紙の本
運命の花びら
2015/11/25 15:07
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この世では結ばれない運命にある男女がその子孫たちによって必ず結ばれるであろうという心躍るようなテーマは、読む人の老若男女にかかわらず、感動させる要素がある。
そのテーマを約400年に亘って描いた作者の構想力と筆力に脱帽するが、後半ではその子孫が一度に集まりすぎて誰が、誰だかわからなくなってしまったという欠陥が生じたのは残念。小生の読み方の問題があるのかもしれないが、これだけ登場人物が多くて名前も同じでは戸惑う。
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下巻を読んで感想を書くつもりだが,前原伊助という忠臣蔵に出てくる人物と,桜田門外の変に出てくる山南敬助が延々とつながり現代まで絡んでくる物語だ.
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内容(「BOOK」データベースより)
亡君の仇討ちを胸に秘めた赤穂浪士・前原伊助は、吉良家の奥女中・千尋と許されざる恋に落ちてしまう。いずれも主家を捨て、2人の恋を達成すべきかと思い悩むが、吉良邸への討ち入りは予定通り決行される。討ち入りの夜、再会した2人は声なき声を交わして別れた。「いつの日か、自分たちの末裔が後の世に出会って、実らざる恋を達成するだろう」これ以後、日本の歴史を彩った節目に、ふたりの家系に連なる者たちが幾度も巡り会う。赤穂浪士討入事件、二・二六事件、ミッドウェイ海戦。時代の荒波に揉まれながら、波瀾万丈の出会いと別れを繰り返す恋人たちを描いた、重層的恋愛小説。
平成30年11月23日~27日
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時代を超えた短編だが、どれも似たような展開。前世より続く運命の相手とは決して結ばれない、寧ろだからこそ運命の相手なのだ、という大枠の中で、それぞれの血を引く男女の間で、どの時代も同じようなストーリーが続く。また後半は、前編の人物が立場を変えて再登場するなど、各個人においても少しずつ繋がりが表れる。
この作品に限らずだが、森村氏の書く「女性」の古さはどの時代の話でもやはり目立つ。総じて彼の作品の中の女性は嫋やかで奥ゆかしく、ミステリアスで男心をくすぐる見た目を持ち、語尾はほとんど「〜だわ」で、男社会で一目置かれる有能さを持っている。全員が全員そうである。各短編、時代背景や状況は様々なのに、女性側が辟易するレベルで無個性すぎる。そのような目的で書かれたものではないと分かっていながら、単調に進む長々した「運命」に飽きを感じた。
下巻はまた違う展開のようなので、期待大。