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(2015/8/27読了)
題材がデリケートで難しく、追討ちをかけるように負の方向へ流れて行く。この本のなにを、どの部分を評価するかが難しい。
物語の建て方としては、あえて順序や語り部を変えることで、物語に引き込まれて行くけど、最初の幼稚園での事故の必要性と、ひかりの転落についてが長すぎなことに反して、ラストに短いハッピーエンドを持ってきたことに疑問を感じてしまいました。
(内容)
「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長篇。
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養子を貰った夫婦と、養子にあげた女の子の物語。
後者の「ひかり」の運の悪さというか、愚かさというか、軽さというか、読んでてハラハラした。
ひとつ歯車が狂うと、全部狂ってく。
1人で生きてきて、全部悪い方に転がってって。
反抗期のまま出産してそのまま大人になってって。
意外とこういう人は多いのかなと思ったり。
最後は胸が切なくなった。
「ひかり」が前者の奥さん「佐都子」に出会ったことで生まれ変わってくれたらいいな、と。
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佐都子と同じ年代だけど、佐都子にはどうしても感情移入出来ない。子供を欲しいと思った事が一度もないから、里親制度を使ってでも子供が欲しい気持ちがどうしても分らない。
でもひかりにはものすごく感情移入した。親への気持ちが痛いほどよく分かる。
そんな私は人間として幼稚でダメダメなんだな、と再確認。
そういう自分の醜さを突きつけられる辻村深月の本がほんと好きだわ。
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あまりの内容に泣きながら一気読み。
こんなに泣きまくった本は久しぶり。
特別養子縁組の話やけど、これは子供を想う親の話だよね。
子供を想う、そこに血のつながりの有無は関係ない。とにかく我が子を大切にしたい人達の物語。
ほんま、辻村さんの家族テーマ系はすごい。その中でもこれはピカイチやなぁ。
初めて辻村さんの本を読んだ時以上の衝撃。
とにかく読んでください。
子供がいる人、子供が欲しい人、子供だった人。すべての人へ。
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親子、生みの親、育ての親、血の繋がり、他人、人の繋がり。
不妊治療、養子縁組、中学生の妊娠、転落人生…
きっと明るい朝が来る
そんな終わり方。
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佐都子は、夫清和と息子の朝斗とともに穏やかで裕福に暮らしていた。幼稚園のお友達とのトラブルもありつつも、幸せな毎日だった。そこに一本の電話が鳴る。それはここ数日続いていた無言電話で、ついに相手が喋った。「わたしの息子を返してください」、と。
不妊治療、特別養子縁組制度、望まれなかった子供。不妊治療について辛いことらしいというのは聞いていたけど、改めて知ると本当に辛い治療なんだな。それにしても清和が本当に良い夫で羨ましい。理想的な夫婦。理想的な家族。だからこそひかりの転落がつらい。運が無さ過ぎる。ラストでひかりにも朝が来てほっとした。
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2015.06.26 読了
辻村深月さんの新刊。
いつもどうしてこんなに当事者の気持ちが分かるのかと感心してしまう。ラストはうるっときてしまった。
最後綺麗に終わりすぎた気もしたけど、やっぱり救いはないといけない。
特別養子縁組に関して知識がなかったので、こういう人達もいるんだなと思った。子供が親を探す、そんな制度も必要。もっと認知されるためにもこの本はとてもいいと思う。
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特別養子縁組を受け入れる夫婦と、子供を養子に出す家族。
事情があって出産できない夫婦と、生んでも事情があって育てられない母。
この二つの事情が、子供に特別な影響を及ぼさず、子供がすくすくと育って行くことを願う。
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一気読み。
子どもを産むということ、親になるということ、育てるということについて考えさせられる。一人の主婦と、一人の少女が主人公の小説だが(前後半で視点が変わる)、二人とも、我が子を愛おしく思う母親であることに、何よりも救われた。
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不妊と、特別養子縁組と、言葉では聞いたことがあってもイメージ出来ていなかった世界。
それがものすごく色を持ってやってくる。
栗原夫妻の息子への想い、公平感。
ひかりへの想い、公平感。
同じ言葉でも、最初と最後でこんなに幅を感じる。
読み終わって、色んな感情が渦巻いていて、とにかく凄く良い本でした。
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特別養子縁組や未成年出産など複雑な話となりつつも、これほどまでに心情がわかるものかと、書けるものかと。
改めて辻村深月さんの心と筆力に脱帽。
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特別養子縁組や中学生の妊娠、その後など。
辻村さん自身もお母さんになり、以前より毒が抜けたようなサッパリとした作品だったと思う。
綺麗にまとまり少し物足りない印象。
好きだけど。
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何度も目頭が熱くなるのをおさえながら読了。子供を授かりたくてもできない側と産んでも育てられない事情がある側、どちらも共感した。今の辻村さんだからこそ書けた作品なのではないだろうか。暗闇から抜け出せたと感じた「朝が来る」というタイトルのつけかたもさすがです。先が気になって一気読みでした。ラストは爽やかで救われました。
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高層マンションのママ友問題の話かと思ったらもっともっと話は深かった。テーマは不妊と望まない妊娠、そして養子縁組。
どこか遠い話に思えてしまうけど、どこかでリアルに起こってる話なのかもしれない。
ひかりを救う手立てはなかったのかと思ってしまう。彼女の親は未熟なひかりと真正面から向き合うべきだった。子どもが思い通りにならないことがいつかはやってくる。それにちゃんと向き合えなかった両親に嫌悪感を感じてしまった。子どもはお人形じゃないのに。間違っても、育て方間違えたとか言ってはいけないよね。
生まれてくる子どもに罪はない、それだけ。
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近所付き合いでありがちな問題を抱えつつも穏やかに暮らす栗原佐登子と夫清和そして6歳の朝斗の一家。
そこに若い女性から電話が来る。その女性は朝斗の母親だと名乗った。
4つの章から構成される本書は、1章の終わりで初めて物語の根幹が提示されるが2章では夫婦の過去の物語へ、3章では母と名乗った娘の話へと遡って先が気になる身にはもどかしくてならない。
着地点の見えない物語は最後4ページで一気に結末へと雪崩れ込む。
あぁぁぁ、その先が読みたい!