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映画を先に見た。小説では何度か泣いた。解説にあるように、章が短くて、次々と展開するので、一気に読んだ。章の多くが印象的な台詞で終わり、琴線に触れる。自作「緑衣の女」も注文した。
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湿地特有のぬめりとした湿度とじっとり淀む空気感をまとった作品でした。
古典的なアイスランドの殺人だと思われたが、一つ一つ同僚に文句を言われながら紐解いていけば、浮かび上がるのは過去の卑怯な事件。
唯一の救いは主人公エーレンデュルの娘が薬物から手を洗おうという姿勢を見せた事かも知れない。そうとしか思えないほど犯人の過去は当人と家族に重い影を落とす。
あえて言うならアイスランド人の名前は女性か男性かの判断が出来ないと思った。上質なミステリーだったので他の北欧ミステリーも読み進めていきたい。
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海外ミステリーは、地名や人名が難しくてすんなりとは読めないが、これはまた難解でした。アイスランドのお話なので、聞きなれない名前ばかり。その上、何故こんなに「エ」がつく人が多いのか。主人公のエーレンデュルをはじめ、エリンボルク、エーリン、エイダール、エイナル、エヴァ、、、。というのが第一の感想。
ストーリーは、王道で途中から犯人は分かる。
ちょっとトントン拍子に捜査が進みすぎた感はあるが。
これは、ミステリーというより人間ドラマとして読んだ方のがいいのかしら。もし自分が母親がレイプされて出来た子供だったと知ったら。自分の存在自体が許せなくなるかも知れない。母親の葛藤は想像すらできない。
始終天気が悪いので、物語の雰囲気と相まって、ジメジメとした湿度を感じた。雨の日に読みたい。
ミステリーとしては普通。
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アーナルデュル・インドリダソンはアイスランドの作家で北欧ミステリを牽引する一人だ。エーレンデュル警部シリーズは15作品のうち4作品が翻訳されており、今のところ外れなし。ロシア文学同様、登場人物の名前に馴染みがなく覚えるのに難儀する。取り敢えず名前は声に出して読むことをお勧めしよう。
https://sessendo.blogspot.com/2019/08/blog-post_17.html
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差し込むような、あるいは叫びたいような、もしくはそれを抑えるような苦しさ。
当初、タイトルやイメージからテンポの遅い退屈な作品かもと覚悟していたけれど、そんな心配は無用だった。
捜査の狙いを探るのもおもしろかった。
この捜査はどこへ向かい何を求めているのか。
作中にもそんなセリフがあって、自分の鈍さのせいだけではなかったとほっとする。
どんどん知りたくなる。
なるほど、そうつながるのか。
他の作品も読みたくなって、さっそくほしいものリストに追加。
それにしても覚えにくい名前だな(笑)
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【あらすじ】
湿地帯にあるアパートで殺されたホルベルク。ホルベルクの部屋からウイドルの墓の写真を見つける。ウイドルはコルブルンの娘で、4歳の時に脳腫瘍で亡くなっている。
ホルベルクは昔、エットリデとグレータルの3人組でコルブルンをレイプした。現在エットリデは服役中、グレータルは失踪していた。レイプ事件とグレータルの失踪はルーナルという刑事が担当していた。
ウイドルの墓を掘り返すと脳がなく、脳は遺伝子研究所に保管されていた。
ホルベルクの自宅の床を剥がすとグレータルの白骨が見つかる。ルーナルはレイプ事件を隠蔽した。ルーナルに弱みを握られた3人は、汚れ仕事をすることになる。連絡係として選ばれたグレータルが増長し、他の2人に疎まれて殺害された。
ホルベルクはコルブルンの他にもう1人、オルンの母もレイプしていた。オルンは娘のコーラが遺伝子の病気で亡くなった原因を調査するために、遺伝子研究所に入社した。神経線維腫症は女性が発症する病気だった。
オルンの娘が亡くなった理由は、保因者であったホルベルクにあったと分かり、ホルベルクを殺害した。オルンはウイドルの遺体を墓に戻し、銃で自殺した。
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卑劣な男が起こした事件 親子を考えさせられる
「なぜ人間には目があるのか」
「泣くことができるように」
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アイスランドのローカル感あふれるミステリー。アイスランドは、アイルランドと間違えたりイメージなかったのですが、寒そうな空気感が新鮮だなと。ほのぼの感もあり。
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アイスランドを舞台にしたミステリー。
レイキャヴィクのアパートで男性の死体が奇妙なメッセージと一緒に発見される。被害者の過去を調べるうちに、彼がレイプ犯として訴えられた事があり、その被害者が妊娠して産んだ子どもは幼くして病で亡くなり、被害者の女性も自殺して亡くなっていた事がわかる。怨恨による殺人なのか?他のレイプ被害者による怨恨なのか?
操作をする中年の刑事は離婚して、麻薬中毒の娘がいるという設定なのだが、そのせいもあって、全編暗い。一方で『臓腑をえぐる真相」という宣伝文句だが、そこまですごい感じもしない。
面白いけど、平均点かなあ
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レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。
アイスランドのミステリを続けて読む。今まで読まなかったのがもったいないと強く思う。
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アイスランド発の警察小説。首都レイキャビックで起きた殺人事件。死体のそばに残された謎のメッセージからただの殺人事件ではないことを物語る。私生活に謎を抱えるベテラン捜査官が事件の解決に挑むが、そこにはいくつもの悲しい事実が隠されている。悲しい事件ゆえに全編を通して暗鬱な雰囲気が立ち込めていて、読んでいてなかなか重かった。正直もう少しメディアとの絡みが欲しかった。けどこの次も出てるみたいだからまたの機会に読んでみる。
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なんという傑作!アパートで老人が殴り殺された。強盗か、暴発的殺人か。現場に残された「オレはあいつ」というメッセージ。捜査を進めると老人は過去にレイプや脅迫を常習する下衆の悪党だった。レイプによって生まれ4歳で死んだ女の子の遺伝性疾患。その墓を掘り起こすも遺体には脳がない。老人宅に立ちこめる悪臭の謎。一方刑事のもとに別れた妻との間に生まれた娘が帰ってきた。結婚式の最中に消えた花嫁の行方を捜して欲しいと言って娘は失踪。彼女自身、ドラッグに溺れ売春でお腹に父親のわからない子供がいて借金取りに追われていた。ミステリ界が今最も注目するアイスランドの巨人インドリダソンの出世作。血族の復讐と親子再生の物語であり社会の暗部を描くサスペンスフルな警察小説であり、ラーソンの「ドラゴンタトゥーの女」のあの空気感だ。残酷な真相とやるせない結末、そして希望。
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行ったことはない北欧の様子がよく描かれている。天気の描写で日本海側の地域を連想した作品であった。
人の名前が聞き慣れないので新たな世界に入り込んだ気分になった。
また別の作品も読んでみようと思う。
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アイスランドを舞台にしたミステリー。
非常に渋く、興味深いミステリーだった。
本書を読む前は、アイスランドと聞いても首都が「レイキャビク」ということくらいしか知らなかったが、この本を読んで非常に興味をそそられる国であることが分かった。
人口は約35万人。国土は北海道と四国を足した程度の広さ。歴史的にノルウェーやデンマークの支配下に置かれていたが、1944年に共和国として独立。
世界でも数少ない「軍隊」を持たない国の一つである。
そんな小国でミステリーであるが、人間味あふれた物語で読み応えがあった。ミステリーというよりも
上質な人間ドラマ
として完成されている。
次は『緑衣の女』を読んでみたい。
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アイスランドは
北北西に曇りと往け
ヴィンランドサーガ
北欧神話(これは北欧だし、アイスランドと直接関係ないかも。)
くらいの知識でしか知らないけど、
曇り空の景色と広大な土地のイメージ。
エーレンデュルがどうしても、、と事件を追うと
過去も現在もじわじわと明らかになって苦しい話も、幸せな記憶もどれも染みが広がっていくみたいな気持ちになる。
読んでよかった。