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望まざる対立を強いられるヤトリシノとイクタ。イクタは、イグゼムの宿命、「負けてはならない」を背負い、イグゼムと化したヤトリシノをヤトリシノとして取り戻す為にイグゼムを殺す事を決意する。
ヤトリシノは自分の中に在る、ヤトリシノを殺し、イグゼムとしてイクタを討つ覚悟をする。
2人が戦場で相対し、知略、武力の双方で刃を交え、そして決着がつく時、それは起こる。
カッコつけました(笑)
まぁ、フラグはビンビン立ってたんで覚悟はしてましたが、それでも最後は衝撃でした。
読んだ後2週間ぐらいは立ち直れない位辛かった。
今巻はこのシリーズにおいて一番の傑作と言って過言ではない
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投稿者:young - この投稿者のレビュー一覧を見る
読者のストレスになる展開を極力避けている最近の「ラノベ」としては驚きの結末が待っています。
物語中の伏線でいくらか予想していても心が痛むお話でした。
著者がどんな展開を用意しているのか、次巻が試金石になりそうです。
せっかく面白いシリーズなので、最後まで意図するところを描き切ってほしいですね。
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第一部?終了。雰囲気的にそうなるかなと覚悟はしてたけど、本当に退場してしまうとは…。これが戦争といえばそれまでなんだろうけど、過去の回想で二人の絆を読んだ後だと、余計にやりきれないものがある。“涙が出ない”と言った男の号泣には胸にクるものがあった。最期の表情が穏やかだったのがせめてもの光か。姫様も堕ちてゆき、喪ってばかりのイクタに光明が見いだせるのか、第二部には期待半分、不安半分…というか現状では不安の方が大きい(苦笑)ともあれ秋を楽しみに。
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ああ
せっかく……
彼らの絆は深すぎて、「これ以上」が想像できないほどだったから、いつかこんなことになるような気はしていた。
「こうなるしかない」のだと、丁寧に、丁寧に描写されていたから、どうしようもないのかと思いながらも「それでも彼らならば」と読み進めた。
ああ、やっぱり彼らは
最後の展開、とても驚いた。
今後もとても楽しみです……。
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壮絶、としか言いようのない、最初から最後まで圧倒されっぱなしの1冊だった。このシリーズはいつも分量の割に中身が濃厚なのだけれど、この巻はいつもにも増してそれが顕著だ。
主人公イクタと、ヒロインというより、主人公の座をイクタと分け合っているという表現の方がしっくりくる少女ヤトリ。
いかなる時も手を携え、文字通り互いの全てを知り尽くした連携で、鬼神のような戦果を上げつづてきた二人。その二人が、国を巻き込んだ大きな流れ、陰謀によって戦地にて対立する、よりにもよってその時に、今まで語られてこなかった二人の過去が明かされる……。
物語は過去と現在を交互に行き来しながら、未来に対する予感を孕ませながら進んでいく。「自分の半身」とまでお互いを呼ぶほどの二人が、敵同士として正義も何もない無意味な戦いにおいて相見える。その心中の葛藤はいかほどのものか。自分の心を、記憶を切り刻み、ただ一人の軍人として最愛の者へ刃を向けるその苦しみはいかほどのものか。その境遇を見て、自らの運命に立ち向かう二人の健気な姿に、涙が堪え切れなくなる。
戦闘は神によって差配されているかのような鮮やかさで進み、クライマックスへと突き進む。どうあがいても絶望しかない状況で、イクタが打った一手は?悲劇は止められるのか?
この巻は1章の最終巻という位置付けで、エピローグという形で2章への導入も含むのだが、そのエピローグがまた壮絶さに拍車をかけている。
結末は是非ご自身の目で確かめてほしい。
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面白くて先が気になって読むてが止まらなかったです。
終盤は涙がにじみました。
読み終った後は頭が真っ白になり
心にぽっかり穴があきました。
次巻をどんな気持ちで手にとれば良いのか
正直わからないです。
それだけ衝撃を受ける巻でした。
読んだことのない方は一切の前情報なしに
手にとってもらいこの気持ちを共有したいです。
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ええ?! まさか、これは…衝撃の展開だよ。
イクタとヤトリのあの関係がどうやって紡がれたのか、いつか描かれる時を期待していた。
それが今巻だったわけだけど、予想していたのとはちょっと違った。
きっと学生時代に出逢って、すごく衝突して、そのうちに無二の友になった……ようなことを考えてたら、そうか、もっと昔にあっていたんだ。
そして無二の友よりも深く、二人でひとつ、互いが片割れになった。
子供時代も、再会後も、二人の関係の深さに心が躍った。
それだけに、敵味方になって闘うことになったときの、自分自身の全てを切り捨てたヤトリの悲痛さがイタイほどだった。
でも、きっとイクタが、そんなヤトリを救ってくれるのだと信じていた。だから、信じて読み進めたのだけど、その果てに……
確かに救うことは出来た。
でも、永遠に失われてしまった。
この展開、いや、ひどすぎない?
ちょっとこれはあまりにもひどい。
確かにこの物語は、そういうことも容赦はしない傾向にあったけれど、ここで彼女を失うことは、この先の魅力の半分を失うことと同義だと思うのだ。
なんだか、続きを読み進めることが出来るか分からない。
そんな気分。
それでもこの先を、見届けるべきだろうか。
彼女の願いと共に。
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評価:☆4.5
※ネタバレ注意。未読の方は回れ右
イグセム派の将校として捜索隊を率いるヤトリと戦場で対峙することになるイクタ。
お互いにお互いを知り尽くしたもの同士の戦いは熾烈を極める。戦いの行方は果たして・・・!
この巻では今まで明かされなかったイクタとヤトリの過去が語られることになる。
二人の馴れ初めは微笑ましかった。イクタとヤトリは二人で一つ、そんな絆の深さもわかった。だからこそ二人が戦場で戦うのを見てるのが辛かった。
幼い頃からヤトリはイグセムで、ヤトリの中のイグセムは成長してからも消えることはなかった。
それでも過ごして来た時間の中に確かにヤトリシノの時間はあった。それが彼女にとっての救いだったのかなと。
読み応えあったし、間違いなく面白かった。だがあまりにも辛いこの結果に軽く放心状態・・・賛否両論になるのも頷ける。
次巻から新章が始まるそうだが、迷走しないことを祈る。
「ひとつだけ言っておくよ。君が謝るべきことなんか、この世界に何一つない」
「――しぶといじゃないの。ヤトリシノ――」
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とりあえず、第一幕の終了。しかし、内容は陰惨だ。内戦で味方同士が殺しあう。そしてイクタとヤトリも。結局、何の救いもなく、終幕を迎える。
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第1期クライマックスにして、ここ4,5年で読んだラノベのなかで最も重い展開を見せる巻。
己の半身ともいうべき存在と、敵味方に分かれて殺しあう、
凄惨極まるストーリー、そして衝撃のエンディング。
ここまで思い切ったことをするシリーズというのも
なかなかお目にかかれない。
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第一部完結。物語としては事実上の最終回とも言えそうな直接対決の結末は…。
狐の策謀が悲劇を生む。余りにも大きな喪失感を伴って…。この終盤の展開と描写は絶句、絶句、絶句であった。
確かに、某作品の展開のなぞりとも、重ね合わせざるを得ない展開ともいえるものではあった。本作との好みの優劣はつけがたく、どちらにも一長一短があるからだ。
ただ、その某作の第2巻に比して、劇的度合いと描述の悲劇度合いは本作の方が遥かに上。
そう感じる一部完結巻である。
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図書館で。
とりあえず電車で読まなきゃ良かったと後悔。満員電車で泣かされました…ヤトリ…
過去回想からのアレは酷いなぁ~ 個人的にはあの二人の関係性を知っていてそれでもヤトリを出す元帥におかんむり。オマエが出ろ(笑)って大将出すわけにはイカンか~
というわけで色々ツッコミたい所はありますが読むと泣かされるのでとりあえずこれはこういう話だ!と納得して次へ進むしかない。まあ剣技が勝っちゃうと進まない話でもあるしねぇ。
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7/10.
納得いかない事多かった。トリスナイと交わした会話、お互いの目的や企みを暴きすぎ。幼い頃のイクタとヤトリの話し方はあまりにも大人っぽかったから没頭できなかった。狼の件は大げさすぎ。著者にはもう少し遠慮して欲しい。
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クーデター編終結。ネタバレしてますご注意を。
てかこんな終わり方あり?全体的に救われない話だった、、、
お姫さんの闇堕ちはしゃーなし感があるけど、
まさかヤトリが退場するとは夢にも思わず。衝撃だった。
もしかしたらマシューあたりやばいのか、と思うくらいだったのに、、、
イクタの超人ぶりもヤトリを生きて救うことは出来なかったわけで、次の巻では復活ができるんでしょうか。
キオカともまだやり合うだろうし、狐は暗躍したままだし
どうなることやら。
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あの時からずっと、僕は君のことを存在の片割れだと思っている。右手と左手のように、右脳と左脳のように、ふたつでひとつのものだと(p.265)/あんたは、約束を果たしたのよ(p.459)[内容]この巻はヤトリの話。ヤトリとイクタとの絆の蓄積/精霊という不可解な存在の意味と、殺せないトリスナイ/最後に現れるのはヤトリなのか、イグセムなのか。まずイクタが勝ってヤトリがイグセムでなくなりただのヤトリになるという形しかあり得なさそう/シャミーユに異変。[感想]おお、最悪や。実は…やったらええんやけど。
■この巻の簡単なメモ
・ちょっと昔の話から始まる。イクタの父、バダ・サンクレイ存命の頃、八歳のヤトリは旭日連隊に遊学、イクタと初めて出会う。そこにはアナライとその弟子たちがいた。
・イクタ&シャミーユ対やっかいなトリスナイ。
・「精霊」の存在する意味。トリスナイは殺せない。
・過去話。イクタ&ヤトリの試練と、vs飢えた狼たち。
・ある意味イクタをも上回るトリスナイの策謀。
・珍しく焦るイクタ。敵はヤトリなのだから。
・過去話。イクタとヤトリの学生時代の生活。
・イクタ対ヤトリの攻防戦。
・戦いの後に異変。
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■カトヴァーナ帝国についての簡単な単語集
【アクガルパ・サ・ドメイシャ】アルデラ神軍の大将。五十二歳。豪快な名将。パートナーは火精霊のゴア。
【アゴラ】マッチョのアゴラと記述される士官候補生。
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。《どうじゃ、神とやら! この味はお前さんのレパートリーになかろう!》第七巻p.42
【アナライの匣】アナライの弟子たちがいったん研究成果を秘匿するためのなにか。
【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
【イグセム家】ソルヴェナレス・イグセム、ヤトリ・イグセム、ヨルンザフ・イグセム。
【イクタ・ソローク★】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で年配の女性好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるた���の適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165
【イクタ陣営=旭日連隊】イクタ・ソローク=イクタ・サンクレイ、ヤトリシノ・イグセム、トルウェイ・レミオン、マシュー・テトジリチ、ハローマ・ベッケル、センパ・サザルーフ、シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク、クバルハ・シバ、スーヤ・ミットカリフ
【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【エボドルク州】帝国南西部の例外的な比較的湿潤で穏やかな気候の土地。グナ米の産地。
【エリーネフィン・ユルグス】海軍第一艦隊旗艦の黄竜号艦長。要するに、海軍の実戦部隊のトップ。ユルグス家の係累。男か女か不明だが副官によると「おカマ」らしい。
【エルルファイ・テネキシェラ】キオカ海軍第四艦隊司令官で少将。旗艦「白翼丸」艦長。キオカ海軍唯一の女性司令官。ジャンと似たような立場で、故国ラオ、鷹匠の民出身。相棒はミサゴのミザイ。すぐに男をくわえこむが魔性の女ではなく母性の女。「白翼の太母」と呼ばれる。
【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
【カトヴァーナ海賊軍】カトヴァーナ海軍の異名。戦闘中に敵の艦を奪いそれを自分の艦として運用し少しずつ彼我の戦力に差をつけていき勝つという戦法が得意なので海賊。御三家のひとつ、ユルグスがトップ。
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【カラ・カルム/亡霊部隊】どこぞの国の部隊。戦死してはいけない。
【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
【カンロン】ダンミエ・カンロン。エリーネフィン・ユルグスの副長。黄龍号の航海士。冷静な毒舌家。エリーネフィンのプレッシャーにも負けない飄々とした態度。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
【キオカ軍】イクタ《愚将に当たることはまずない。凡将と期待することさえ虫がいい。爆砲よりも正直、僕はそっちのほうが恐ろし���んだ。自分に全軍の指揮権がない状況ではなおさらに……》第五巻p.55
【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
【旭日連隊】バダ・サンクレイ率いる全域鎮台。要するに遊撃部隊で困ったことが起きたところに駆けつける。
【グイハン】旭日連隊少佐(バダ・サンクレイ存命の頃)。イクタの落とし穴に落とされることいくたび。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。普通の精霊よりも世慣れた、こなれた会話ができる。フリーの精霊だったときに行き倒れていたイクタを発見し孤児院に保護させた命の恩人でもある。
【クッチ】ラギエシー・クッチ。海佐。「暴竜号」艦長。
【クバルハ・シバ】→シバ
【グレーキ】キオカ海軍の兵のようだ。ケンカでハッラーに負けたことがあるようだ。
【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
【黄龍号】海軍第一艦隊旗艦。最大乗員は千四十人の巨大帆船。艦長はエリーネフィン・ユルグス海軍大将。
【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
【サザルーフ★】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。イクタたちにかつぎあげられ苦労している。
【サリハスラグ・レミオン】イクタにバカにされて根に持っている。小物すぎる。いつか獅子身中の虫になりそう。
【ザルルの飢餓城】レミオンのクーデター時、イグセム派が拠点にした。怪談話がたくさんある。
【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配に反発していたがパートナーの精霊を奪う施策により憎むようになった。
【シバ】クバルハ・シバ。カトヴァーナ軍少将。言葉少なくいかめしい。口癖は「くだらん」。かつてイクタの父バダ・サンクレイの「旭日連隊」で「日輪の双璧」と呼ばれた。もう一人は亡きハザーフ・リカン。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク★】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第��巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。《憎悪ですら愛しかったと、ヒメギミハ言う》第4巻p.183。人質としてキオカに滞在していたことがありその間になんらかの洗脳を受けていたようだ。
【ジャン・アルキネクス★】キオカの将校。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。常に冷静沈着で上から目線だがイクタに対するときだけはどうしても感情的になってしまう。
【ジャンと仲間たち】ジャン・アルキネクス、ミアラ・ギン、タズニヤド・ハッラー、ミタ。
【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
【スーヤ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。どうやら人類を援助するためのシステムらしい。ということは人工的なものかもしれない。
【戦争】イクタ《戦争ってのは往々にして失敗した外交の代償なんですからね》第二巻p.26。ヤトリの父《互いの弾が尽きて矢が尽きて、それからようやく言葉が交わされる。この順番は決して逆にならない》第七巻p.175
【センパ・サザルーフ】→サザルーフ
【想戦】イグセムのトレーニング法。単なるイメージトレーニングではなくほぼ実戦。仮想の敵をほぼ実在にまで練り上げ、ダメージを受けたら痛みまでリアルに感じ傷すら発生する。これによりイグセムは果てしなく実戦経験を増やしていくことができる。
【傍付精霊/そばつきせいれい】カトヴァーナ王の精霊。
【ソルヴェナレス・イグセム】カトヴァーナ帝国軍元帥。ただ「元帥」というときは此の人を指す。赤髪。ヤトリの父親。
【タムツークツク・サフィーダ】北域鎮台司令長官。
【ダンミエ・カンロン】→カンロン
【忠義の御三家】イグセム、レミオン、ユルグス。
【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【テイゼニ・ハマトイエ】子爵。エボドルク州勅任官。
【デインクーン・ハルグンスカ】→ハルグンスカ
【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。中立性を矜持としている。
【テルシンハ・レミオン】カトヴァーナ帝国軍大将。トルウェイの父親。思考の堂々巡りに陥りがちなのを副官のルシーカ・クルツクが元に���してくれる。
【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
【トァック】ユスクシラム・トァック。北域鎮台司令長官補佐。体調不良のようで顔色が悪い。実質的に鎮台の実務を全て切り盛りしている苦労人。
【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
【トリスナイ・イザンマ】カトヴァーナ帝国宰相。文官のトップ。宮廷に巣食う腐敗貴族の筆頭。イクタが「キツネ」と称した。皇帝に薬でも盛って無力化しているようでもある。帝国の実権を握りたがっているようだ。あるいは軍人に理不尽な命令をくだし楽しんでいるようだ。まっとうな軍人たちからはかなり嫌われている。キオカと通じている可能性すらあるのかも? 《イグセムを滅ぼしなさい。》第七巻p.97
【トルウェイ・レミオン★】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。《ぼくにだけ厳しくて、ぼくにだけ素っ気なくて、ぼくにだけいじわるで。――そんなイッくんが、ぼくはずっと大好きだよ》第七巻p.337
【ナナク・ダル★】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
【ニルヴァ・ギン】キオカ軍秘密工作部隊「カラ・カルム」隊長。亡霊部隊と呼ばれる。第二巻の最後の方に出てきた忍者のような手強いヤツだと思われる。ミアラの兄。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。モデルは日本かしら?
【ネジフ・ハルルム】キオカ軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
【馬鹿っぽいふるまい】ヤトリ《目の前のことにだけ一喜一憂してみせればいいんでしょう、要するに》第七巻p.277
【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
【バジン】アナライの弟子。疲れると変な顔になる。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。イクタの実の父。飄々としており真面目すぎるソルヴェナレス・イグセムやテルシンハ・レミオンの間を唯一取り持つことができた存在でもある。「旭日連隊」を指揮していた。その部下として「日輪の双璧」ハザーフ・リカンとクバルハ・シバがいた。《戦争ってのはね、軍師とか猛将とか天才とかがやるもんじゃなくて、みんなでやるもんなんだ》第七巻p.155。《全ての子供には、夢を見る権利があるんだ》第七巻p.205。
【発明】イクタによると《最低でも三つのものが必要不可欠だ。まず一つ目が、怠け心――何か辛い作業に行き当たった時、これをサボりたいなぁと思う自然な感情。続く二つ目が、問題意識――この作業の何がそんなに辛いんだろうと考える心。そして最後の三つ目が、前の二つを踏まえた上での想像力》第二巻p.106
【ハッラー】タズニヤド・ハッラー大尉。キオカの軍人。三十二歳。巨躯。性格もおおらか。指揮官と��ては優秀な部類。
【遥か南海の神酒】伝説の銘酒。カトヴァーナ海賊軍海兵垂涎の的。
【ハルグンスカ】デインクーン・ハルグンスカ。北域鎮台第一連隊第二十二胸甲騎兵小隊隊長。縦にも横にもデカく声もデカい二十六歳のおっさん。清々しいほどの脳筋。パートナーは水精霊のニキ。歓迎会でヤトリに決闘を挑んだ。
【ハローマ・ベッケル★】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。キオカのスパイの可能性がある。
【ハンナ】マシューの母、ミルトーグの妻。女傑。
【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
【ヒオレド鉱山】カトヴァーナとキオカの間にあり取ったり取られたりを繰り返している鉱山。爆砲など武器を作るために必要な鉄が採れる。長年の攻防戦の挙げ句、守りやすく攻めにくいものとなっている。
【ヒゴルム】カトヴァーナ海賊軍海佐。「槍魚号」艦長。
【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
【不敗の近い】中央集権が成立し秩序維持のため一配下になるため自らの剣を返上しようとしたイグセムに対し皇帝が思いとどませようとし、二刀が敗れるまではとの条件付きでそれを受けた故事。
【フルシラ】イクタによくしてくれた、ソローク孤児院の職員。《どうか気を付けてね、イクタ。武運なんて祈らない。あなたが自分自身と、あなたの大切なものを守りきれることを……私はずっと、それだけを祈ってるから》第4巻p.215
【暴竜号】カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦。艦長はラギエシー・クッチ海佐、副長はポルミニュエ・ユルグス。
【北域鎮台】シナーク族居住地がある山岳地帯に睨みを効かすカトヴァーナ最北端の軍事拠点。天然の防壁、大アラファトラ山脈に護られけっこうヒマしており、主要な役目はシナーク族を見張ること。
【ポルミニュエ・ユルグス】一等海尉。エリーネフィン・ユルグスの姪。ユルグス家の係累。カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦「暴竜号」副官。一見可愛いが、艦に乗るとほぼ女海賊。イクタは「ぽるみん」と呼ぶ。マシューと仲良くなる。
【マクテカ花街】エボドルク州の花街。帝国最大。
【マシュー・テトジリチ★】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317。父はミルトーグ、母はハンナ。
【マリバン・スサ】旭日連隊の炊飯長。通称「マリ婆」。基地で三番目に恐ろしい人物。
【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵���「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。優秀だが、兄のニルヴァ・ギンを倒したヤトリに対すると冷静ではいられなくなる。今のところミアラはヤトリに遠く及ばない。
【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。王族は水精霊の加護を受けているようだ。
【ミタ】キオカ軍曹長。ハッラーの部下。
【ミルトーグ・テトジリチ】マシューの父。シナーク族を管理する部隊のトップにイクタたちが推薦した帝国南西部のエボドルク州の連隊指揮官。息子同様ぽっちゃりしている。
【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
【メグ】ヌーダッカ・メグ。ヤトリの部下。
【メルーザ】ミナイ・メルーザ。カトヴァーナ帝国陸軍少佐。アラサーでイクタのどストライク。
【ヤトリシノ・イグセム★】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが…?
【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。ヤポニク人。今上がキオカから召し取りバダに賜った。黒髪ロングの気品ある美女。ちょっと天然入ってる。
【ユスクシラム・トァック】→トァック
【ユナクラ州】帝国東域の地。キオカに近いので住民が逃げ出し過疎化が進んでいた。そこに山を追われたシナーク族が入りトウモロコシの生産を始めた。
【ユルグス家】エリーネフィン・ユルグス、
【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
【ヨルンザフ・イグセム】名誉大将。イグセムの現トップであるソルヴェナレスの叔父。隻腕。騎馬隊を率い極めて好戦的。トルウェイとマシューを震え上がらた。
【ラギエシー・クッチ】→クッチ
【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。
【ラフシェンカ】旧帝都。
【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっていたが立場上撤退できず戦死するしかなかった。元旭日連隊で「日輪の双璧」と呼ばれた。双璧のもう一人はクバルハ・シバ。
【良心】《思えばそれは、戦場で守るのがいちばん難しいもののひとつだった。》第二巻p.215
【ルカーンティ・ハルグンスカ】カトヴァーナ帝国陸軍准尉。騎士道に満ち溢れた暑苦しい乙女。デインクーン・ハルグンスカの妹。水精霊のニキを受け継いだようだ。レミオンの反乱以降シャミーユを守護することになった。
【ルシーカ・クルツク】テルシンハ・レミオンの副官。「氷の女」の異称を持つ。
【レミオン陣営】テルシンハ・レミオン、サリハスラグ・レミオン、スシュラフ・レミオン、ルシーカ・クルツク。