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特別養子縁組という題材は面白かったが、二人の主人公を軸に展開される物語の結末が、やや中途半端。
著者が何を伝えたかったのかがよくわからず、色々と煮え切らなさが残る作品。
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子供のできない夫婦が養子を迎え家族になろうと、子供信じ理想的な家庭を築こうとしていた。そこに現れた産みの親は中学生で出産、親に信じてもらえず、親の考えを押し付けられる。子供というだけで親の考えを押し付けてしまう、自分にもちょっと思い当たるとこもあり、血がつながっていても人と人は相手を尊重して家族をつくらなくてはいけないと思った。
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嫉妬深い隣人の話や、身勝手な男達の話とか、自分が望む姿を押し付けてくる迷惑な家族・親戚の話など、読んでいて陰鬱な気分になるエピソードが多すぎて、正直辛い気持ちになってしまいました。
特にひかりがトモカに勝手に保証人にされてしまう話。自分のせいじゃないのに、この子はなんでこんな目に遭わないといけないんだろう。そして、現実にもこういうことがまかり通っているんだろうなぁと思うと、この世に絶望しそうなほど気が沈んでしまいます。
どうしようも無いほどどん底な気分になりましたが、最後の最後でようやく小さな「ひかり」が見られ、ほんのちょっぴり希望が見られる終幕に少しだけ安心できました。
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読んだら気が重くなるだろうと思いつつ読んだらやはり重かった。
人の人生が崩れていく様を見ているのはものすごくしんどかった。
そんなにあっという間に崩れていってしまうものなのか?と思う私はたぶんとても恵まれた側にいたからなのかもしれないと思う。
苦しい中で最後にほんの少しだけ希望を感じられるのが救いだった。
ひかりが幸せになっていってくれることを願う。
家族ってなんなんだろうか。
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不妊治療の末に養子をもらった夫婦と、望まない妊娠をした女性の物語。子どもを授かれないのがどんなにつらいことなのかが、リアルに胸に迫る。子どもを手放した女の子の方は、家族に対して息が詰まる感覚が共感できた。
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ノンフィクションではないかと思うような、きっと似たような境遇を持つ人がいるんだろうなと思うような話でした。
子どもを産み、育てるために佐都子とひかりがそれぞれ歩んだ重く、苦しい時間。読んでいて私もとても苦しく感じました。
最後は、すっきりとしたラストで救われました。
これから佐都子とひかりが幸せになってくれたらいいな、と思いました。
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子供を産んだけど育てられない母親と、特別養子縁組でようやく子供を授かった母親。両者のサイドから物語はつづられていく。文章は淡々と語られており、分かりやすく、この作者さんは学園物のイメージが強いだけに意外だった。
ただ、「子供を返してください」のキーワードに自分が勝手に振り回されて、ミリテリーだと思っていたので、終わり方はちょっと微妙・・・
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(2015/8/27読了)
題材がデリケートで難しく、追討ちをかけるように負の方向へ流れて行く。この本のなにを、どの部分を評価するかが難しい。
物語の建て方としては、あえて順序や語り部を変えることで、物語に引き込まれて行くけど、最初の幼稚園での事故の必要性と、ひかりの転落についてが長すぎなことに反して、ラストに短いハッピーエンドを持ってきたことに疑問を感じてしまいました。
(内容)
「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長篇。
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養子を貰った夫婦と、養子にあげた女の子の物語。
後者の「ひかり」の運の悪さというか、愚かさというか、軽さというか、読んでてハラハラした。
ひとつ歯車が狂うと、全部狂ってく。
1人で生きてきて、全部悪い方に転がってって。
反抗期のまま出産してそのまま大人になってって。
意外とこういう人は多いのかなと思ったり。
最後は胸が切なくなった。
「ひかり」が前者の奥さん「佐都子」に出会ったことで生まれ変わってくれたらいいな、と。
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佐都子と同じ年代だけど、佐都子にはどうしても感情移入出来ない。子供を欲しいと思った事が一度もないから、里親制度を使ってでも子供が欲しい気持ちがどうしても分らない。
でもひかりにはものすごく感情移入した。親への気持ちが痛いほどよく分かる。
そんな私は人間として幼稚でダメダメなんだな、と再確認。
そういう自分の醜さを突きつけられる辻村深月の本がほんと好きだわ。
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あまりの内容に泣きながら一気読み。
こんなに泣きまくった本は久しぶり。
特別養子縁組の話やけど、これは子供を想う親の話だよね。
子供を想う、そこに血のつながりの有無は関係ない。とにかく我が子を大切にしたい人達の物語。
ほんま、辻村さんの家族テーマ系はすごい。その中でもこれはピカイチやなぁ。
初めて辻村さんの本を読んだ時以上の衝撃。
とにかく読んでください。
子供がいる人、子供が欲しい人、子供だった人。すべての人へ。
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親子、生みの親、育ての親、血の繋がり、他人、人の繋がり。
不妊治療、養子縁組、中学生の妊娠、転落人生…
きっと明るい朝が来る
そんな終わり方。
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佐都子は、夫清和と息子の朝斗とともに穏やかで裕福に暮らしていた。幼稚園のお友達とのトラブルもありつつも、幸せな毎日だった。そこに一本の電話が鳴る。それはここ数日続いていた無言電話で、ついに相手が喋った。「わたしの息子を返してください」、と。
不妊治療、特別養子縁組制度、望まれなかった子供。不妊治療について辛いことらしいというのは聞いていたけど、改めて知ると本当に辛い治療なんだな。それにしても清和が本当に良い夫で羨ましい。理想的な夫婦。理想的な家族。だからこそひかりの転落がつらい。運が無さ過ぎる。ラストでひかりにも朝が来てほっとした。
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2015.06.26 読了
辻村深月さんの新刊。
いつもどうしてこんなに当事者の気持ちが分かるのかと感心してしまう。ラストはうるっときてしまった。
最後綺麗に終わりすぎた気もしたけど、やっぱり救いはないといけない。
特別養子縁組に関して知識がなかったので、こういう人達もいるんだなと思った。子供が親を探す、そんな制度も必要。もっと認知されるためにもこの本はとてもいいと思う。
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特別養子縁組を受け入れる夫婦と、子供を養子に出す家族。
事情があって出産できない夫婦と、生んでも事情があって育てられない母。
この二つの事情が、子供に特別な影響を及ぼさず、子供がすくすくと育って行くことを願う。