でこぼこのある中編集
2015/09/22 20:21
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
六編所収。いい作品があるいっぽう、印象に残らない当たり前の出来のものもあって、でこぼこが非常に大きかった。正直にいえば、期待したほどではなかった(「おまめごとの島」で期待値が上がっていたので…)。
中では「半月の子」が一番よかった。妊娠中毒症の妊婦が実家近くの病院に入院したところ、担当の医者が学生時代の憧れの君で…という話。その医者を何とか避けようとする主人公と、叱咤するオカン、冷静に対処する医者。彼らのやりとりや主人公の内面の独白が何ともおかしくて、笑える。
よくなかったのは「ほうき星」。星空を見に行く先で逢う女性に恋をしたが、その女性は…という話で、当たり前すぎる。表題作も、劇団員のやりとりのところはおもしろいのだが、ストーリーをとると他愛ない。
全体的にストーリーが物足りないものが多い気がする。ただ、雰囲気が好きなので、読み心地はいい。
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個人的に気になっている作家さん、中澤さんの新刊は恋愛短編小説。
6つのお話すべてが星やら宇宙やらが絡んでて、一筋縄ではいかない恋愛模様が描かれて、わーって叫びたくなります。好きなのは表題作の星球。ブスな自分が恋した相手はプレイボーイの劇団員。ブスな主人公の気持ちもだけど、元グラビアアイドルで美人なのにそのプレイボーイのセフレなポジョンでいる彼女のが切なかったなー。
どの話もちょっぴり切なくて痛い。そこがリアル。
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表題作を含む6つの作品が収録された恋愛をテーマにした短編集。どの作品も星や宇宙などが出てきて、ちょっとロマンティックである。高齢者の恋愛をテーマにした作品というのを普段、全く読まないため、新鮮な気持ちになった。恋愛に年齢は関係ないのだなと改めて思ったりした。どの作品も良かったのだが、表題作の『星球』と『半月の子』が特にお気に入り。
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広い意味での「星」がテーマの短編6編。短編集は著者初だそうで。と言っても世に出た作品はまだ3冊なんですが(笑。どのお話も読後感さわやかで気持ちいいのですが、特に最終話の「七夕の旅」は泣けます。
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短編集。表題作「星球」は筋金入りの“未恋”女子の恋愛小説。痛々しい切なさがあってとってもよかった。年下君ががんばるお話も印象に残っている。
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連作短編なのかな?と思ったら違ったw
「星」やらがテーマの短編集でした。
そのせいか、ちょっと設定がこじつけっぽいような・・・。
まー、ないだろうけど、絶対ないとも言えない、かも?的なwww
で、最終話がよかったですね。
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恋愛経験ナシの女子大生劇作家が恋心を抱いたのは売れっ子の劇団代表…恋心を秘めたまま時は過ぎるのだが、というもどかしくもどこかほのぼのとした表題作の「星球」のほか、かつて憧れていた青年が産婦人科医として妊婦である自分の目の前に現れた「半月の子」ほか、ユニークな設定や会話劇が活きた6編の恋心を描いた一冊です。
ふわっと笑える温かなお話もあれば、切なく収まるお話もあり、バラエティ豊かに静かな恋心をひとつひとつ描いています。どれも輝きは異なるけれど、どれもかけがえのない、ひとつひとつ。そんな想いのきらきらした形は、いつ見上げても輝きつづける星のよう…。
人が人を思う気持ちは、それだけで輝かしくて尊い。
あらためてそんな青くさいことをしみじみと感じたのでした。
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天体がどこかに出てくる短編集。恋愛未体験の女子大生が、劇作家として関わった劇団の演出家の好きになる話や、天体観察が趣味の会社員が年上の女性に心惹かれる話など。ちょっとあっさりし過ぎかな。もっとひねりがあった方がなお面白くなるのではないかな。
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天空を巡る星は、まるで人の出会いと別れのようだ……と詩的に始めて見たけど、考えたら星は基本的に動かないから出会わないし、出会ったらそれ恒星衝突でお別れだ。
さておき、星をテーマに様々な恋模様、その出会いと別れを垣間見る短編集だった。ぶっちゃけそれぞれの恋物語に星要素は必要無いかもしれないが、それが(多少強引にせよ)入り込んでいることでロマンチシズムが増されて、物語のアクセントになっている。
特に、ワシみたいな天文好きには、物語の先のさらなる想像や妄想を刺激してくるのが面白い。
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サークルの劇作家の主人公と女好きの演出家やニューハーフのスタッフが明るい表題作、知人医師に抵抗する妊婦の出産を書いた「半月の子」、別れさせ屋の目論見で一人暮らしの老婆の夕食を作りに行く「Swing by」、祖父の兄が戦争から帰った時を回想する、祖父の面倒を見るまたいとこの孫たちとの「七夕の旅」他、楽しんだ。
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短編集。星にまつわる話で、小説自体がさらっとしている。読みやすいけど、逆にあっさりしすぎてるイメージ
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夜空の星に因んだヒューマンドラマ短編集。6話を収録。
* * * * *
夜は人恋しくなるもの。そして星空を観ると、自分の気持ちに素直になれたりもする。そんな心の機微をうまく描き出していました。
1話目「星球」は表題作ながら軽いタッチのオードブル的な作品。途中で主人公が突如キャラ変してしまったように感じて、少し飲み込みづらかった。
2話目「 The Last Light 」もコミカルで笑えるが、軽すぎて印象に残らない。
おもしろくなってきたのは3話目から。その「ほうき星」は切ない悲恋物語で、思わず読み返してしまうほど美しくもありました。
巡るほうき星。浄化される魂。いつか怜史に巡り会う日がくれば……。
「半月の子」は、コメディ色が強い反面2話目よりも深みがあり共感しやすいし、「Swing by」は惑星探査機はやぶさに絡めたお嬢様育ちの女性の成長物語で、読後感がすこぶるいい。
そして最終話「七夕の旅」。戦争の生み出す悲劇をベースにしつつ、現代を生きる若者に希望を与える筋立てで、非常に好もしかった。
映像化が望まれる作品だと思いました。