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電子書籍
表題作ではないのですがこの短編集には思い出が...
2022/12/25 20:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この短編集の第三作目「雨と、風と、夕映えのかなたへ」を、大学生のころに読み、その中の虚数に対する議論に打ちのめされた。
当時、電気工学を学んでいたが、電気回路の基礎の部分で虚数単位を使って計算する部分になじめなかった。高校の物理の授業では、微分と積分を使って計算しており、電流の変化=微分を打ち消すように電圧が発生する、あるいは電荷が蓄積=積分されることで電圧が発生する、という物理的なイメージで理解しやすかったが、その反面、計算が複雑であった。ところが、大学では虚数を使ったただの数式計算になり、結果は得られるかもしれないが、物理現象との関係性が理解しずらく、モヤモヤとしていた。
そんなときに、この作品の中で、実在しない虚数というものを、電気工学では便利なものとして使っている、というような発言があり、実用的な道具として考えればいいだけなのだ、と気づかされた。
ある事象を説明するための理論は一つとは限らず、いろんな見方が存在するもので、場面によって使い分けることも可能で、ある見方では理解できなかったものが、別の見方をすることでいとも簡単に解けてしまうことがある。それは工学に限らず、いろんな分野に当てはまるものであり、SFの考え方にも当てはまるものである。
そういう点で、作者の小松左京自身が、電気工学そのもののを細かく理解していたのかは分からないが、物事の考え方に対する例えとして電気工学を持ち出してくるのは、本当にすごいなぁと思った。
紙の本
想像力爆発する4編
2017/01/13 10:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「雨と、風と、夕映えのかなたへ」では、小さな小屋から物語が始まる。囲碁から始まり宇宙へ広がる世界が圧巻だった。
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