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長岡藩が富国強兵、一藩独立を唱えても業火と化した時勢は中立を貫くという立場を取ることは許されなかった。緊迫した状況下でどちらにもつかずという選択肢は難しいだろう。「いかに美しく生きるか」というサムライを河井継之助を通して描かれていたが、結果的に北越戦争により多くの犠牲を被り悲劇を招いてしまったことを考えると疑問を持たざるをえない。日本国内でこれ程の戦争があったのかと思う程に描写が凄まじい。理想を追い求める為にひたすらに行動を起こし、自分の考えをしっかり持っていて信念を貫き通す生き方に魅力を持った。
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西郷・大久保や勝海舟らのような大衆の英雄の蔭にあって、一般にはあまり知られていない幕末の英傑河井継乃助。
維新史上最も壮烈な北越戦争に散った最後の武士の生涯を描く長編小説。
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【45/150】いやあ、よくこの河合継之助という人を主人公に小説を書くよなー。ほんまになんともコメントのしようがない物語であった。
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河井継之助。この本を読むまで知らなかった。北越戦争の敗者、長岡藩の執政。敗れるとわかっていても、自分の思いを遂げるために命をかけて、思いのままに生き、死をも恐れず。その生き様こそが陽明学。生まれる場所が違えば英傑と言われる人にでもなっていた人物。
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美と義に生きた河井継之助の生き方は武士らしく見事。
だけど長岡藩が辿ったこの結末を誰よりも望んでいなかったのも、
また河井継之助だったと思う。
この本の最後の方で、とても印象的な場面がありました。
長岡城下が戦火で焼かれたとき、逃げ惑う民衆に向かって、
継之助はひとり馬を駆けながら、
「気の毒であった」
と大声で詫びてまわったそうです。
「しかし御家はみなを捨てぬぞ。
食い物がなくなれば、本陣へ来よ。
たとえ兵糧に事欠いても、
一粒の米を二つに砕き、三つに砕いても食わせるぞ。
継之助が請け負うぞ」
とわめいてまわった。
まるで鋼鉄のように強く厳しい男の、
本当の思想を感じることができました。
素晴らしい本を感謝です。
そして次はまた司馬遼太郎さんの、
「関ヶ原」を読もうと思います。
ますます司馬遼太郎熱が再燃してきました^^
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歴史上の人物「河井継之助」を題材にした小説。私が最も尊敬する人物です。幕末は薩長に隠れがちですが、発掘していただいた司馬遼太郎氏に感謝!です。
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自分が正しいと思う道を突き進んだが、継之助がやったことは正しかったのか。誰の立場で考えて正しかったのか。藩公か、町民か、考えさせられた。
解説で官軍に従っていれば、過酷な戦いに巻き込まれなかったと継之助を憎む声もあると知った。
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とある会社の先輩の影響で久しぶりに読み直してみた。
やっぱりいい小説だなぁ。
河合継之助は全然メジャーな人じゃないけど、
上杉謙信と並んで郷土新潟の誇りだと思う。
新潟人は「義」にアツいな。
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教科書に書かれるような「歴史」ではほとんどスポットを当ててもらえない人物が、山ほどいる。
彼もその一人。
本当に彼が『最後』の侍だったかはわからなくても、侍が滅びようとしていくことを確かに感じながら敢えて侍として生きたかったという彼の気持ちは、切ないけど美しい。
徳川幕府の300年間を否定的に論じる声も多いけど、私は戦国期を経てたどり着いたこの時代を肯定したくてたまらない。
「武士」とか「侍」とかいう日本独特の、奇跡のようなこの概念が理屈抜きに美しく感じられるから。
この300年がなかったら、後世の日本人が「侍」という言葉をよりどころにできなかったら、日本なんてとっくに滅びていたかもしれないとさえ思う。
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長岡藩が北越戦争で奮闘し、そして敗れ去る物語。能力が高いはずの河井継之助が結果として負傷から死んでいく。何に価値を置いて生きるかにより、人生の全うの仕方も違うし、後世の受け止め方も違う。
言えることは、他人の視線、後世の評価を気にせず、自分の信じる道を生きよ、ということか。
戊辰戦争の一局面を切り取って、一物語に仕上げた司馬遼太郎の手腕はさすが。
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河井継之助はこの本を読むまで全く知らなかった。
司馬遼太郎の著書は歴史を小説にしているところに面白さがある。
事実は小説とは必ずしも同じでは無いとは思うけど。
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本作『峠』はリーダー論である。幕末という時代が急速に動いている時期において、一小藩の家老として、藩がどうあるべきか、どう行動すべきかを徹底的に考えた上、それを自ら実践し、また、藩内の武士、町人及び農民に実践せしめた人間を描いた、リーダー論である。先の見えない時代に生きる今の日本にあって必要なのは、河井のように、日本はかくあるべしというビジョンを示すリーダーである。
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河井は己の志を達せずに敗れ生涯を終える。
「継之助は・・・」「悲しかっただろうよ・・・」
と長岡の古老は筆者である司馬氏に語ったという。
当時、薩長は勝利の勢いに乗り、徳川家や会津藩を徹底的に潰しにかかっていた。そのやりようは汚く、卑劣なものが多かった。
河井は正義を貫き結果とした敗れ去った。
大人しく強いもの(薩長)に従っていれば、生涯を全うできたはず。それだけでなく河井の頭脳を持ってすれば新政府での栄達も可能だったはず。
それをせずに、敢えて藩をあげて滅亡のリスクを負った行動に出た。
自らの信念を貫き死ぬか・・・
大勢に妥協し生き延びるか・・・
河井継之助の生涯は非常に重いテーマを私たちに投げかけていると言える。
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多分15年位前にナベから勧められて読んで、自分の趣味が読書になってしまった運命の一冊。
何故か毎年夏に読みたくなり、何度と無く読み返しています。
下巻の後半。。切なすぎて読むのが怖いっす。。
キャプテン、元気ですか?
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他の作品に比べると、長岡藩(新潟中越地方)の継之助というあまり知られていない人物が主人公のせいか、そのキャラクタに問題があるためか入り込めない。しかしながら文章の表現は読んでいて楽しく、内容も多くの示唆に富む。面白く心に残った場面としてこのようなことがあった。主人公と同じ職場で意見が合わず、敵対している学者が火事になった時に主人公が必要なものを新調して融和を図りに学者のところに行く。その学者はとても感謝し、感謝しているがお返しができないのでせめて主人公の誤った考えを指摘してこれを恩返しとしたいと言い、主人公の痛いところを一層つくように批判を並べた。主人公は不愉快になりながらも、少しの卑しさを見せずこういった態度をとれる人物は偉いと感動する。なるほど、強い男だと思い、かっこいいと思う。