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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔読んで正直トリックがあまり理解できず。ならば新訳でと思い、再読。こんなストーリーだった?と思うことばかりで、もうホントに昔読んだ記憶は忘却の彼方。新作を読んだ気分でした。記憶力が悪いのもいいものです^_^。カーの作品の中でも、この作品の評価は不朽の名作とのこと。有名な密室講義では、いろんな作家の密室ものを自分なりの考えで解説していますし、トリックも素晴らしいとは思いますが、怪奇的な要素はなく、ある意味オーソドックス過ぎて、個人的には、この作品の評価はあまり高くはありません。でもさすがの新訳と感じました。
密室物の巨匠カーの代表作
2019/12/02 18:47
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投稿者:KTYM - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョン・ディクスン・カー、1935年の作品。フェル博士による有名な「密室講義」が入ってます。
雪の降りしきるロンドンで時をおかずして発生した2件の殺人事件。衆人環視のもと、雪上に足跡も残さずに犯人は忽然と姿を消した。トランシルヴァニアの血塗られた墓場から蘇った奇術師なのか。
さすがにトリックは良く練られてて、本書終盤で繰り広げられる「密室講義」で紹介されるトリックのバリエーションというか集大成とも言うべき出来で、脱帽です。真相解明パートがやや混み入っていて(何しろいろんな仕掛けがあるので)、やや分かり易さに欠けるのが玉に瑕か。
フェル博士は、カーター・ディクスン名義での探偵役H・M(ヘンリ・メリヴェール)卿の悪ノリぶりに比べると至って真面目な常識人という印象。「密室講義」での滔々たる語りぶりはご愛嬌。
密室物の巨匠カーの代表作と呼ぶに相応しい傑作です。
フィル博士の「密室談義」でも有名
2017/09/02 16:58
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投稿者:かんけつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
講義形式の話の冒頭、小説の登場人物だと言うメタフィクショナルにも取り得る遊びも盛り込まれている。目撃者の1人による奇術談義も面白い。しかし犯人は全く予想外。まさか。
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投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
語る上では欠かせない、というか密室の原点たる本。
カーの密室に掛ける情熱が伝わってきて読み応えがある。
これを発表直後に読んだ人たちが羨ましい。
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密室の王者の異名をもつ作者の代表作の一つ。
その作者による〈密室〉に関する講義もおさめられている。
今までの新訳が読みやすかったからか、今回はちょっと読むのに時間がかかった。それでも全ての謎が解ける終盤は息つく暇もないぐらい一気に読んでしまった。
内容的には星5つだけど、個人的に感じた読みにくさで星一つマイナス。
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ジョン・ディクスン・カーの『三つの棺』を読了。ギデオン・フェル博士もの。
カーの最高傑作とも言われる作品。今年の初めころに新訳されると知った時は嬉しかった。ようやく読めたが、やはり一見の価値ありの作品である。事件はカーらしく密室トリックが用いられている。
実はS&Mシリーズの後半5連続を読む前に、この作品を読んでいた。途中で『すべてがFになる』のドラマ化情報が入ったので、一時的に積ん読していた次第。再開して読了したので記事にしたい。
本作で特筆すべきは、やはり「密室講義」であろう。語るまでもないほどに有名で、他作品のミステリにも名前が挙がることが多々ある。特に有栖川有栖の『マジックミラー』では、この「密室講義」に倣ってアリバイトリックの分類がされている。こちらも必見。
今回は7月に発売された新訳版を読んだのだが、旧版は全体的に誤訳が酷いと言われていた。それは色々なレビューを見る限り、「密室講義」も例に漏れずのようだったが、新訳版ではきちんと訳されていたようである(旧版は未読なので詳しくはない)。ただし「密室講義」においては、他作品のネタバレがあるので要注意(メルヴィル・デイヴィスン・ポーストの『ドゥームドルフ事件』)。
訳が直されているとはいえ、この事件のトリックについて完全に理解するのは難しい。少々複雑さが見受けられる。フェル博士の説明をしっかり読まなければ、多少混乱するかもしれない。少なくともオレはそうだった。
あとがきの話になるが、『ユダの窓』も新訳されるとのこと。こちらはカーの別名義であるカーター・ディクスンの探偵役、ヘンリー・メルヴェール卿ものの傑作。『ユダの窓』のトリックは、有栖川有栖が選ぶベストトリック5にも選ばれている(2011年9月号の『日経おとなのOFF』より)。こちらも実に楽しみである。
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フェル博士シリーズ及び、カーの作品を読むのは2冊目になります。
単純に、この小説が好みか、好みでないかで言えば、
そんなに好きでもない部類に入るのですが、そんなことより
このトリックを思いついて、そして書き上げてしまったという事に、
ただただ賞賛を送りたくなるばかりです。
有名な密室講義の章は、密室トリックについて大変わかりやすく纏められており、
今現在でも充分に通用する素晴らしい解説でした。
なんとなくわかったつもりでいた、密室トリックについて
ちゃんとわかった、と言えるくらいに勉強になりました。
突然のメタ発言には驚きましたが、ハドリー警視の突っ込みといい、この本が書かれた20世紀半ばにこういったコミカルなやりとりの表現を用いたカー先生の筆力の高さに脱帽です。
流石は契約以上に本を出版してしまうほど多作な作家だと改めて感心しました。
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かの有名な「密室講義」は素晴らしい内容ですし、名探偵自ら架空の存在であることを認めてしまったメタ発言が楽しいです。ただ、どうしても冗長に感じてしまうのが残念なところです。
本書の密室トリックは理解出来ない部分があって微妙に感じるものの、全体的な仕掛けや犯人の隠匿方法と有機的に結び付いている所が秀逸です。
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密室講義を読むために本作品を手に取ったと言っても過言ではありませんが、実際にこの作品で使われたトリックが発端となりその後様々なミステリに使われていると思うと、当時これを考え出したことが如何に偉大なことか思い知らされます。
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カーの有名なミステリー。密室ミステリーの最高峰と名高い「三つの棺」をはじめて読む。
ロンドンの街に雪の降り積もるある夜、グリモー教授の家をコートと帽子、それに仮面をつけた長身の男がおとずれる。ふたりの入った書斎から銃声が響き、ドアを破って室内に入ると、胸を撃たれて瀕死のグリモー教授が倒れていた。
しかし、長身の男は忽然と姿を消していた。密室であったのに。
この作品はギデオン・フェル博士シリーズのひとつらしい。
このシリーズを読んだことがないため、フェル博士がどういう人物なのかがよくわからない。
フェル博士がよく咳をしたりする描写があるが、喘息や、何か肺に病気を抱えているのかどうかもわからない。
やはりシリーズ作品は、はじめから読んでいかないと主人公に興味も持てないし魅力も余り伝わらない。それが残念なので、いつかシリーズ一作目を読んでみたい。
推理小説なら当然犯人を当てて、密室の謎も解きたいところだ。
犯人に関しては、惜しいところまでいった。
しかし、密室トリックについては全く歯が立たなかった。
これぞトリックといった物凄いトリックで、こんな密室の謎なんか解明出来るわけがない。
こんなややこしい面倒なことは、実際にどうかと論じること自体が野暮であって、小説なのだからこれでいい。
作中で繰り広げられる“密室講義”も有名らしく、その部分も面白く読める。
ラストのフェル博士のセリフがカッコいい。カッコつけすぎ。「ルパン三世」の石川五右衛門が、また無駄なものを斬ってしまっただか何だかみたいなくらいにカッコいい。
ちょっと笑ってしまった。
訳者あとがきにあったように、『事件全体のねじ曲がり方』に脱帽した。。
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以前にも読んだことはなく初読でしたが、なるほど、『火刑法廷』と並ぶカーの代表作の1つとされるだけあり、このトリックというか謎解きは今読んでも練られておりかつ意表を突きすごい。(練られすぎているが故やや無理は感じるものの)
個人的にはどうもカーはストーリーに没入出来ずに好きな作家ではないのですが、第17章の「密室講義」が無くとも確かに古典として残る名作と思います。そして、その密室講義が作品に色を添えていることもまた事実。
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なかなかやはり名作だけあって面白かった。
ただ、鏡という単語からトリックの何かのはしはちょっと考えついたけど、それでも面白かった。
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凄かったけど凄すぎて腑に落ちてない所や理解が追っついてない所がちょいちょい有るので、1から全部読み返したい。素直になるほど!!ってなれなかった。腑に落とさせてみせる(?)ぞ
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やたらと海外ミステリが並んでるエジンバラの本棚で見掛けて、密室講義だけ読んで満足していたのを思い出しました…はい…
有名すぎて、観てないのに見た気になっている映画、ドラマ、アニメとかありません?
〇〇を観ずしてSFを語ることなかれ、とか
✕✕を読まずしてファンタジーを語ることなかれ、とか
そう云われるとじゃぁお前何を語れるんだい、ということになってしまうんだけど(スターウォーズは観てるからSFは語っていいの? ガンダム好きならSFは…いやそれは語っちゃダメだな…)、
こればっかりは、
三つの棺を読まずして、密室ものを語るなかれ、と云わしめる力があるな、と思いました。
トリックの力であるとか、その語り口、見せ方はもちろんなのだけど、何よりも密室やミステリというものに対する態度、矜持? 気の持ちよう、というか(笑
あーこういうのを金字塔って云うのだな、と納得。
そういう部分を別にしても、プロットとそれを劇化するプロセスと展開と、長編を読ませる個性とウィット。
素直に☆5です。
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2021年7月29日読了。雪の夜に行われた密室殺人と犯人の姿なき殺人、「三つの棺」と事件たちの真相は…?ジョン・ディクスン・カーの最高傑作と名高いミステリ、特に作中で探偵ギデオン・フェル博士が披露する「密室講義」が有名だが、確かにいきなり「探偵小説の主人公」たることを宣言し名作ミステリの密室殺人トリックを解説しだすあたりはさぞ当時の読者の度肝を抜いたろう…。というか1930年代のこの頃からすでに、氷を使った凶器なき殺人、というのは手垢のついたありふれたトリックだったのね…人間は進歩しないものだ。現代の小説に比べると進行のテンポも悪いが、もったいぶった関係者へのヒアリングがフェル博士の推理でググッと予想外の方向に前進する感覚が癖になる。面白かった。