければ意味がありません。遅まきながら会計を勉強しないといけません。
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稲盛さんが盛和塾で行っている、経営問答をまとめた本。
企業経営者と言っても、所詮は従業員と同じ人間であり、大なり小なり、種々の悩みを抱えて経営を進めている。
稲盛さんの答え方は非常に穏やかながら、納得できる内容が多かった。
ただ、相手が経営者だけに、難局を乗り越えるために、社員に仁義を切っておきなさい、等と言った、システマチックな回答というよりは、どちらかと言うと人間として乗り越えなさいという部分の回答も目立った。
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稲盛和夫の経営論の話で、作者が運営する盛和塾での稲盛和夫と塾生との質疑応答を紹介している話です。
稲盛和夫の他の著書と同じくブレない信念がさすがで、稲盛流会社経営理論というのをうかがうことができます。
現状、このような考え方で経営する経営者が1人でも増えることが日本の経済力を復活する鍵なようにも思えました。
特に経営12ヶ条に関しては今、希薄になっていると思われる全ての日本の会社の社長に肝に銘じて欲しい考え方だと思います。
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最近、とみに経営者の視点でものを考えるということの重要性を感じるシーンが多く、日経か何かのランキングで目に付いたので読んでみた。
世襲経営者のお悩み相談は、自分が求めていた「経営者視点を学ぶ」とは、一致する点が少なかった。
しかし、経営で直面する問題の解決策など、「ケースバイケース」としか言いようがなさそうなものなのに、それぞれの問題に対して普遍的ともいえるような解答をする稲盛和夫というひとはやっぱりすごい人なんだな。
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稲盛和夫著「こうして会社を強くする」PHPビジネス新書(2011)
*社長というのは最終決定をするため後ろがない。では決断するときに何を持って決めるかというと心の中の座標軸になる。社長業を全うする、つまり企業をおさめるには、判断、決断の基準となる心の座標軸を持っている事が一番大事だと考える。
*実は人間が一番強くなるのは執着から解脱した時である。もうけたい、偉くなりたいこれはみんな欲です。もちろんこの欲望から完全に抜けだすのは無理ですが、人を喜ばすために、と考えればその分我欲が引っ込みます。心が高まって行くのは実はこれからです。
*成功する人は、必ず死線をさまようような大病をするか、大きな挫折をしています。決して幸運に恵まれる事の連続というような人生ではなかったということです。
*自分の仕事に大義名分をたてて、どういう意義があるのかを明文化し、その大義名分に対して皆で燃えて行こうとすべきです。
*事業の多角化で問題なのは、多角化後3年を経て、なお赤字であった場合です。これは早急に見直さなければなりません。赤字事業と次々と創っているような多角化は非常に危険だからです。中業企業の場合には新規事業は3年がめどで、うまく行かないものは見切りをつけて行けるくらいの決断が必要です。
*新しい場所に進出するために大切なことは3つあります。(1)低価格化に対応する仕入れをかんがえること。仕入れ、どの仕事にも共通するのですが「利は仕入れに有り」なのです。利益を得ようと思えばポイントは仕入れにある。だから大阪の船場では仕入れは旦那がするものでした。(2)店舗ごとに独立採算のシステムを構築すること。損益計算できるシステム、独立採算ができるシステムをつくることは重要です。(3)人材育成と人材管理をすること。人材を育成し任せられる人を養成する必要があります。
*闘魂とは、もともと格闘家のように勝ち気な個性を持っている人は確かにいますが、そういう粗野な闘魂ではなくて、母親がもつ闘魂が大事。これが責任感を社会的意義を持てる闘魂。子供が教われようとした時、母親は怯まず外敵に挑んで行く事でしょう。これが本当の闘魂です。母親はどんな父親にも持たないような凄まじい勇気と闘魂をもって自分の子供を助けるのです。
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今生きる経営の神様という話にうさんくささを感じたのですが読んでみると圧巻。謙虚な人柄と塾生の提出する事業計画に経営の神様は向かい合い、収支や貸借も読み込む。経営の神様にはおよびもないが、その謙虚な姿勢は非常に学びたい。
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歴史に残る経営者の一人なのだろう。
話が異常に面白い。
必ず相手を認めて、そのうえで意見を言ったり人格的に素晴らしいのだろう。
と、思わせるのが凄い。
生きてるうちに起業して話を聞いてみたいものだ。
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10月の読書会の課題本です
何回か前の読書会でも稲盛さんの本が課題となりましたが
ちょっと稲盛さんは苦手だなぁぁってのが正直な感想(笑)
なんかストイックというか、厳しいというか・・・
まぁ経営者としては当たり前だろうけどね
この本を読んでの私の感想は
「経営者って孤独なんだなぁ・・・」
もちろん、いろんな人脈もありお友達も多いだろうけど、経営って面では
ここぞという時の決断は経営者の方が下されるんだろうから
そういった面では孤独だよね?
仲良しこよしで従業員も一緒になって決断するってところは少ない気がする
稲盛さんは少し苦手だけど、この本に書かれてあることには納得できることは多い
多いが・・・・・・
少しだけ、今の時代に合っているかと問われると微妙な気がする
こういう気持ちを持った従業員の比率が低くなっている気がする
新しい感性、考え方を持った社員が増えてきている
新しい彼らの常識が増えている
それが良いとか悪いとかは分からない・・・
ただ、私たちの常識が彼らには通じにくいのは事実
まぁ今までもそうやって世代交代してきたんだろうけど、ここ数年の新人を見てると
それだけじゃ片づけられない問題も発生してるしね・・・難しい・・・
課題本にならないと読まないだろう本は、違う角度からの発見があってなかなか面白いなぁって思う
推薦者のKさん、ありがとうございました!
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なにげなーく手に取った稲盛さんの本。
これが初めてで、もっと他に代表作はあるみたいだけど、面白かった。
この盛和塾の塾長稲盛さんと塾生との問答が、吉田松陰とかと塾生とのやり取りってこんな感じだったのかしら?と思うくらい、いつの時代やねんと突っ込まずにいられませんでした。
がしかし、内容は何人もの塾生(中小企業の経営者。2代目、3代目といった後継者が多い)の真剣な経営上の悩みに、稲盛さんが答えていくもので、稲盛さんの実体験に基づいた問いへの答えなんか、経営を支援していくような監査を志す僕にも、たいへん有益でした。
アメーバ経営、もう少し研究したいですね。インターネットカンパニー版アメーバ経営、管理会計の要諦なんか意識しながら。
印象に残ったことば
「核心をついた悩みは成長の始まり」
「目標が違うのに、そのプロセスを比べても意味がない」
特に後者は、稲盛さんのような生き方、哲学を会社に導入しようとしても、勘弁してくれ、そんな生き方したくないと反対にあう塾生への回答として、非常に示唆に富むものでした。
言われてみれば、そうなんだけど、結局、稲盛さんの目標を達成するうえでは、こうした厳しい生き方が必要だった。その目標を定めるのが経営者で、その目標達成に必要な生き方がどんなものかを考え抜かないといけないですよと。
さて、僕はそういう意味だとまだまだ中途半端だなあ。