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幕末時の長岡藩はじめ、他の東日本諸藩の混乱を感じることができた。見る面によって、何が正義で何が悪かは常に異なるが、歴史においては「時勢」がなにより勝るということを教えられる作品だった。
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侍、武士道。
いやー、幕末はおもしろい。
「いかに美しく生きるか」という倫理の結晶において、
人間の芸術品とまでいえる域に達する。
私にもできるか。
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ものごとの原理を知るために行動できる男こそ河井継之助という人物。この人物がどういう人生を走ってきたのか、紹介文を読んだときから、すぐに知りたい衝動に駆られ思わずこの本をとってしまった。それも、自身が仕事で何のためにするのか、という一点をまさに探していた姿と重なっていたからに他ならない。
幕末の時代に生きた継之助。他の藩士や明治時代に活躍した将軍と比較して歴史上有名かというとそんなことはない。むしろ知っている人があまりいないのではないか。なぜ、それほど有名にはならなかったのであろうか。
「日本中が京都か江戸かにわかれて戦争をしようというときに、あいつは長岡藩だけはどっちにも属せずに割拠しようと思っていたのだ。」武装独立をした上で、この信濃川沿いの7万4千石の地に継之助の考える理想国家をつくりあげようとしていた。
「きわどい夢というのは、日本中が大火事になっているときに、こんな小藩だけが自分勝手な国を作れるかどうか。そのきわどさに継之助は自分の夢をかけていたのだ。」(P.295)
そう、継之助は長岡藩をいかに強くするか、その一点だけを見つめて走り続けてきた男だったからだ。本文中では、一国の宰相になれる素質を持っていると言われた程。
私が継之助の最も尊敬しているところは、物事の本質(原理)を出発点として様々なことに思考を巡らせることと「書物に知識をもとめるのではなく、判断力を砥ぎ、行動のエネルギーをそこに求めようとしている」ところ。
どちらも、百数十年経過している現代に通じていると言える。むしろ、時間が経過しようが将来に渡り人々が大事だと痛感しなければならない要素である。
個人的には、常に外の世界から自藩の動き・考え方を見つめようとするところ、女遊びに明け暮れながらもなんだかんだ自分の奥さん(おすが)の純粋な心持ちを最も尊敬しているところも魅力的な箇所だと思っている。
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・8/20 読了.最後はそういう結果になるとは意外だった.下巻はやっぱりあっという間に終わってしまったが、どうしてこうも司馬遼太郎の本はクライマックスに向けて読み方が加速してしまうのだろう.
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2010/1/23読了 峠 (上)(中)(下) 司馬遼太郎 河合継之助 北越戦争 サムライとは 人間の芸術品
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幕末期に完成した武士という人間像は、日本人がうみだした、多少奇形であるにしてもその結晶の見事さにおいて人間の芸術品とまでいえるように思える。
あとがきでこう書いてますが、間違いなく裏ベスト。
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2回目か3回目の読了。
物語前半は痛快だが、最期は哀しい。
陽明学徒として行動規範は動くこと。江戸時代最期の武士として、美しいほど自分を律する姿勢は真似したい。
ただ、その美しさを貫いた(過ぎた?)ために長岡藩の民が犠牲になったともいえる。
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ガトリング砲が2門もあったという、
長岡藩の異常な火力。
でも、結果がどうなるのか。
藩主の亡命計画の内容にも驚いた。
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継之助、賛否両論あるだろうが、私は好きな人物である。逝去の日は、8/16で今日は8/15だ。少し驚きがあり、何か深い興味をもつ。
もっと、うまいやり方があったのではないかと思うが、携帯電話やインターネットがない時代。簡単には相手と連絡が取ることができない。継之助の思想と官軍のタイミング残念としか言いようがない。もし、負傷せずに生きてくれていたら、日本の動きも変えれたかもしれないその様に思うことが出来る人物だった。何度も読み返して、この人の思想を読み解き、自分自身を成長させる一助にしたい。
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長岡藩が富国強兵、一藩独立を唱えても業火と化した時勢は中立を貫くという立場を取ることは許されなかった。緊迫した状況下でどちらにもつかずという選択肢は難しいだろう。「いかに美しく生きるか」というサムライを河井継之助を通して描かれていたが、結果的に北越戦争により多くの犠牲を被り悲劇を招いてしまったことを考えると疑問を持たざるをえない。日本国内でこれ程の戦争があったのかと思う程に描写が凄まじい。理想を追い求める為にひたすらに行動を起こし、自分の考えをしっかり持っていて信念を貫き通す生き方に魅力を持った。
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西郷・大久保や勝海舟らのような大衆の英雄の蔭にあって、一般にはあまり知られていない幕末の英傑河井継乃助。
維新史上最も壮烈な北越戦争に散った最後の武士の生涯を描く長編小説。
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【45/150】いやあ、よくこの河合継之助という人を主人公に小説を書くよなー。ほんまになんともコメントのしようがない物語であった。
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河井継之助。この本を読むまで知らなかった。北越戦争の敗者、長岡藩の執政。敗れるとわかっていても、自分の思いを遂げるために命をかけて、思いのままに生き、死をも恐れず。その生き様こそが陽明学。生まれる場所が違えば英傑と言われる人にでもなっていた人物。
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美と義に生きた河井継之助の生き方は武士らしく見事。
だけど長岡藩が辿ったこの結末を誰よりも望んでいなかったのも、
また河井継之助だったと思う。
この本の最後の方で、とても印象的な場面がありました。
長岡城下が戦火で焼かれたとき、逃げ惑う民衆に向かって、
継之助はひとり馬を駆けながら、
「気の毒であった」
と大声で詫びてまわったそうです。
「しかし御家はみなを捨てぬぞ。
食い物がなくなれば、本陣へ来よ。
たとえ兵糧に事欠いても、
一粒の米を二つに砕き、三つに砕いても食わせるぞ。
継之助が請け負うぞ」
とわめいてまわった。
まるで鋼鉄のように強く厳しい男の、
本当の思想を感じることができました。
素晴らしい本を感謝です。
そして次はまた司馬遼太郎さんの、
「関ヶ原」を読もうと思います。
ますます司馬遼太郎熱が再燃してきました^^
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歴史上の人物「河井継之助」を題材にした小説。私が最も尊敬する人物です。幕末は薩長に隠れがちですが、発掘していただいた司馬遼太郎氏に感謝!です。