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初BL小説。
「箱の中」は、ちょっと緊張気味しながら読み、「檻の外」では、無我夢中で読み耽ってしまった。読了後、一言では言い表せないような不思議な感情が湧いてきた。面白かったとも違うような...。
人生どこで何が起きるか分からないし、たとえその出来事が自分にとって好ましくないことでも、後で何か得るものに繋がっているかもしれない。そう考えると何が徳で何が損かなんて、後になってみないとわからないし、価値観も人それぞれだから、辛いことも嬉しいこともあるがままの事実を受け入れ、いつも自分の気持ちに正直でありたいと思った。
ストーリーから少しずれてしまうかもしれませんが、個人的には、喜多川の幼少期に具体的に何があったのかもう少し深く知りたい気もした。
「なつやすみ」はまだ読んでいないので今からすごく楽しみ。
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あの名作木原音瀬の、箱の中と檻の外が一緒になったのが、なんと講談社文庫で出ました〜ドンドンパフパフ−!!
表題作が入って700円なので相当お得で、しかも講談社文庫なので、こっそりBL知らない人にも薦められる大変いい感じですが、あの、2人のその後が描かれた「なつやすみ」が未収録なので、これは布教用です。
あと表紙デザインをムシカゴグラフィクスの百足屋さんがやってます。ラノベデザインで有名なので、おっ?という感じ。三浦しをん嬢の解説もうんうんと頷いてしまいます。
ノベルス版、是非購入して下さい。こっちは布教用。
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文庫のランキングで1位だったし、皆さんのレビューも良かったので買ってみた。
最初の「箱の中」、痴漢の冤罪で服役することになった堂野のぶつけようの無いやるせなさや刑務所生活の息苦しさを描いて、まずまずの出だし。
そこからどんな話になるのかと思っていたら、男ばかりの刑務所の中で、男同士の「愛」の話になって、う~ん、これはちょっとどうかな。
って、そこまで読んで解説を見て、帯に書いてあった『BL』がボーイズラブだと分った次第。知らないというのは怖いねぇ…。
読み進むかどうか迷ったけど、何と無しに気になる話で読み進む。
次の「脆弱な詐欺師」、最後の「檻の外」と、多分、お約束の世界を普通の社会的な話の中に落とし込んでいくところが一味違うんだろうか、これが男女の物語だったら確かに普通のお話になっていて面白味に欠ける様な気もするけど、私としたら男同士のsexのところは勘弁という感じ。
心の中を語らず得体の知れない喜多川の行動が典型的な小市民の大江や堂野の生活にじわじわと喰い込んで行く様は、得も言われぬ息苦しさや緊張感を伴った一種のサスペンスを醸し出していて、お話の展開としては巧い様な気がするけど、これを愛の物語として読むことは出来ず、私には評価不能ということで。
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『箱の中』を読んだ時、まるで泥沼の中で蓮が蕾をつけるような愛を見た思いがした。しかしその蕾の何と花の咲かないことか。
続く『脆弱な詐欺師』では、喜多川が痩せ衰え、細く儚くなっていくのが目に見えるようで、誰しもがその背中に「もう諦めた方がきっと楽だ」と声を掛けたくなるだろう。しかし同時に、まだ諦めないで幸せになって欲しいと、祈らずにもいられない。
『檻の外』で二人と読者に与えられた結末は、決して手離しに喜べるものではなかった。しかしその酸鼻を極める悲しみの中で、「それでも君の家がいい」という一言は、果てしなく輝く花に見える。
三浦しをん先生の解説にあるように、『なつやすみ』がどうしても読みたくなってしまった。
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息詰まる物語だな。
堂野が、終盤になるまで、イマイチ曖昧な感じで感情移入しづらかった。
喜多川の一途さは、現実に考えると常軌を逸してるけど、うっかり感動してしまった。
あの愛情は受け入れてしまえば、この上もなく心地良いものなんだろうなあ。
この作家さんは、人気あるのは知ってたけど、初読み。
また、別の作品も読んでみよう。
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ずっと読んでみたかった木原さんの作品が講談社文庫から出るということで楽しみにしていた。
読んでみて、容赦ない悲劇から始まるのにまず胃が重くなる。そしてくっきりと姿を現してくる喜多川という男。彼の直情すぎる感情に胸が詰まる。「普通って、変だよな」と言い、「何もしなくていいいんだよ」と言われる喜多川が“寂しさ”を知ったのは果たして幸せだったのか。満腹を知らなければ空腹をやり過ごせたように、知らなかった頃には戻れない。
自由すら求めなかった男が求めるものが、それでもただひとりしかいないという事実に畏怖の念すら抱く。
(幸せか幸せでないかを他人が論じても意味がないとはおもいつつ、堂野と再会できなかったら喜多川はどうなってしまうのだろうとおもえば、わたしが途方にくれた子供のような気持ちになった。『檻の中』の最後、涙を流した堂野の姿にこれほど胸が締め付けられたのは、ただの傍観者でしかなくても“愛を知る”という変化にただただ圧倒されたからかもしれない。)
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BL小説は初ですが、ジャンルの括りは気にせずに読めました。
解説で三浦しをんさんが書かれているように、真実の愛が、いかに人間を救い、人の人生を豊かで深いものにするか。
この作家、木原音瀬さんの描写、読者を引き込ませる文章…とても素敵です。
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おもろい。
ボーイズラブ小説初めて読んだ。
全然抵抗なく読破。
ちょいちょいグロい部分もあるんだけど…
なんかグロさを感じない。
そして紆余曲折あってのハッピーエンド。
へたな恋愛小説よりもスカッとする。
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表題作の『箱の中』と次の話まではとても面白かったのですが、最後の話がちょっとしんどかったです。特にボーイズラブの世界(?)に持っていかなくてもいいのにとちょっと思いました。
真ん中の短編の探偵とその家族の描写が非常にうまくて共感できました。お話としてはこれが一番おもしろかったです。それから芝さんがかっこいいです。
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念願の木原先生作品。文庫化されて手にとりやすくなった。うれしい。
箱の中本編よりもその後のほうが深い。
「なつやすみ」まで収録してくれないあたり商売上手ですね・・・
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箱の中、だけだったら自分の中で名作だったかもしれない。また元々の刊行がそうだったように、箱の中と檻の外を数ヶ月離して読んだらよかったのかも。前半は単純に情に流される普通の男と、そこにただならぬ執着を見せる子供みたいな男のコントラストが面白かった。閉鎖性をもって育まれる感情には、全寮制男子校的な、古きよきBLの香りを感じた。しかも終わり方がいい。
だが後半も合わせると、とにかく不幸の連続で、一人の人間の身に降り懸かるには劇的すぎる展開に置いてきぼりになってしまった。また、喜多川のリアリティがあるような、ないようなキャラクター。好きなんだけどね、ちょっと特殊な人間すぎる。好きなんだけどな…
台詞や情景には確かに胸を衝かれるものがあったので、四つで。
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本の帯が三浦しをんさんの解説の抜粋で、『真実の愛』がわかる、みたいなことが書かれていたので手に取りました。
冤罪、刑務所での生活と社会派小説かと、最初は。
読み進めていく内に、何やら唯ならぬ雰囲気に。
ひぇ~っ、こ、これは同性愛者の物語。
後で気づいたことですが、この作者氏BL界では有名なお方のようです。そして、三浦しをん氏もその分野への考察に長けているというか、兎に角一家言あるお方だったようで…
まだまだ知らない世界があることを、自覚させられます。
自分の理解や想像を超える『話』、もそこには展開されるのですが、主人公達の 余りに純粋な気持ちに、胸を締め付けられました。
こんな風に人を好きになったことがあるか、愛ってこういうことなのか、と自分を問われる本でした。
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これはちょっと、がつんとやられました。
あるいみ、まんまなんですが「箱の中」というタイトル(モチーフ)がいいです。
BL界では有名なかたらしいですが、
カテゴリに関係なく良い小説ですね。
ともすれば、重いテーマですが、視線の優しさを感じます。
最後の方ちょっと予定調和的ですが、だからこそ救われるというぶぶんもあるわけで、、
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まさか、講談社文庫からBL作品が出るとはおもわなんだ。
一般の方からはどう評価を受けるのでしょうか。
最近BL小説を読まない私がすんなり読めたので、大丈夫なのかしら。
まぁ、しかしBLとかなんとか関係なく名作だとは思います。
純粋すぎてもう痛いくらいの愛情に触れてみたい方は、読んでみてください。
こんな風に愛されたらきっと、苦しい。
けど、愛されてみたい!
と思うでしょう。
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主人公、堂野崇文と喜多川圭を中心に3つの時代が有機的に描かれていて、とても興味深い作品であった。1作目は獄中の話、2作目は喜多川が探偵を使って出所後の堂野を探すという話、3作目は喜多川が堂野を見つけて以降の話という三部作である。1作目の獄中の話もとても興味深かったが、3部目は「愛」とは何なのかを問う深いテーマも見え隠れし、ストーリーの楽しさに加えて奥深さもあった。結果的に私は「ハッピーエンド」ではなかったように思うが、最終的な作品の捉え方は人それぞれだと思われる。