紙の本
コミュ力信仰に翻弄される若者たち
2015/11/28 07:15
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題の「薄っぺらいのに自信満々な人たち」は第1章で終わり。
内容的には「コミュニケーション能力」という得体のしれない言葉に翻弄されている現代人の分析の章の方が多い。
SNSや検索機能に翻弄される現代人の姿をよく分析していると思う。
紙の本
承認欲求と見捨てられ不安
2015/07/05 21:24
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
榎本氏著の『「過剰反応」社会の悪夢』を最近読んで面白かったので、本書も読んでみました。榎本氏の深い洞察力による鋭い指摘には、前著で感心しましたが、本書でも健在です。ところどころ自分にも心当たりがあったりして、耳が痛い本でした。
本書は、「つながる力より、一人でいられる力の方が、今強く求められるのではないかということ。そして「できる人」ほど不安が強いということ。本書では、この2つの視点から、仕事力を高めるということについて、少し掘り下げてみたい(6ページ)」という内容に仕上がっています。具体的には、「自信満々な人」の行動や心理を深く掘り下げ、スマホやSNSで広がる世界の問題点や、薄っぺらい人とできる人との違いを浮き彫りにしています。
本書には、いくつかの「キーワード」がありますが、最大のキーワードは「承認欲求」です。そして、その裏腹の心理として、「嫌われたくない心理」「評価不安」「見捨てられ不安」等が挙げられています。
また耳が痛くなるような話がたくさん出てきました。例えば、「能力の低い人ほど自分の能力を著しく過大評価しており、逆に能力のとくに高い人は自分の能力を過小評価する傾向がある(40ページ)」、「仕事のできない人は、物事を深く考えないから不安にならない(46ページ)」、「できる人は上方比較、できない人は下方比較(83ページ)」、「他人に振り回される人は、過剰な承認欲求を持っている(105ページ)」等々。「仕事の進捗確認で余計な説明をする部下は評価不安が強い(133ページ)」とのことです。私自身も余計な説明を加えがちですので、注意しなければと思いました。
それにしても、我々はSNS等の簡単に承認欲求を得られる手段を手に入れたため、深く考える習慣のない薄っぺらい人が今後増殖していくのでしょうか。
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承認欲求, 孤立恐怖, コミュ力
2016/02/11 19:45
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の構成は、
・はじめに 一流の人ほど不安が強い
・第1章 能力のわりに、自信満々な人
・第2章 「意識が高い系」は、なぜ、仕事が今ひとつなのか
・第3章 なぜあの人は部下に注意しないのか
・第4章 同類と群れる人の限界
・第5章 コミュ力信仰に翻弄される若者たち
・第6章 本物は一人でいることを怖れない
となっています。
軽い気持ちで手にとってみましたが、腑に落ちるところが多く、参考になりました。
不安にかられる人と、そうではなく常に自信満々な人の考え方の違いなど、わかりやすく解説されています。
後半は、コミュニケーション力やSNSをめぐる問題を取り上げています。
少し前から違和感を感じていた言葉の一つに「大親友」があります。ただの「親友」でいいのではないかと。しかし、「友達」あるいは「付き合い」の定義が変わってきているのかと思います。SNSでの「友達」は、昔であれば「知り合い」くらいのニュアンスではないでしょうか。そのために、言葉をワンランクアップして「大親友」にする必要があるのかなと。
そのほか195ページの、1986年の入社式と2010年の入社式の写真の違いの話などもおもしろく読みました。
「タイトルに興味を持たれた方」に対して、その着眼すべきところや問題の本質を捉え、コンパクトにまとめた良書だと思います。
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自分が平均以上だと思っている人が7割以上。当然、数学的にありえない。
認知的複雑性の話や、そもそそもコミュニケーション力ってなんなのよから、SNSやスマホが手放せないのってコミュ力じゃないよね、という論を展開する。
実に判りやすい。
人の価値観の均質化、深く思考することなく、場と空気と他者の目が最重要される状況は問題がある。
あれ?
後半だけ言葉にすると、ものすごい、日本っぽい?
本質的な違いはある気がするけども。
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これ、自分やん。と思わず手に取った一冊。実際に読みながら笑ってしまうくらい自分に当てはまっていた。そういう人間に見られるのは嫌なので、意識しよう。
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決めつけてる感のある文章だなという印象を持ちました。
でも内容は、なんとなく私の中でモヤモヤしている事を言葉にしてくれていると感じました。
思い当たることもチラホラあったりして…
気をつけなければ…
何かを決める時は、なぜそういう事をするのかという説明責任を意識する事。
上方比較を意識する事。
今後この2つは気をつけて意識していこうと思います。
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なぜ「意識高い系」の人ほど、たいして仕事ができないのか?
承認欲求に振り回される「あの人」の構造を心理学見地から徹底分析――
どんなときも前向き、「完璧です!」と断言、会社の同期や同級生といつも一緒、Facebookで積極的に人格形成……こんなポジティブ志向の人間ほど、実際は「力不足」と評されやすい?
SNSの普及で肥大化する承認欲求と評価不安を軸に、現代人の心理構造をひもとく。
※以下、内容より抜粋
●能力の低い人ほど自分を過大評価しやすい
●ポジティブすぎる人の危険性
●なぜあの人は同じミスを繰り返すのか
●仕事ができる人と「仕事ができる風」な人の本質的な違い
●部下に甘い上司ほど自分のことしか考えていない
●なぜテスト前に「全然勉強してない」をアピールするのか
●仲間とつねに群れたがる人ほど、ストレス耐性が低い……
もともと人間は、自分の能力を過信してしまう生き物だという。それも、その傾向は能力が低い人ほど、顕著に現れるらしい。
能力の低い人は、ただ何かをする能力が低いというだけでなく、自分の能力の程度を把握する能力も低い。このため、仕事のできない人ほど自分の仕事に自信を持っているようにみえるという不思議な現象が起きてしまうのだ。
物事を理解する能力の低さが自己認知も妨げるため、自分の能力が低いという事実にも気づかないのだろう。これは、「意識高い系(笑)」にも同様にいえる。
「意識高い(笑)」人々は周囲からどう見られているかを気にしながらも、自分が人からどう見られているかには鈍感である。
よく見られたいという思いが強過ぎてかえって、みっともない姿をさらしてしまう。自分の言動が適切だったかどうかを自身で判断する「セルフ・モニタリング」が働いていない。
今はSNSを使って安易に発信をしやすい環境であるため、「セルフ・モニタリング」できていない彼らの行動は、過剰な承認欲求に振り回されていて周りの失笑を招く。
榎本氏によれば、“できる”人ほど、悲観的であり、“できない”人ほど楽観的である傾向にある。これは、“できる”人ほど、あらゆる可能性を想定しているためだ。いろんなケースを頭の中でシミュレーションし、最悪の事態まで想定するから、“できる”人は不安にかられる。
一方で、楽観的な思考の人はそれができない。さらに、“できる”人は自分より上の能力の人と自分を比べる「上方比較」をし、自分もそこに到達できるように努力するが、“できない”人は下の能力の人と比べて見下す「下方比較」をして安心しまう。
このため、彼らの能力にどんどん差が生まれていく。人は劣等感を受け入れることによって成長していくといっても過言ではないのに、能力のないものは劣等感すら持っていないのだ。
では、能力がない自信満々な人と仕事をすることになった場合、一体どうすれば良いのだろうか。ダニングとクルーガーは自信過剰な人の認知能力を鍛えるトレーニングをさせる実験も行っている。
認知能力が向上すると、成績下位グルーブの過大評価傾向��弱まり、底辺グループのひとたちの著しい過大評価傾向は改善されることになった。つまり、能力を高めるようにトレーニングさせれば、自然と自分の能力の低さに気づくことになるようだ。
自分の実力をあまりに過信することで致命的なミスを繰り返す者には、鍛練あるのみ。自分の能力を高めるほど、自信を失っていくとは何という皮肉だろう。果たしてそれが幸せなことなのか不幸なことなのかは議論が分かれるところだが、表面的な「意識が高い(笑)」行動をやめさせ、仕事に真剣に取り組ませるより仕方ないようだ。
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自戒も込めて手に取ったが、なるほど身近に結構いる感じの人種が見事に描かれて可笑しかった。前半のポジティブ思考を否定するあたりは興味深い。熟考したり継続して自分のモノにした知識や意見は信用できるし、自分も常にそうありたい。
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反面教師として、こういう人にならないように心がけたいものです。一人で自分と向き合う大切さは共感できた!
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不安を抱かず謎に自信満々な人、意識高い系、人の目を気にして注意できない評価不安な大人、群れる人とSNS、コミュ力信仰など、今の日本人と日本社会について書かれた本。納得させられる。
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認知的複雑性:多面的にみることができるか?
一面的説得法と両面的説得法は使い分ける
京セラ稲盛氏
楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
ポジティブ思考とネガティブ思考を切り替えるか、人材をうまく配置すること
できるアピールのつもりが痛い人アピールになってしまう皮肉
できる人は上方比較、できない人は下方比較
嫌われることを恐れて崩壊する上司アイデンティティと親アイデンティティ
仕事の進捗確認で余計な説明をする部下は評価不安がつよい
物事を複眼的にみることが、視野を広げ、自分の世界を豊かにしていくことができる
できる人間は、人からの評価でなく、自分なりに納得のいく評価基準をもとにがんばる
業績目標より、学習目標をもつ。学習目標をもつと、上司や環境に振り回されない。
親に反抗することで自分ができてくる。反抗できなかった人は自信がなく依存的になり、魅力的でない。
創造的な仕事をするひとは孤独な時間をもっている。人と一緒にいるときは、意見をもらい、別の視点でチェックできるが、発想を練ることはできない。今、求められているのは、まさに、一人でいられる力だ。
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んー。いるよ、いるよね、そーゆー人。
なるほど、そーゆー風だから、そーなってるのね。
…でも、その人達にどう接すればいいのかわからない。そこらへんのヒントが欲しかった!
自分で考えろってことかぁ。
とりあえず、自分にも当てはまる部分がありそうなので気をつけようと思う。
あと、甘えとはどういうことか、具体的に分かったのは収穫。
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びっくり。
この人たち知ってる!!
あれ?これ私が書いたのかな?
って思うくらい、身近にこういう人たちいる!って大きく頷く。
だけど、私自身もこうなってはいまいか、自分自身を見つめ直す。
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正直自分がそうなってるところがあるかもとビクビクしながら読み始めたんだけど、自分はまだまだ中途半端と思っているので、伸びしろがあるってことでいいかなwでももっと自分に踏み込んでいかないといけないかも。掘り下げがまだまだ足りない。
心がタフではないので普段は上方比較なんだけど、落ち込んできた時は下方比較しちゃってる(^◇^;)それに慣れ過ぎないように注意しないとすぐだらけるから大変w
買い物するときにヒューリスティック思考になりがちなので改善したい。めんどくなって放棄してしまうんだよなぁ。もっとちゃんと考えよう。
就活のうえで私がよく考えていたことも書かれていた。元々自己主張できる人は微妙と思ってた人間なのでだいたいは同意。だが、そこまで白黒はっきりできるわけでもないとも思っていて、海外で生活してた人とか、自分はできると言い聞かせて自分を奮い立たせる類の人もいるから自己主張する人でも有能な人もいると思う。
それでもやっぱり日本人のステレオタイプの性質からみて自己主張しなきゃいけない今の就活はやりにくいなぁって思う。
例えばエクセルとか少し触ったことあるだけで完璧です!って言っちゃえる人と、関数とかもできるけど自分はまだまだと思って少しできると言ってしまう人、こういうの結構あると思うんだよね。まぁバカ正直に答える必要もない郷に従うことを学んでいけってことかなw
てか全体的に同感する内容が多かったw
何歳とか性別とか関係なくいるよね。
ホテルのサイトもめっちゃ思う!!
ネガティヴな意見に真摯に対応しているとそれだけで印象上がるわ。ビジネス的にはどんな相手でもこちらが悪いかどうかではなく、そう思わせてしまったことに対して謝るというのがあるし。先日もクレーマーおばちゃんが逮捕されていたけど、もちろん常識の範囲外なら然るべき対応を取るまで。
人間関係の断捨離とかもあるけど、これもネットの居心地いい世界と同様の考えってことかな。老若男女いろんな人と交流するといろんな価値観が入ってくるから、たまには自分の中を循環した方がいいと思ってる。インプットして、1人で咀嚼して、またアウトプットの繰り返し?
これを読んで反発したり、何言ってるんだって思うとしたら、それこそこの表題に当てはまる人になりそう…
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上の年代からみた「最近の若者は……」という分析。
ただし、一面的にならずに社会構造の変化の要因もしっかり考慮している。
共感したのは6章の「孤独から思考が生まれる」といった部分だけど、「自分は平気的だと思うか」といった認知の実験の話も面白かった。