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信長の本能寺の変から、明智光秀を追い込み、官兵衛が如水として隠居し、亡くなるまでを描いている。頭で生きるそんな官兵衛の生き方に共感する。
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終始一貫、勘兵衛が秀吉の観察者として描かれている作品。
勘兵衛の内面や戦術よりも、秀吉の幸運さと信長の政治面や実行してきた偉業の面が印象的だった。
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様々な黒田官兵衛ものがあるが、さすが司馬遼太郎先生の官兵衛になっていて、膨大な資料を基に描かれていた。
官兵衛の志しが、グサッと心に染みる感じがした。
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最初で最後の野望が自らの差し金である息子・長政の活躍により、終止符を打つことになるとは皮肉なものだなーと思いました。
稀代の軍師として戦場や外交では活躍し、百姓からも慕われ、部下の働きをしっかり見、しっかり報酬を与える。上司に持つならこういう男を持ちたい。
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大河ドラマにあわせて読んでみた。決してつまらない本というのではないが、他の司馬遼太郎の作品に比べると描かれている黒田官兵衛自体の性格からか、置かれた立場の問題か、ダイナミックな展開に欠けるので、文庫4冊という大作ながら小品という印象が残った。
とはいえ、久しぶりの司馬遼太郎、十分楽しめました。
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本能寺の変以降、俄然面白くなった。長政との関係や感情も面白い。1巻から4巻のなかで4巻が一番面白い。
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前半に官兵衛の人となりを記述するのに筆を多く使ったためか、それとも秀吉の寵愛を受けている時がピークだからなのか、山崎の戦い以後がかなり短くまとめられている。
それ以後もドラマは多く、宇都宮氏との戦いや、関ヶ原前後の動きなど、書くべきところはかなりあるはず。司馬遼太郎の官兵衛像からはみ出る部分が多いからかとも思えるが、それも含めた人物の解釈をしてほしかったところ。
ただ、やはり司馬遼太郎が書く官兵衛は魅力的。
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信長が殺された。秀吉は「主の仇」光秀を山城山崎で討ち、その二年後には、豊臣政権を確立した。
官兵衛は自分の天下構想を秀吉という素材によって、たとえ一部でも描きえたことに満足だっただろう。
この戦国の異才が秀吉に隠居を許され、髪をおろし入道し「如水」と号したのは、四十八歳のときであった。
(当書裏表紙あらすじより)
お盆休みが予想以上に悪天候に恵まれた(?)おかげで、読書に勤しむ時間が普段以上に取れました(笑)
かつ、本著の前半から中盤過ぎまでが、中国大返しから山崎の合戦を予想以上に細かく書いてあったので、ついつい先が気になって読むスピードが一気に速まってしまい、結果として10日ちょっとで読み終えることが出来ました♪
全四巻の中で、この巻が一番勢いがあるような書き方でした。
2014年大河の「軍師・官兵衛」では、本能寺の変の事を毛利の交渉役・安国寺恵瓊に明かして助力を得、官兵衛・恵瓊の2軍師で天下を回天させる、という脚色していました。
それを見て「斬新だな」と思っていたんですが、本著の中に「毛利方、あるいは、安国寺恵瓊は知っていた」「知っていて秀吉に恩を売った」「後年、安国寺恵瓊は吉川家から嫌われていた」といった説があることが書かれていました。
大河ドラマの独創じゃなかったんですねぇ。
・・・まだまだ知らないことって一杯あるなぁ、と妙なところに感心しました(笑)
次は「勝海舟/子母澤寛」の予定でしたが、ちょっと口直しをします(^^ゞ
次は「パラドックス13/東野圭吾」です。全く予備知識無しで読みます。楽しみです(^^♪
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司馬遼太郎は黒田官兵衛が好きだから播磨灘物語を描いたとあとがきで書かれているがこの作品の中では官兵衛を少し軽視している描き方だなと感じた。官兵衛が中心に行ったとされる備中高松城の水攻めや中国大返しなどは秀吉の案として描かれている。真実はどうにせよ個人的にはそういったエピソードが読みたかった。黒田官兵衛が好きなだけにこういった見方でも描けるのかとも思いました。
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中国大返しの後、秀吉が天下を取った後は、官兵衛の人生のピークを過ぎたのだろう、以後はごく短く書かれている。
官兵衛の交渉、秀吉との関係、等非常に面白かった。サラリーマンと代わりないんだなと。
作者が言う通り、とてもいい男でした。
読んだあと、小早川隆景が印象に残っている。
あの戦国時代、中国を守るため、拡大方針はとらなかった。それを金科玉条とした。もし、昭和に彼が政治家としていたら?
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以前読んだ記憶があったが、どうも勘違いだったようだ。中国大返し以降の叙述が簡素になっていくのが、大河ドラマとの違いかな。本作品とは関係ないが、徳川家康役の寺尾聰が腹黒そうで好き。ルビーの指環歌ってたんだよなぁ。
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備中高松城攻めから隠居まで。
山崎合戦や関ヶ原合戦の描かれ方は淡白だが、それは官兵衛自身事前準備や段取りの役割を終えたという感情を反映しているのかもしれない。
信長死後の秀吉の変節は、単に下劣な本性が出たものと思う。日本では古来、大陸や朝鮮半島の文化を進歩したもの、鮮やかなものとみなしていたが、朝鮮出兵以降それらを見下すようになってしまったのだ。大阪で太閤などと持て囃すのが理解できない。
石田三成も然り。先日、歴史討論番組で「三成が関ヶ原で勝っていれば、日本人は島国根性を持たずに済んだ筈 云々」を発言していた歴史家がいたが三成の度量では誰も着いてこないだろうと思う。
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NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻の最終巻。本能寺の変、中国大返し、その後と激動の中で官兵衛が必死で守ろうとしたもの。そんなことに思いを馳せながら読了。歴史モノって面白いなぁと感じた。
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毛利攻めから、信長の死そして秀吉の「中国大返し」、さらに豊臣の天下統一へと続くこの巻。
秀吉を画布として自分の絵を描いてみようと思い、それを成し遂げた黒田官兵衛の一大叙事詩も、ここに終わる。
欲得とか栄達欲とかいうものを持ち合わさない、戦国期には稀有な存在でありながら、晩年、関ヶ原の戦いに乗じて、天下を狙おうとする。その可能性が潰えたら、元の隠居に戻る、その滑稽ともいえるあざやかな進退。秀吉の天下を形作った張本人であるにもかかわらず、時代の点景でしかない官兵衛。
司馬は、あとがきで書いている。
「友人をもつなら、こういう男を持ちたい」
共感できる言葉だと思う。
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明智光秀を討伐するまでが第4巻のメインです。
討伐後から朝鮮出兵、関ヶ原の戦いもで黒田如水がどういった動きをしていたかも描かれていますがこれまでに比べれば完全におまけのような扱いです。
秀吉による天下統一後に官兵衛の重要度が下がり石田三成などの官僚的な大名が出世していくエピソードが最終盤に描かれるのですがそれを読んで本書を閉じるとなんとも言えない物悲しさが湧き上がりました。