紙の本
人間と病気の戦いの歴史を追った興味深い一冊です!
2020/04/06 10:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、病理学者である梶田昭氏が人間の叡智を傾けた病気克服の道筋とそのドラマを追った非常に興味深い一冊です。内容も、「第1章 人類の医学のあけぼの」、「第2章 イオニアの自然哲学とヒポクラテス」、「第3章 アテナイの輝きとアレクサンドリアの残光」、「第4章 イエス、ガレノス、そして中世」、「第5章 インドと中国の古代医学」、「第6章 シリア人とアラブ人の世界史的役割」、「第7章 芸術家と医師のルネサンス」、「第8章 科学革命の時代」、「第9章 近代と現代のはざまで」、「第10章 進歩の世紀の医師と民衆」、「第11章 西欧医学と日本人」、「第12章 戦争の世紀、平和の世紀」と、古代から現代までの長いスパンで人間と病気との格闘について述べられており、なかなか読み応えのある、面白い内容となっています!
紙の本
ただ羅列するだけじゃない
2017/12/18 14:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
医学に関する歴史の本だけれども、出来事や人物名を羅列するだけでなく、経緯や社会的な立場などの解説もあってわかりやすく、面白い読み物になっています。
索引は付いていないけど、引用元や参考文献はその都度紹介してくれているので、気になったら探してみるというのもそこそこやりやすいと思う。
各項目が割と短めなので、読みやすいです。
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医学を学び始めるにあたって、医学はどのようにして今日のすがたにまで進展してきたかを理解しておきたい人のために
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古代ギリシャの医学(と言っても、この頃は総合学問かな?)から現代に至るまでの医学の歴史を概説している。
中国やインドにも言及しながら、上手くまとめられていると思う。
時系列と内容別とお互いに折り合いをつけながら書き進めている。
ただ、どうしても名前が多くなる上にそれぞれの派閥の主張を混ぜると更にややこしい事になるので、さらーっと読み流した。
偉人伝にありそうな逸話は少ないから印象が強くないけど、難しすぎずいいんじゃないかな。
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おもしろかった!
医学って、もともとはすごく身近なものだったんだなってことがわかる
本当に歴史、ていう感じで、
難しい専門用語も全然出てこないし、すごく読みやすい
ただ、解説にもあったけど、参考文献が載ってないのが本当に残念!
量がすごいから、あったらもっとよく理解できたと思う
個人的には佐渡出身の語学の天才・司馬凌海さんが気になる
生まれて育ったけどそんな人きいたことないよ
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(推薦者コメント)
医学の歴史を一般向けに述べる本では恐らく最もポピュラー。所蔵されていなかったため推薦。
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医師として、具体的な病気と医療の記述に終始しながらも、医学とは社会学であり政治学であるとの気概が滲む、これは思想書と言ってもいい。
医学史は、部分と全体および治療と予防というような対立軸をいまもって揺らぎ続けている。どちらに向かうかは人々の要請ではなく権力の都合である。
安定と混乱の間の危機状態こそ医学の立ち位置であり、それは政治のアナロジーである。
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大きな流れを把握するのに役立つ。世界史の知識を医学という視点で眺めなおすとこうなるのか、という驚きもあり楽しい。よく知っている人名が、思いがけない文脈で現れる意外な快感。時代をさかのぼればさかのぼるほど、現代でいうところの「医学」というカテゴリに収まらず、宗教、哲学、物理学、化学、芸術等の様々な分野とリンクするところも面白い。こういった歴史を踏まえて現代の医療の状況を見ると、治療法や自分の健康について判断する基準にもなるし、理解も深まる。
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[ 内容 ]
人類の歩みは絶えざる病との格闘であった。
患者への温かい眼差しをもって治療に当たり、医療・医学の根源からの探究を志した病理学者が、人間の叡智を傾けた病気克服の道筋とそのドラマを追う。
興味深い挿話、盛り沢山の引例、縦横に飛ぶ話柄。
該博な知識と豊かな教養をもつ座談の名手が、洗練された名文で綴る人間味溢れる新鮮な医学史。
[ 目次 ]
第1章 人類と医学のあけぼの
第2章 イオニアの自然哲学とヒポクラテス
第3章 アテナイの輝きとアレクサンドリアの残光
第4章 イエス、ガレノス、そして中世
第5章 インドと中国の古代医学
第6章 シリア人とアラブ人の世界史的役割
第7章 芸術家と医師のルネサンス―中世からの「離陸」
第8章 科学革命の時代
第9章 近代と現代のはざまで
第10章 進歩の世紀の医師と民衆
第11章 西欧医学と日本人
第12章 戦争の世紀、平和の世紀
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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2003年刊行。著者は元東京女子医科大学教授。◆なぜ、科学的な発展が東洋でもイスラム圏でもなく西欧で進んだのか。こういう関心から紐解いた本書。◇そもそも医学は実践科学の典型であり、物理・化学・生物と横断する領域というばかりか、社会制度(公衆衛生・保険制度など)とも関連する。本書が西欧史を中心にしつつ、イスラム圏・中国史にも配慮・比較しつつ医学の科学的進展を検討していくのは好ましい。近代になると多くの医学関係者の名前と業績が羅列され、とても全部認識しえないが、これはいずれ何らかの折にでも再読すれば十分か。
◆書かれないけれど…。◇①世俗権力と教会権力とが分立。社会制度が特定の権威のみ権力集中せず=盲信しないシステムであった。後にプロテスタントを産む母体。②ギリシャ思想がイスラムを通じ保存され、中世・近世期に流入。③活版印刷の普及。聖書を軸にするが、識字能力の存在。④中世修道院が病院の役割を担う。⑤大学が西欧には中世から存在。医学もテーマの一。⑥ペストの大流行。人口の相当数が減少するという社会問題。⑦プロテスタント(権威の否定・合理的発想に依拠)の流行・流入が、医学関係者の合理的思考をさらに亢進。ってところか
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ひと対ヒトの戦争の歴史は 人間の愚かさを実感するが、ひと対シッペイの医学の歴史は 人間の賢さを実感する。
医の哲人たちの言葉が いい。医学発展の歴史の中で アジアの役割が大きかったのは 誇らしい
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先に読んだ、『医学生のための医学史』と、内容は似てます。ただし、この本のほうが歴史学的な見分が強い印象。
単純に医学の進歩を知りたいなら『医学生のための』だが、歴史的背景や解釈など加えるにはこの本は手厚い。
医学生諸君は、勉強が飽きたらでもいいかな、って本。
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何度となく読んだ本。医学がどのように成立してきたか、その歴史を俯瞰できる。様々な切り取り方のうち、一つの切り取り方を知るのにとても良い。