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奥深い里山の古き因習のもとで、次々と殺人が行われる。
まるで、横溝の金田一シリーズや京極夏彦の京極堂シリーズのようでそうでもない。
次作が楽しみ。
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横溝を思い出させる重厚さで読み応えがある。しかしながら、あまりの重さに疲弊してしまいかなりの部分を流して読んでしまった。
もし、時間が唸るほどあれば何回も読んで噛み締めたい作品ではあるが、僕に残されている時間はあまりにも短く読みたい本は多い。だから、どうしても深く入り込むことが出来ず読了した。
理論的な内容、民俗学的見地、非常に興味深いテーマが並べられているが、ストーリー的な部分よりやたらと多い描写と複雑怪奇な展開に、やはりめまぐるしく感じてしまいのめりこめない。
多分、視点を沢山変更しているのも理由の一つだろうと思う。
さらに、ラストは、ミスリードさせてコロコロってのはパターン的でそれが悪いわけではないが、このような書き方だと後味が悪く、どうして刀城にミスリードさせたのか疑問に感じる。通常は聯三郎にやらせるべきではなかろうか。
また、名前も似たり寄ったりで区別どころか混乱するだけで途中でウンザリしてくる。
読み込んでしまえばどうでもいい部分であるが、もう、あまり読みたくないな。と感じさせられる。
クオリティーが高いのは認めざるをえないが、どうにもこうにも好きになることは出来なかった作品である。
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憑かれたように一心不乱に読了。
全体に漂う薄気味悪さがなんとも言えない。実体のないものと対峙しなければならない怖さがひしひしと身に迫ってくる。
犯人が人間じゃなかったら…とハラハラしたが、意外な真犯人判明では思わず息を呑んだ。唖然混乱したもののちゃんとミステリーで決着。ミステリーとホラーで二倍の醍醐味。
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ずーっと気になっていた
刀城言耶シリーズ。
なんか、こういう雰囲気大好き。
旧家とか憑物とか。
ホラーミステリみたいなのが好きなんです。
憑物筋の谺呀治家と非憑物筋の神櫛家が対立する神々櫛村。
その村で起こる連続殺人事件。
刀城の迷走しまくる推理が面白かった。
事件の謎解きの重要な部分はすべて解決できるけれど
論理的には解決できない体験が謎のまま残っているのも良かった。
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伝奇ホラーと本格ミステリの融合。二度、三度と繰り返されるどんでん返し。おどろおどろしく怖くてしょうがないくせに、やめられない止まらない。ホラー嫌いのはずがなぜ、三津田信三にはまってしまったのか(汗)。
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面白かったーー。
こういう昔からあるその土地の神やら信仰やら、って言う話は大好き。
横溝正史とか京極夏彦とか大好きでよく読むけど、また違った感じで面白かった。
真犯人は最初の方で想像してた通りだったけど、
この小説の書き方自体にカラクリがあったのには驚き。
なんか読んでて違和感があったのに、深く考えず読み流していた。。。
誰がどう殺したにしろ、
こういう信仰のある村ってだけで、読んでて怖く背筋がぞぞーとする。
どんな神様にしろ祟りにしろ信じすぎる怖さと、本当の人間の執念の怖さ。どっちも恐ろしい。
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前作「忌館」よりはずっとこちらの方が好み。
ホラー要素もありつつのミステリでした。しかも舞台が横溝正史ばりの因習に満ちた村。憑き物筋に憑坐に神隠しに異形のもの。これでもかというほど、てんこ盛りです。
恐ろしさと不可思議に満ちた謎に、きちんと説明がつけられるのか、このままやっぱり人知を超えた力が働いたで片づけられてしまうのか、ドキドキしながらラストへ。嬉しいことに、主要人物集めての謎解きタイムがありました。謎解きは一転二転三転しながら結末へ。最後にまたヒヤリとさせられて読了。
夜に読むには幾分心臓に悪かったけれど、きっと次作も読んでしまいます。
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結末が分かったとき、「なんであの疑問をもっと追求して考えなかったのか」と
自分で自分に歯ぎしりしてしまいました。
私は、三津田氏の著作は、発刊順ではなくバラバラに読んでいる人間です。
これまで言耶シリーズを3冊読んだところで、やっと第一作目の本作を
手に取ることになりました。
で、一番最初に思ったのはこう!
やっぱりまだ一作目だから、色々描写が物足りない部分が多いなあ……
特に事件が起こった瞬間に言耶が遭遇したシーン!
なんでそこを回想として扱っちゃうの??そこが書きどころじゃないの??
と……。
今となっては全て納得がいきます。
これらの疑問は所詮、三津田氏の手のひらの上で遊ばれていたに過ぎませんでした。
すべての描写には仕掛けが隠されています。
後は読んでお確かめください。
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物語自体は戦後日本の閉鎖的な山村を舞台とした変死事件を中心に進む。田舎、神隠し、慣習、巫女憑き、憑き物信仰、こんな語感に惹かれたのが始まり。ただ、登場人物の名前が同音など読みにくい部分が沢山。量とも相俟って読了までに時間がかかる。
あちこちに蓑笠を被せられたカカシ様が立ち、崇められている村で、見立てられた変死体が発見されるのだが、何よりも衝撃を受けるのは、その文章の怖さ。想像力を掻き立てられて戦慄する恐怖の場面は一度や二度じゃなかった。山で出会ってはいけないとされている、厭魅と書いて「まじもの」と呼ばれる妖怪が、文章の向こうからじっと覗いているような気すらした。幼い兄と弟が、常世橋を渡り禁足地の九供山に足を踏み入れる場面。型代を川へ流す巫女の背中に囁き続ける声。地蔵堂の影から地面すれすれに顔を出し、こちらを見つめる少女。ミステリ部分よりも、この禍々しい気配に怯えながら1頁ずつ読み進めていった。結果、先が気になる展開が続き、最後にも驚かされ、読んでよかったと思う。
刀城言耶シリーズは、1作目が一番読み難く徐々に洗練されていくのだが、反面、民俗学ホラー要素はこの1作目が一番強い気がした。緻密な情景描写に裏打ちされたおぞましき厭魅に、おそらく肌が粟立つことでしょう
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図書館でこのシリーズの単行本を見かけて気になっていた作品。文庫で借りてみました。
民俗学にとてつもない関心を持つ怪奇幻想作家の刀城言耶が事件を追うシリーズの第一弾
ものすごい山奥の閉塞感漂う因習に満ちた村で起こる怪奇な連続殺人事件。憑き物やら神隠しなど不可解な現象が起こることが日常になっている村で起こる殺人事件は果たして現実的に解決できるものなのか!?
戦後間もない時代設定で固有名詞の漢字の難解さ、民俗学的な薀蓄も加わり、なかなか読みごたえがあった。
でも、それに引きずられすぎて物語の雰囲気にどっぷりつかれなかったのが残念だった。
やっぱり文庫じゃなくて、気になってた単行本で読んだほうが楽しめたのかな~
次は単行本で借りてみよっと
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最終的に物語の犯人という存在は序盤に想像したとおりの人物だった。
ただその犯人の描写はおもしろく、また読後のぞわりとする感覚はとても心地いい。
しかし如何せんそのための伏線としての状況説明がくどく感じられてしまった。
これは酷く個人的な感想だが、頭の中での空間の組み立てが苦手な自分が通勤時間の読み物として読むには向かなかったなと感じている。
後日落ち着いた休みの日にしっかり噛み砕きながら読みなおしたい。
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怖かった。
厭魅の存在がとにかく怖かった。
決して物語とは思えぬおぞましい描写に、読み進めるにつれ自分のまわりの空気も異様なものに支配されていくようなゾワゾワとした感覚を覚えた。
視界の端、首の後ろ、微かな物音が恐ろしくなり思わず途中で読むことを放棄してしまった。ミステリーだと思って油断していた。
怖さとなかなか読みにくい文章でスイスイとは読めなかったが最後の最後でその理由が明らかになり納得。
癖があるがどこか嫌いになれないやりがいのある仕事を終えたような満足感と疲労感を感じる小説だった。
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シリーズ第一作にして、非常に野心的な作品です。この犯人指摘はすごい!
犯人の正体があまりにも意外すぎるのですが、随所に張られた過剰なまでの伏線がその結論を意外と無理なく導き出す、と気付いたのは本編を読み終わって長い溜息をついた後でした。
要するに、今回も完敗ってことですわ\(^o^)/←←←
真相解明へのヒントと見せかけた思わせぶりな描写や会話にもかなりページを割いていますが、そこが特に怖いんですね〜。「蛇足的に物語の補足の役割は果たしていますが本筋には関係ありません」なエピソードがあったり、だけどそこが犯人解明に繋がるエピソードと重複した要素を持っていたり…と、撹乱させられます( ^ω^ )←嬉しい
まあでも読んでる最中はそんなこと分かる筈もないので、推理しながら丹念に文字を拾っていく人にはひたすらホラー描写が続くのは恐ろしいですね。読んでる最中、物音がするたびビビったのは私です( ^ω^ )←
個人的には、「室内の密室」以外にも登場した、「自然の地形が作り出した密室状況」「関係者の立ち位置が作り出した密室状況」が堪らなく興奮しました(笑)。
こういう魅力的なトリックを惜しみなく出してくれる作品は、それだけでもう評価高いですね〜。
最新作のミズチの如き沈むものを先に読んでしまったので、ミズチに比べると洗練度やキャラの魅力が若干劣る印象は受けましたが、それは読む順序を無視した私が悪いですね(笑)
神々櫛村ーー二つの旧家が勢力を二分する村を怪奇幻想作家・刀城言耶が訪れて間も無く、毎朝行われる儀式の最中に男が殺害される。
その後、立て続けに関係者が不可解な状況下で殺害され、刀城は刀自に請われて真相究明に乗り出すが…。
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横溝正史に似てるな…なんて何となく思った。
読み始めは「なんて読みづらいんだ」と時間がかかりました。名称や名前が読みづらいのよりも、文章が、かな。なんていうか、考えないと情景が頭に浮かんでこない。今の文章ってどう言う意味?っていちいち考えないと意味が理解できない。途中で読むのやめようと思いながら何とか読みすすめて、中盤に差し掛かる頃…ようやく面白くなってきました。
お、続きが気になり始めた!
そう思ってからはあっという間。題材が面白いから余計のこと。
神隠しにあった全ての子たちの行方?も分かったし、何度か二転三転する犯人もドキドキさせられっぱなしだった。犯人が二転三転するあたりは「きゃあああ」なんて地団駄踏みながらワクワクして読めました。
諦めずに読んで本当に良かった。
のめり込むのにちょっと時間がかかったので☆-1です。
ただ、私がもともとホラーが好きで、サイコや、グロテスクなミステリーも読んでいるからなのか、読み終わっても怖かった、どうしよう眠れない、なんてことは全くありませんでした。
全然関係ありませんが、Anotherの方が心理的に追い詰められていく怖さはあったと思います(こっちの方が怖くて眠れなかった)。あくまでも、ミステリーとして読めば怖さもさほどではないんじゃないかな。
何にしても、やっぱりすごく面白かったのでこのシリーズを購入してしまいました。全部揃えておけばよかったと、ちょっと後悔。読みたくてたまらなくなってます!
1年前に購入し、なんとなく積読になっていた本でしたが…
もっと早く読んでいればよかったとすごく後悔してます。
映画化とかドラマ化とかないかな。
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トリックが秀逸。最後まで犯人が分からなかったし、ある仕掛けがあり、もう一度読みたくなる。
そしておどろおどろしい雰囲気が伝わってくる描写の数々。
かなり面白かった。