紙の本
武士道と前向きな問いかけ
2020/08/29 16:28
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投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語はいよいよ武士道の佳境へ。
日本の伝統的な精神を大切にすることは大切だと思う。誤った自虐史観にとらわれてはいけないこと、それぞれの国が国益に応じて歴史を捏造しているという現状を訴えたいこともわかる。が、それ故に、一人の主人公が自国の文化を大切にするがゆえに、海外の人に苦手意識というか敵意まで持ってしまうのは、いささか視野狭窄な偏屈さを覚えてしまう。歴史について議論することは良いことだが、自国の伝統を重んじてるのは良いけど、反省の上に基づき、相互尊重していく冷静な姿勢が必要なのだと思った。
そう、奇しくも、剣道におけるオサメで香織が学ぶ「守るためには、圧倒的な力と争いの渦に巻き込まれない禁欲的などこまでもいっても暴走しない冷静さが必要」ということは、剣道だけでなく、社会問題の解決にも必要なのだと思う。その意味で、武士道とは、単なる剣道や体術、だけでなく、政治や倫理にも生かすことができる思想・哲学なのだと思う。自然を守りたいという、私自身の思いを実現させたいのだが、自身の力の不足と冷静さが足りていないことに改めて気づかされる。
そして、桐谷先生の言葉。「何故生きるかではなく、どう生きるか。誰のために生きるのか」。何故という問いではたどり着けない解に、どうするかと問いかけることで、背筋を伸ばして先に進める解が得られることもあるということに気が付かされる。「人生このままでいいの?」という本でも、質問を「何故」から「どうしたら」に切り替えることで前に進めるという紹介がされていることと符合する。考え方として、過去や原因を振り返る思考と、現時点・今ここからこれからどうするかという未来を見据える思考との違いに気づかされる。人生、何故生きるかでは、苦しいが、どう生きたいかを考え、在りたい自分で生きることは、とっても前向きであると思った。
「武士道とは、死ぬことと見つけたり」。小説の中では誤った理解がいじめの原因になっていたが、本来は、死を見つめることで、最大限の生を享受し、前を向いて誰かのために、在りたい姿で生きていくことに精進していくという意味の言葉だ。
後ろ向きになりがちで、一歩も踏み出すこともできず身動きの取れなくなっている自分だが、これから新たに、「武士道」を胸に、どう在りたいかを考え、これからを生きていきたいと思う。
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武士道シリーズ。またまた香織と早苗に会えました♪ この二人じゃなきゃ、きっとここまで進んで来られなかったんじゃないかな?早苗が結婚して子供を産んだり、香織がプロポーズされたり、この作品に出会った頃の二人が着実に成長していく姿を応援できて、楽しかった♪きっと二人はこの先もずっーーーと良き友達として成長していってくれそうな気がします♪
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このシリーズが、また読めるなんて
懐かしくも嬉しい。
でも、香織の言葉遣い、その年齢で
それはいかがなものでしょう(笑)
それと、あの道場の成り立ちの話って
あれだけ?
もっと、何か、すっごい訳ありなことを
予想してたので。肩すかし。
あの練習だけでも、驚きではあったけれども。
ま、あの3部作で物語は完結していた
ようなものだし、余談としては十分に
楽しめて満足。
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本作は今までのこのシリーズのファンとしては評価の分かれる話だなというのが正直な感想である。二人の少女が剣道を通じ、異なる考え方と立ち位置で各々の主観で語られる青春ものという物語の立ち位置からすると、そこ政治的な国際問題の様なものを盛り込むのは違和感が強いと誤解を受けるだろう。圧倒的な力を持ちながらもそれを使わないことで平和を保つという考え方をスポーツとしての剣道とは異なる裏武道の在り方に結び付けるための話だとは分かるのだが、そういう伏線は今まで一切なかったため、これが嫌な読者はそれで嫌になるのだろう。そういう面もありながら、一切、変わらない磯山の在り方が際立っているという読み方もあるとは思うが、そこで婚約はないだろうという感もある。
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武士道シリーズ完結編。
大人になったそれぞれがそれぞれに成長してる様子がよかった。ただ、なぜ、あんなにも政治的な事が盛り込まれていたのかなぁってちょっと不思議な感じが。
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武士道シリーズの続編。香織と早苗のその後が描かれている。
勝つことだけが全てだった香織が武士道を兼ね備えた剣士になり、桐谷道場の師範代として後進の指導にあたっている。とても成長している部分と、相変わらずのところも愛おしく読みました。
香織と早苗の視点が交互に描かれているのもよかった。
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武士道シリーズ最新刊。
大学の卒業後、一層剣の道を突き進む香織と結婚し新たな生活を始める早苗。
本作で完結っぽいが、ぜひ10年後・20年後の香織と早苗たちがまた読んでみたい。
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シリーズ。友達。剣道。武士道。まさか続刊が読めるとは。序盤で出てきた議論がなんだかこの物語の中で浮いているように感じて、はたしてこのあと関係してくるのかなぁ…と思ったけど、関係あった。剣道以外は皆目といった様子の香織も、わからん、じゃなくて当たり前のように見解を持ってるんだなぁ。読み終わってのラスト1ページが胸にぐっとくる。
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前作から6年後を描いたシリーズ最新刊。香織と早苗の友情が微笑ましく和む。二人に纏わるエピソードがとにかく面白い。脇を固める登場人物もキャラが立ってていい。武士道の考え方にも共感。読後感もさいこー。ぜひ続編を読みたい。
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武士道シリーズの第四弾。
大学を卒業した香織は無職のまま、桐谷道場の運営を手伝う。そこへ、一浪した早苗も巻き込み、その縁で早苗は道場の一番弟子と交際し結婚に。
ヒロイン二名以外の名前やエピソードを覚えていなくて、沢谷って誰? 状態で読んだ。
早苗の大学での自虐史観の講義批判にドン引き。
あれはわざわざ書く必要があったのだろうか。著者の偏見がかなり入り過ぎているのでは? と思ったが、米国人との対決シーンに繋げてうまく消化している。
老舗道場の後継者問題、子どもの虐め、日本人の歴史観、外交問題、現代的なテーマがうまく複合されている。そしてやはり主軸は武士道。道場に伝わる奥義の伝授をめぐって猛稽古する香織の姿勢に胸打たれる。そして意外なロマンスもあったり。ライバルの黒岩もなかなかにいい存在感。
ちょっと危なっかしい女子高生だったのに、いつのまに、しっかりしたのやら。次回は次世代主人公ですかね。
初巻で出てきた香織の同級生の男の子とかどうなったんだろう。
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高校生だったのに、もう、結婚する年になったんだぁ。でも、剣道に対する気持ちはそのままで
。成長を、感じる本だった
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武士道、サイコー!!いや、武士道ジェネレーション、サイコー!!!誉田哲也さん、サイコー!!!・・・ってことで、まぁ、読んでみてください!シリーズ完結編!!
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大好きだったシリーズが6年ぶりに復活。誉田哲也はこういう話も書けるのがすごい。とにかく香織と早苗の掛け合いが、そして二人の心の声が面白くて仕方がない。香織は結局どうしたのか??続編希望。
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“武士道シリーズ”の、早苗と香織に久々に再会した、という感じ。相変わらず読みやすく(途中、重め歴史観論争的な場面もありましたが・・)おおむね楽しく読めました。
やっぱり、このシリーズは、香織のキャラにつきますね。すんごく好き嫌い分かれると思いますが、私はこの子好きです。
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まさか続編があるとは思わなかったので、嬉しい裏切りでした。
相変わらずの二人の掛け合いが楽しくて一日で読了。
ただ今回は著者の「日本」に対する主張が強かったので、苦手な人はもしかしたらいるかも…。(私は割と新鮮な気分でしたが)
この本が終戦70年の夏に発売されたのは意図してのことかな…?