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「なぜ本を読むといいのか?」
ぜひ本書を手に取り、筆者の考え、自分の考えから、自分なりの結論を導き出してください。出来れば、この本は普段読書をする人よりも、普段読書をしない人にこそ読んでほしい、そんな一冊に感じます。
私自身も、その答えは本書を読まずともすでに自分の頭の中にあるはずなのに、ついつい手に取り中身を確かめたくなりましたw
本を読むことで、筆者の脳の一部がインストールされ、自分の脳に蓄えられるだけでなく、その情報がすでに蓄積された情報と相まって脳内にシナジーが生まれます。その結果、それまで持っていた自分の考え方や生き方が、より確固とした軸を形成したり、無意識のうちに変化したりすることもあります。
また、本は旅と違い、地に足をつけたまま、時空間をいとも簡単に飛び越えることができます。縦方向に深堀するのも、横方向に興味を広げるのも、自分の意のままです。
これほど魅力的な読書の世界へ、多くの人を引き込むきっかけにこの本がなることを一読者として祈っています。
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普段は読了してレビューを書いたら近所の図書館に寄贈するのが私のスタイルですが、この本だけは保存しておきたいと思いました。
タイトル通り、本を読む人だけが手にするもの、について解説してあるだけではなく、著者である藤原氏がこの数十年に読んだ3000冊の中から選りすぐりの50冊の本を、レビュー付きでリストしてくれている点です。
私も2007年からレビューを書き続けてきて、そろそろ9年になりますが、いつか機会を見つけて「私のベスト50」を選びたいと思いました。その際には、ある分野に偏ったことなく、古典を含む多様な範囲から選びたいものだと思いました。
一番印象に残ったのは、これからは、身分・権力・階級などの階級社会から、「本を読む習慣のある人」とそうでない人から成る、階層社会になる、というメッセージでした。読書をすることでしか得られない喜び、体験をこれからも大切にしていきたいと感じました。
この本で述べられているポイントは、成長社会を経て成熟社会となった現在に求められる力は、情報処理力でなく、納得解を導ける情報編集力を持つことです。
そのために必要な5つのリテラシーは、実は義務教育の科目であり、特に実技4科目は、リテラシーの1つである「プレゼンテーション力」を鍛えるのに大事であったというのは、心に残りました。それに加えて、クリティカルシンキングをすることとで、多面的思考を養う必要があるようです。
以下は気になったポイントです。
・20世紀型の成長社会は、日本では1997年を境に終焉した。バブルの象徴とも言える2つの証券会社(山一、三洋)の倒産、3つの銀行(北海道拓殖、日本長期信用、日本債権信用銀行)の倒産である(p15)
・20世紀型の成長社会が象徴する「みんな一緒」(7割方の人は幸せになれた)という時代から、21世紀型の成熟社会が象徴する「それぞれ一人ひとり」という時代に変わった。(p15)
・それぞれ一人の幸福をつかむための軸となる教養は、自分で獲得しなければならない、そのためには読書が欠かせない(p21)
・親が教えてくれるのは、親の生き方・親のやり方、その親たちは黙っていても7割方が幸福になれる時代を駆け抜けてきた人たち(p23)
・人生の捉え方とは、人生の幸福の実現のためにどういうテーマを持ち、どういうベクトルに向かって進んでいくかということ(p24)
・日本の場合、携帯メールが、宗教の代替機能として、つながったような気になるという側面が大きかった感じがする(p25)
・ネットだとキーワードで調べたものしかヒットしないが、本は検索では結びつかないようなものも拾ってこられる(p29)
・パチンコをするか否か、ケータイゲームをするか否か、読書をするか否かで、約10人に一人の人材になれる(p37)
・本と読むことで限りなく、エキスパートの報酬水準に近づいていくが、本を読まないと限りなくフリーターのそれに近づいていく(p39)
・余命50年とすると、30万時間の生活時間(睡眠時間を除外)の間に、4つの分野(個人的・組織的vsメディア・リアル)から、どのようなインプットをして、どのようなアウトプットをするのかが、人生を生きる、ということ(p43、45)
・読書は、著者を通して、個人的でリアルな体験を味わうことができる手段である(p46)
・解像度の高いものを見れば見るほど、人間のイマジネーションのレベルが下がってしまう。あいまいな部分を想像する必要がないから(p51)
・読書によって身につく力とは、集中力と、バランス感覚である(p53)
・脳内に沈殿している、知識・技術・経験のかけらを結
びつけるために、3種類の触媒が必要。それが、読書・遊び・芸術、である(p68)
・成長社会から成熟社会へ移行するとは、わかりやすく言うと、ジグソーパズル型思考から、レゴ型思考への転換。ジグソーパズル型思考の問題点は、変更が利かないということ。レゴ型思考は、一人ひとりの納得解をつくれること(p72,73、74)
・村上龍氏の書かれた「半島を出よ」を読むことは、彼がそれに傾けた人生を読むことになる。構想から10年の思索、200冊を超える書籍や資料、大量のインタビュー取材を、共有することになる(p78)
・本を読むことは、それを書いた人がその場にいなくても、その人の脳のかけらとつながるための道具になるということである(p80)
・自分の不得手な分野、目からウロコが落ちるような内容、あるいはこれまで全く興味が湧かなかったことに目を向けるべき(p85)
・ジェフベソス 果てしなき野望(アマゾン創業者が執筆)、第五の権力(グーグルの未来に言及)の二冊を読むことで、一つの未来の姿を思い浮かべることが可能(p90)
・子供が、ある本を面白いと思うポイントは、本の世界に自分自身を投影できるかどうかである(p103)
・ピーターの法則では、創造的無能=昇進を有難がっていると、あなたはどんどん無能になるという警告に対するアドバイス、を解説している。これが組織と仕事のパラドックスの正体(p107)
・純文学を読まないと人間として成長しない、と言われて、宮本輝氏の「青が散る」と、連城三紀彦氏の「恋文」を読んだ(p110)
・どんな人でも1万時間(5年から10年)没頭して取り組めば、コミュニティの中で自分の立ち位置が確保されるということ(p122)
・日本人は初対面のときに油断しすぎている、初対面でのマイナスイメージを二回目、三回目で払しょくするのは不可能に近い。初対面の時に相手の心をつかまないと、その次はない(p129)
・つながるための優秀な道具が充実すればするほど、人間が人間につながろうとする意欲、スキルを削いでしまう。このことに気づくかどうかは大きい(p130)
・成長社会では「情報処理力」が求められたが、成熟社会では「情報編集力」が求められる、言い換えれば、身につけた知識や技術を組み合わせて、納得解を導き出す力(p133)
・人の話をよく聴く、という技術は、読書をすることによっても高めることができる(p144)
・情報編集力を高めるには、5つのリテラシーと1つのスキルを磨く必要がある。一つ目は情報をインプットする技術(国語、英語)、二つ目はロジックする力=複眼思考(数学)、三つめはシミュレーションする力(理科)、四つ目はロールプレイングする力(社会)、五つ目はプレゼンテーションする力(実技4科)、それに加えて、クリティカルシンキング=多面的に捉える(p143-155)
・情報編集力を自分のものにするには、予期せぬ出会い、が重要であり、それを体験するのは「遊び」。遊びには、ルール・ロール(役割)・ツール(道具)がある。(p160)
・大人になってからは、遊びの代りに、旅に出ると良い。予定調和でない事態に、あえて自分を追い込むことがポイント。危機に際して人間は、アタマの中のあらゆる知識と経験を結びつけて編集し、最善の対策を考えようとする(p164、166)
・子供の遊び、大人の旅で極限状況に直面する、読書により、情報編集力が強化される(p167)
・本当に自分に必要な本と出合いたいと思う人には、習慣化した「乱読」を推奨する。予想もしなかった考え方に出会ったり、本を介して道の人物との遭遇が将来的に起こる可能性がある。数をこなすことが大事(p183)
2015年11月8日作成
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筆者が中学校の校長という経験から読書の重要性が
非常に伝わってきた。乱読をすることで相手の考えが
理解でき、想像力を身に付けることができるようになる。
幅広い分野の本を読み視野を広げる事ができると会話の質も変わり、幅広い世代とも会話ができるようになる。
仕事の面でも想像力のある人とない人の差は大きく
収入の差が出ているイメージもある。
日本人は本を読まない人が多いので、身近な人にまず読書を進めることから始めたいと思った。
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これまでも読書術に関する本は読んだことがありますが、今回も改めて本を読むということの大切さを再認識することが出来ました。
数多くのベストセラーを書かれている藤原和博さんが、読書で得られるもの、読書の楽しさをわかりやすい文章で書き綴られています。
巻末には著者オススメの50冊のリストも。
付箋は35枚つきました。
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「なぜ本を読むといいのか」について述べた本。
成熟社会→一人一人が自分自身の幸福論を持たなければならないには激しく同意。「ジグソーパズル型思考」→「レゴ型思考」への転換という例えは面白い。「正解があってそれを完成させる」→「自ら何を造創るかから考える」ってこと。大前さんの話と一緒(「いかに正しくやるか」→「何が正しいか」)。マネジメント型からリーダーシップ型への変化とも言えるかも。
そして、藤原さんはそのために読書をする必要があると主張している。確かに…十分条件とは言えないけど、自分の考えやものの見方の幅を広げる必要があり、その手段の一つとして読書があるという点には納得できる。
まずは、「正しい」前提で読むのではなく「そういう考え方もあるね」、「自分だったらどう思う?」とするクリシン的な読書で、いろんなジャンルにまたがって300冊を読んでみよっと。本当に何か見えてくるかな…
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この本から得られた知識として、多読することによって多面的な視野で物事を見ることが出来るようになる。
色々な本には色々な著者がいる訳で、その色々な著者の「脳のかけら」を自分の脳に付けていくことで、柔軟な思考が出来るようになると。
最初の方から3分の2くらいは良かったけど、後半になるにつれて興味が減っていっていた。
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乱読でいい。
ひとつひとつに目的がなくてもいい。
ただひとつひとつの要素が、徐々に積み重なり、
そしてつながっていく。
そのために、積み重ねる。
しっかりと目の前の文字と向き合い、語り合うことで、この先の人生の糧となる要素が得られる。
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本を読むことによって得られることを説明した本。巻末付録は著者おすすめの本。
読書好きだし、相応に意味は理解して意識的に読むようにはしているが、読み方を整理する為に役立った。今後はそれをより活かしていくためにアウトプットを意識しつつ、視野を広げるため、ジャンル広く多読につとめたい。
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藤原氏が何のために読書をしてそれをどう生かしていくか、よく分かった。これからは本によりアウトプット力を高めて時代を切り開いていかなくてはならない。自分が自らの人生の主人公、本を読む人とそうでない人との階層社会、論理的な思考、クリティカルシンキング、情報収集力、他人に分かるように表現する力、自分の意見にまとめてつなげる力、学力の経済力。これからも趣味の1つとして本を読む意義を追及していきたい。
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著者が30代であまり本を読んでなかった頃の話で
純文学を読みなさい
と言われ、手にとった本が
宮本輝さんの「青が散る」
それ以来その作者の本をむさぼるように読んだ
という話が、、、
私が大学生だった頃とそっくり。
最初の出会いが良くて今でも大好きな作家さんは宮本輝さん。
どんな本に出会うかでその人のその後の読書は変わる
と思う。
最近はビジネス書ばかりで純文学最近読んでない。
人間の奥行きが出ないかも。
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これからの時代は、本を読まないと生き残れない!
という冒頭の主張に、とてもインパクトがありました。
それにつられて買ってしまった本です。
この本は、本を読む重要性をじっくりと説いているというわけではありません。
そうではなく、本を読む必要性について、ちょっと!早く気づかないとやばいことになるぞ!と、警鐘を鳴らしている類のものです。
なもんで、本は好きだけど、静かにのんびり、コーヒー飲みながら、それが読書でしょ?というタイプの人には、合わないかもしれません。
若干説教くさいところもあります(著者は校長先生をやっていた時期がおありのようなので、さだめかもしれません)
なぜ本を読まないとやばいのか?理由はだいたいこんな感じです。
「これまでの時代」は、お勉強をしていい成績をとれば、いい会社に入れて、幸せになれました。
でも、「これからの時代」は、自分だけのテーマ、意見、世界観がないと、とても生き残れない。
知識を溜め込んでいくだけではなく、それをどう組み合わせて、活用するかも大切。
筆者は時代の移り変わりについて、こんな持論を持っています。
そこで自分だけの世界観を構築するために、読書ほど適しているものはないと、そう言っているわけです。
ところで、巻末に「これだけは読んでほしいと思う本」というタイトルで、おすすめ本が紹介されているのはありがたいですが、なんと、その中に著者自身が書いた本が混じっていました!
とても共感するところの多かった本書。
ですが、作者のこの謎の行動には共感できません。
もやっとした気分になりました……
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初の民間人校長に就任し、「よのなか科」を立ち上げ、子供達に白黒ではなくて、その間にある考えることの大切さ、その間の微妙な所に立つこともあるというポジショニングを教えた藤原和博氏による読書の意義を説いた本。
自らの幸せを、自身で見つけてつくる必要のある時代。昭和のモーレツ社員には分からない悩み。ジグソーパズル型ではなく、レゴ型思考が必要だと言い換えることもできる。レゴを組み立てるように、自分で色も形もチョイスしながら積上げ、横に伸ばすような人生。必要なのは、決められたレールではない不安と闘う情報と。
そこで、情報編集力の大切さ。そして、コミュニケーション、ロジック、シミュレーション、ロールプレイング、プレゼンなどを磨くのに、読書が役に立つという。正解の無い時代を切り拓くのにこの力が必要になる。年間100冊を課し、多読によっていろんな本に当たりながら、特別な本に出会う。理想的な読書だと思う。自分も雑誌等も入れたら年間200冊くらいだけど、いい本もあればハズレもある。
子供に何で本を読まなきゃいけないの?と聞かれてどう答えるか。本書にはそのヒントがあった。
これだけは読んでおきたい本の紹介で、自分の書いた本の紹介に注力するあたりは、ちょっと残念ではあった。
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基本的には賛成の内容だが、この方がリクルート出身と聞くとなるほどと思うような誇大な表現や、自説への陶酔があるように感じる。
教育への言及はほとんどないのが残念。
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面白かった!
子供図書館を作るときに「いい本」だけ選んであとはすてるというのがすごく重要だと思った。入りに微妙な本を持ってきてしまうとしばらく本に対する不信感は抜けない。それは私も経験したところだ。
今は再販制度によって質が微妙な本が溢れすぎている。その中でどの本がいいのかというのは宝探しゲームになっていてこれはネットも同じである。
凝縮されたこれだけはどの知識をつけるにも大事という思考の技術の部分だけ抜き出されたものが必要と感じる。藤原さんが言うところの情報編集力をつける基盤になる本かと思う。
その主軸がある人かそうじゃないかで会話の成立可能性が決まる。
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読書を通じて知識のインプットを蓄積していかないと、自分の意見というものが出てこない
バランス感覚とは、世の中全体と自分との適切な距離感を保つことができる能力のこと
成熟社会には情報編集力:身につけた知識や技師を組み合わせて、納得解を導き出す力
一人一人が納得解をつくり出すレゴ型思考