紙の本
長老、大いに語る
2011/04/18 08:11
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
音楽家細野晴臣の心のつぶやきを音楽プロデューサー鈴木惣一郎が聞き手になって引き出したトークエッセイである。
細野晴臣といえば、高橋幸宏、坂本龍一と組んだYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)で70年代後半の音楽界を席巻したメンバーの一人だ。その細野が還暦を迎え、現在の思い、家族、音楽、宗教、思い出などを淡々と語っている。
きっと細野たちの音楽を支持する人には面白く、細野とはこういう人物だったのかという再発見する機会になるのだろうが、当時山崎ハコや中島みゆきといった暗いフォークソングにはまっていた私には、音楽家というより還暦を迎えた男性の思いとして細野のつぶやきを受け止めた。
細野は「年をとるってことはいいことなんだよ、本来は」と云う。
若い時にはなかなか云えない言葉だ。
その理由は「ものの見方が広がっていく」からで、「ようするに長老になるっていうこと」だと語る。
そういえば、本書のカバー写真の和服姿の細野の姿はどこか「長老」っぽい。こういう「長老」なら相談もしやすいのだろうが、どうも最近のシニアはいつまでもギラギラして現役続行みたいで、相談でもしようものなら罵声のひとつでも飛んできそうだ。
できれば、うまく老いて「長老」になりたいものだが、細野のようにはいきそうもない。
細野の音楽と「長老」とはなんだか結びつかないような気がするが、それもまたいい年の重ね方なんだろうと思う。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
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投稿者:KKキング - この投稿者のレビュー一覧を見る
細野さんと、その側近であるワールドスタンダードの鈴木氏による対談形式のインタビュー集。気楽に読める一方、人生訓がこれでもかと詰まっており、置き薬のように棚に並べておきたい。
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対談を通じて、細野さんの内面世界を垣間見ることができる本。お孫さんに教えている「ぶんちゃっちゃダンス」を見てみたww
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平凡社ライブラリーってもっと硬派どと思ってたけどこんなトンデモ科学なじじいの戯言を出版するんですね。最近の回帰的な姿勢の理由もわかるし、ほんとすてきなおじさまであることがわかります晴臣おじさま
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60歳を過ぎたからこその含蓄のある言葉の数々。聞き手が鈴木惣一朗さんだからこそ引き出せるんだろうなあ。
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音楽に対する姿勢や自身の生い立ち、死生観などについて対談形式で語った一冊。
飄々とした語り口、さまざまな人生経験を経て醗酵させたであろうユーモア溢れる思想は何とも魅力的。
たとえば「夢の中」では音楽におけるコンセプトや創造力について語っているのだけど、なぜか高田純次の言葉が引用されていて、そういう所も細野氏らしいなと思わず微笑みながら読んでしまいました。
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◆YMO細野晴臣のインタビュー。もちろん最大のテーマは音楽。というよりむしろ音。90年代、スピリチュアル+アンビエントにのめり込んでいた時期の話が興味深い。◆生活、恋愛、人間関係、などについて、これまで断片的に語られていた細野語録の集大成。◆家庭人細野の一面も。お孫さんとたわむれる話とかかなり楽しい。こういう老人がいてくれると日本も安心だ。
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タオだね。間違いないよ。きっと向こう何年も気が向いたら手にするとおもう。「声が大きい」のところで少数民族の音楽は自分に聞かせる音楽ってある。自然と自分の間でくゆらせる音楽っていうものがそれだ、と。
細野さんの品格みたいなものに触れられるんだと思う。僕はいつでもブレている、から始まる本書は、どこか人の本質に迫ってると思うよ。
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つまるところ、このインタビューは「少なくとも僕の場合はそういう人生だった」という視座で語られているのですが、狭い世界にいる人ではないですし、精神世界においても経験豊富な方ですから、話が面白いのです。細野さんのことを知っている人はぜひとも読んでみたらほかほかになる本だと思いました。
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世間のこと、世界のこと、老いること、祈ること、そしてよりよく生きること-。日本の音楽シーンを牽引してきた音楽家・細野晴臣が、20年来の仲間・鈴木惣一朗を聞き手に、大事なことを「小声」で語った人生問答。
声高に語ってないゆるさが好きです。
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不思議な人、でも素敵な(魅力のある)人。
生き方、心の豊かさ(心の余裕? 才能?)がそのまま発する言葉や書かれる文章、作曲される音楽、演奏されるベースの音色に表れていると感じるのは私だけではないと思います。
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良いなーと思う音楽を調べていくと必ず細野晴臣氏の名前が連ねてありました。彼の楽曲を聴いてみたらその格好良さに痺れまくり絶対気が合う!と書籍を読んでみました。
うるさい音楽ではなく静かな音楽が好き、派手な音より地味な音が好き、マッチョではなく草食系、好戦的では無く平和主義、それ故に孤独を選択する辺り、今の音楽は空気の振動が無いから息苦しい、深みが無い等、共感と好感が持てます。
なんと言ってもセンスが良くて格好いい。かっこつけてないのに格好いいって凄いですよね。タイプです。
以前彼のことをあるメディアが「静かな巨人」と評していました。言い得て妙、とはこの事ではないでしょうか。
もっと細野さんの事が知りたくなる、そんな本でした。
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いい意味で年齢に抗わずに生きていきたいと思った
人に思ってることを伝えるのってやっぱり難しいなと思った