読割 50
電子書籍
中庭の出来事(新潮文庫)
著者 恩田陸
瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。容疑は、パーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かる。警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『...
中庭の出来事(新潮文庫)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
中庭の出来事 (新潮文庫)
商品説明
瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。容疑は、パーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かる。警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて……。虚と実、内と外がめまぐるしく反転する眩惑の迷宮。芝居とミステリが見事に融合した山本周五郎賞受賞作。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
入れ子構造の妙
2009/08/10 21:13
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホテルの中庭で、脚本家が殺された。犯人のヒントは脚本家の遺作にある。主役候補の三人の女優は、それぞれにそれを演じてみせる。
いわゆる、入れ子構造なんだが、だんだんどれが現実でどれが演劇なのかわからなくなってくる。確かに演劇の部分は、脚本のように書かれているのだが、それにすら信用がなくなる。
また、同じシチュエーションで視点が変わるものが何度も出てくるので、一層信用がない。
作家と読者は、暗黙のルールの中で世界を共有するものだ。
が、その世界が危うい時、読者は世界の何を見て、何を感じて、世界の揺らぎを止めるのだろうか。
犯人が誰であるかは、すでに重要ではなくなっている。
証言者の誰を信じるかも、些細なことだ。
目の前にある中庭。それをどこから見ているかを決めるのは自分で、それだけが確かなものなのだろう。
にしても、なんか「ガラスの仮面」っぽい感じはどーしてもいたしますよww
紙の本
どんどん引き込まれてゆく
2020/07/27 22:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いくつかの殺人事件が、この小説には”登場”する。どの殺人事件が現実に起こったものなのか、どの殺人が劇中劇なのか、この登場人物が語った今の言葉は科白だったのか、生の声だったのか、どの登場人物が劇の出演者で、どの登場人物が現実の人なのか。どうなっているんだ、結末はどうなっているんだ、あと200ページしかないぞ、あ、もう100ページを切った。とうとう50ページもないぞと勝手に心配していたけれど、なるほどいう結末が待っていた。そりゃ、恩田陸氏の作品なのだから初めから当たり前なのだ。この作品はミステリー小説を読むというスタンスではなくて、恩田作品を読むというスタンスで読むのが正解だと思う、下手に謎解きなど考えずに。
紙の本
どこまでも続いている
2022/05/13 15:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビルに囲まれた商店街での不審死から、幾つもの幕が開けていきます。無関係な人たちに繋がりが生まれたり、劇中の登場人物が現実世界に現れたりと自由自在ですね。
電子書籍
複雑な入れ子構造
2017/11/06 06:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この話は最初普通のミステリーのプロローグのように始まり、ホテルの中庭のカフェで待ち合わせた女の一人がもう一方のやった殺人を告発し、告発された方はなぜかその場で飲んでいたワイングラスを落として亡くなってしまいます。
次の章「旅人たち1」では新宿のある地下街の噴水のあるところで就職活動中の若い女性が亡くなった事件が提示され、その目撃者たちの女性に関する証言が著しく食い違っていることに言及され、それが話の着想となった、というようにその後に延々と語られ演じられることになる「話」が暗示的に提供されます。
その話というのが最初の章で告発されている気鋭の脚本家の毒殺(謎の死)で、容疑はパーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かり、警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて。。。というように入れ子構造がどんどん入り組んできて、読者は自分が今小説の中の劇中劇のどの舞台に居るのかあるいは居ないのかよく分からないまま、虚実が入り混じりながらクライマックスに否応なく押し流されていくような錯覚に襲われるような気がするのではないでしょうか。少なくとも私はそういう印象を受けました。
劇中劇のシーンでは台本のように「女優1 どこそこに座って」とか「暗転」等の用語があるので、それと分かりますが、そうでないシーンも視点を変えて繰り返されたりするのでそれがまだ脚本家の書いている話の中のシーンなのか、話の外なのかよく分からなくなるところがこの作品の魅力なのだと思います。
紙の本
( ̄ー ̄)
2021/02/11 00:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミルフィーユのように多重化されたストーリー。恩田さんの作品にはありがちですが、謎を撒き散らししかし解決されない。途中まではかなり期待して読みましたが、モヤモヤが残る作品でした。
紙の本
ついていけない・・・
2017/05/17 14:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
場面がどんどん変わっていくのでついていけなくなった。。。。
2度読みしないと全体像が見えてこない感じがした。
紙の本
事実と虚構が交錯!
2016/01/17 09:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、小さなホテルの中庭で起こった殺人事件が中心テーマとなっているのですが、こうした設定の戯曲を演じるという虚構の世界が小説のあちこちにちりばめられていて、何が本当で何が虚構なのか、何度も注意して読み返さないと混乱してしまいます。これがまたこの小説を読む醍醐味でもあるのですが。。。なかなか面白い作品です。