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投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホテルの中庭で、脚本家が殺された。犯人のヒントは脚本家の遺作にある。主役候補の三人の女優は、それぞれにそれを演じてみせる。
いわゆる、入れ子構造なんだが、だんだんどれが現実でどれが演劇なのかわからなくなってくる。確かに演劇の部分は、脚本のように書かれているのだが、それにすら信用がなくなる。
また、同じシチュエーションで視点が変わるものが何度も出てくるので、一層信用がない。
作家と読者は、暗黙のルールの中で世界を共有するものだ。
が、その世界が危うい時、読者は世界の何を見て、何を感じて、世界の揺らぎを止めるのだろうか。
犯人が誰であるかは、すでに重要ではなくなっている。
証言者の誰を信じるかも、些細なことだ。
目の前にある中庭。それをどこから見ているかを決めるのは自分で、それだけが確かなものなのだろう。
にしても、なんか「ガラスの仮面」っぽい感じはどーしてもいたしますよww
どんどん引き込まれてゆく
2020/07/27 22:00
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いくつかの殺人事件が、この小説には”登場”する。どの殺人事件が現実に起こったものなのか、どの殺人が劇中劇なのか、この登場人物が語った今の言葉は科白だったのか、生の声だったのか、どの登場人物が劇の出演者で、どの登場人物が現実の人なのか。どうなっているんだ、結末はどうなっているんだ、あと200ページしかないぞ、あ、もう100ページを切った。とうとう50ページもないぞと勝手に心配していたけれど、なるほどいう結末が待っていた。そりゃ、恩田陸氏の作品なのだから初めから当たり前なのだ。この作品はミステリー小説を読むというスタンスではなくて、恩田作品を読むというスタンスで読むのが正解だと思う、下手に謎解きなど考えずに。
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恩田陸の作品は結構読んでいるのだけど、
今回のものはなんだか好きになれなかった。
劇のなかの劇のなかの劇の…
というのがどこまでも続きそうな、入れ子構造が好きになれないのか、
あるいはそこで提示されることに興味が持てないのか。
ラストが曖昧な作品自体は嫌いではない。
恩田陸の「ユージニア」も「Q&A」も読み応えがあって、
色々考えさせられた。
だけどこの「中庭の出来事」を読み終わった後に、
じっくり考えたいことが頭の中にないのだ。
ただ、「ああそうですか」と思ってしまう。
女優の性とか何とかに興味が持てないし、
それ以上に考えたくなるようなこともない。
山本周五郎賞受賞してるってことはきっと私の感性がずれてしまってるのだな。
自分としては、面白みが感じられない。
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個人的にはかなり面白かった。
どこというでなく、なんとなく。
作中に流れる雰囲気が。
ただ、終わり方には肩透かしを食らった気分。
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劇中劇のある劇を演じる三人の女優。読者からすると劇中劇中劇構造?もう一階層あるかも。
現実が劇とリンクする上に、三人が同じ劇をそれぞれ演じるため、階層は更に複雑化します。
加えてそれとは別の似通った事件や、関係なさそうな二人の男の話も入り乱れて…
書いててこん絡がってきますが、読んでてもこん絡がります。
事実と劇と劇中劇の区別が付かなくなってきますが、それが作者の意図するところ。
読んでいる自分まで劇に巻き込まれるような、奇妙な感覚を味わいます
……が、最後で台無し。
作中で十分体現していたのに、最後にわざわざセリフで説明してしまったせいで白けてしまいました。
良い作品を読むと、読後も作品の世界を漂い続けることがありますが、
これは逆にどっぷり作品の世界に迷い込んでいたのに、最後で押し出された気分です。
やりたかったことは分かるんですがね。残念。
複雑な構成が、終盤に一気に組み合わさっていくのは爽快です。
読み始めてしばらくは本筋が見えず、読むのに気力が要りましたが、ある時点から一気に入り込めました。
……つくづく最後が惜しいです。
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舞台のセリフと現実のセリフ。
舞台の中で繰り広げられる舞台のセリフ。
どこまでが演じられているもので、どこまでが現実なのか。
心して読まないと、あっという間に分からなくなります。
これはもう一度読んで、理解したいなぁと思いました。
ひとつの出来事に対して、さまざまな見方が出来る。
真実はいつだって周りから見ただけじゃ分からないもんだって思い知らされた気がします。
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中庭という四方に開いているようでいて、実は密室でもある不思議な空間を舞台に、現実と、劇中劇とが錯綜する不思議な恩田さんならではのお話。ちょっとプリーストの『魔法』を思い出しました。プリーストより恩田さんの方が仕掛けますよ、と正直に手の内を最初からばらして(というか帯とかでばらされて)いますが。最初ちょっと入りにくかったですが、頭を使わないようにして素直に読む気になった後半はすーっと入れて、最後は自分も観客のひとりになったような気になって読んでいました。やはり恩田さんはすごいです。
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なにが中でなにが外なのか。
順番に展開される話にまきこまれていくような感じがする。
さすが。
現代の人はみんな自分を演じているんじゃないだろうか、
都市は見る・見られるを作り出そうとしているんじゃないだろうか、
それだけでも面白い話だよなぁと思った。
脚本を読まない人には少し読みづらいかな、と思ったけど
個人的にはロミオとジュリエットも桜の園も真夏の夜の夢も奇跡の人も
小説にぴったりな部分をうまく抜いてきたなーと感心してしまった。
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どこまでが(作中の)現実なのか、どこからが架空の物語なのか?
作品は、「中庭にて」「旅人たち」「中庭の出来事」という3つの話から構成されていて、それぞれが関連しつつ、微妙なズレを感じさせながら展開していきます。
最後の最後で、3つの話が繋がっていくところは、「なるほど」とは思うものの、あまり驚きはありませんでした。
ミステリの要素は、薄いと思います。
作品としての構成が複雑なので、集中して一気読みしてしまわないと、理解不能に陥る可能性あり。
「劇中劇を見ているつもりが、劇中劇の中の劇を見ていた」というような複雑さ。
そして、最後は、読者をも作中に巻き込むように、登場人物がこちらを向いて語りかけてきます。
ミステリ的な要素を求めるならば、あまりお勧めしませんが、作品を読み解くのが好きな方や、ひとつの作品を繰り返し読むタイプの方には、とても楽しめる作品だと思います。
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読んだ後に残ったイメージは
「劇中劇」と「女性の心理」。
最後はもう、あまりにも断言できることが
少なすぎてなんかもやもやする。
読み直すと物語の印象が
また変わりそうだが
進んで読み返そうとは
あまり思えない。
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恩田陸再チャレンジ!
話のつくりは凝ってて面白いんだけど、やっぱりあんまり好き!って感じじゃないかなー・・・
てか構成が難しくてよくわかんない(´・ω・`)
そして最初のほうに出てくるフジツボのくだりがほんとに生理的に無理で、
それ以降ずっといい気分で読めなかった・・・
いつか読み返すかもね?
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恩田陸はとても好きな作家です。この作品も構成力はすんばらしい。
でも、やっぱり『六番目の小夜子』とか『夜のピクニック』とか『三月は深き紅の淵を」とか。
そっちの方に魅せられる。
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めちゃくちゃ恩田陸が恩田陸してる本だった。
劇中劇の作品としてはいままで読んだ中で最高!!
劇中劇中劇と並行してすすむストーリーで振り回しといてきれいにまとめる恩田陸は凄すぎ。
やっぱ好き。
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混ざり合う、現実と演劇。
3つの世界が見事に入り組んでるので、
よく読まないと頭がこんがらがっちゃう。
さすがは恩田陸。。。
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いったいどこまでが現実でどこまでが劇の話なのかさらに劇中劇までも混ざっていて、自分が今どこの話を読んでるのか不思議な気持ちで読んでました。
でも、この感じが割と私は好きです。
早く整理したくて夢中になって読んだのですが・・・結局私は整理できず(-_-;)
そのうちまたリベンジしたいです。
厚さも結構あるので読み応え十分です。
今度は整理して読めるといいな。