紙の本
らくに生きるための人生指南書
2008/07/09 23:18
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近よく名前を聞く宗教系の評論家ひろさちやさんの楽に生きるための人生指南書です。
この世の中(俗世)は狂っている。
なら、狂って生きよう!!。
世間に迎合するなんてつまらない、ただ己のありのままを受け入れ、
自分の活きたい様に生きよう!。
ひろさちやさんは、生きる意味、人生の意味、生き甲斐まで否定し、
楽に生きるために、たまたま生まれてきた人生、"ついでに生きる"という概念を登場させています。
上手くいかないときなど、読んだことを思い出すと、落涙しそうになるのですが、
何か仕事または、作業に取り組む時は、目的を設定し、合理性を持ち出して効率性まで
心の中で設定してしまいます。
この心のゆとりと成果主義の狭間でどう自分を保つのかが、難しいです。
紙の本
「狂え、狂え」と申されましても
2008/05/01 20:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の主張を簡約すると、現代は世の中の基準から外れた人間に「狂っている」との烙印が押されてしまう。しかし、狂っているのはむしろ世間の方ではないか。それならいっそのこと、「狂者の自覚」を持つことで人はまともになれるという趣旨のエッセイだ。
世間はどう狂っているのかというと、拝金主義や競争至上主義や環境破壊の蔓延など。お定まりというか、とくに目新しい診断ではない。
では、この世の中を「革命」して「正す」ことで関係の逆転を計るのはどうだろうか。これは、もっと穏健な改革志向を含めて一切奨励されない。著者は例えば、学生に制服を強制しなくてもよいとけっこうラディカルなことをいう。しかし、だからといって、抗議のための運動などはおやめなさいという。
もっぱら自己の内面を変えることを推奨する。世間など高みから見下していればよいと、心構えの問題になってしまうのである。しかし、刃を向けようとしないのなら、処世術としては世間とうまくつきあっていくことを優先せざるを得ないのではないか。そうすると、「狂者の自覚」など世間を渡っていく上で邪魔なだけかもしれない。「狂いましょう」という過激?な物言いが、大げさなものにも思えてくるのだ。
仏教的にはそれでいいのかもしれないが、個人の内面にばかり問題を還元しようとする著者の姿勢には疑問も残る。
ただ、その流れで、もともと世間の「基準」から外れた「引きこもり」や「怠け者」は、そのまんまでいいと言っている。このあたりは、著者の眼差しのやさしさが滲み出ているところだろう。
著者が大学生のころ(1955~60年)は、議論好きな学生が多かったそうだ。マルクスやサルトルの影響が絶大だった時に、著者が持論として掲げたのが「人生は無意味」である。そして、人間は「ついでに生きている」存在なのだそうだ。いや、そういう捉え方も嫌いではないけどね。巷に流布している、「人は、夢や希望を持たなければ生きている意味がない」といった言説に対する解毒剤にはなるだろう。
ともかく、若いころから諦観的な考えを持った人だったようだ。宗教思想の方に行くのもむべなるかなというところか。
いいことも言っているのだけれど、突っ込みどころも多い本だ。だが、整合性はそれほど気にしないで、人生に疲れた時にこんな考えもあるかと、コーヒーブレイク的に読むのがふさわしい本なのかなと思う。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人目につくことをねらったタイトルなのでしょうけれど、逆に手に取りにくいかも……良い意味での「狂い」なんでしょうが。
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今は社会のほうがちょっとおかしい。
当代きっての仏教思想家である著者は、だからこそ「だだ狂え」、狂者の自覚をもって生きなさい、と言います。そうすればかえってまともになれるからです。人生に意味を求めず、現在の自分をしっかりと肯定し、自分を楽しく生きましょう。「狂い」と「遊び」、今を生きていくうえで必要な術はここにあるのです。
アリがまじめに働いてるのは2割という話は有名ですが、これが人間の世界でもあてはまる。
8割の怠け者の社員がいなければ、2割は優秀にはなれないとのこと、いい言い訳になりそう(笑)。
養殖のうなぎの稚魚をカナダから輸入するとき、最初は8割、9割死んでしまった。試しに、その稚魚の中にナマズを入れてみると(ナマズは稚魚をエサにする)、8割が元気だったそう。
稚魚にとって迷惑な存在だけど、その迷惑のおかげで生存できる。
人間関係でも当てはまりそうですね。
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なんか,深いんだけど,お気楽で良かったです。
仏教の教えを軸としてるんだけど,そんな難しくなかった。
こんなんでいいんだぁ・・・。
少し楽になれたかな?
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世間が狂っているのなら、その中で狂うことこそまともになる方法だと説く。世間に巻き込まれず、如何に自己を対象化することが出来るかが、宗教や哲学の本願でもあるのだ。一休宗純のように達観出来るか?
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「正しいことを言ってはいけない」が印象的。
憎しみや恨みは正しいことから始まるらしい。
結構いい本。
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どうせ世の中まともじゃないんだ。ならくるっちゃおうぜー。
って主張の本。
その「狂う」ってことが「世の常識を疑え」って主張なのはなんかわかるし面白いと思うんだけど、その具体例としてあげてある著者自身の「狂い」方がどうにもなじめず。
お金を頑張ってかせぐことはない、とか、みんな自由なんだから学校で管理することはないよ、とか。
昔どっかで聞いたことある考え方な気が。
人間の向上心否定しているような気がすんだよねこういう考えかた。
あ。でも「病気と闘うな」ってのはいいと思ったかな。
がんとかの病気を、手術とかで対処するのではなく、うまく付き合っていく。
そうすると苦しまないよー。って。
自分が実際そうするかは置いといて、そういう考えかたは確かにアリ。
でもやっぱりこの人の思想とは基本的に合わないな自分。
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過激なタイトルとは裏腹な、深い本です。さらさらと読めて、するすると頭に入ってきますが、深い。
1章 「狂い」のすすめ
2章 人生は無意味
3章 人間は孤独
4章 「遊び」のすすめ
という4章からなるのですが、第1章が一番本質的に難しいことを書いてあるなぁとしみじみしてしまった。個人的には、2章と4章が今の自分に響きました。
時々読み返したくなるような新書です
それにしても、最近の新書って(昔からかもしれないけれど)過激でキャッチーなタイトルが多いですよね。読んでからタイトルとのギャップに驚くことがあります。ま、それで私も興味を示したのだからこういうものなんでしょうね。
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人生に意味はない。目的を持ってはいけない。仏さまからいただいた配役を、のんびり、ゆったり、「遊び」の哲学でもってプレイしよう。世間は狂っているから、自分は世間から見れば狂っているという「狂者の自覚」を持つことでまともになろう。
力を抜いて楽に生きることのすすめ、かな。
著者も述べているけど、「こういう生き方があるのだと知っていることが大事」ですね。私は本書がすすめる生き方に全面的に共感はできないけど、こういう生き方もあるとは思う。
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・弱者
・頭蓋骨
・「どうです、釣れますか」
「釣れるわけがないじゃないですか。ここは風呂場ですよ。」
魚を釣るために釣りをする?
・そのまんま、そのまんま
2008/09/04
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クリスマスにプレゼントされた本。「狂い」と言っても、現代の日本の社会の中で、という事であって、意味合いはちょっと違う。ただ生きよ、ただ自分らしく生きよ、と言うことなのかな。
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『人生に意味なんてありません。「生き甲斐」なんてペテンです。』という帯につられて購入。
始めの方は「んんん??」と思ってしまう部分も多かったけど、途中からぐいと引き込まれる。
読みやすいけど、読む人の成長度合いによって読むたびに違うことが見えてきそうな本です。
「今を生きる」ということについて、とても考えさせられてしまった。
まだ分かってない部分も多いんだろな〜!
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今の世の中は狂っている。だから、あえて世の中の常識にとらわれず狂ってみる。それで漸く普通になるのではないか?
そんな問いがかけられている。
世の中には絶対的な弱者と強者がいて、弱者には哲学を持つことが許されていない、常識の奴隷となっている。
自由とは世間の常識によって判断するのではなく、世間とは違う自分の判断をすることである。
など、今の世の中で常識にとらわれずに自分を律して、本当の意味で自由に生きよう、そのために狂いなさい。
そんなことが書いてある一冊だと思った。
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「この世は夢よ、ただ狂え」
言葉とは裏腹に、彼の優しさが全体を包んでくれる。 宗教とはかくも優しいものなのか!