本の構造はユニークだけど、むしろそれで損している気がします
2010/09/24 20:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
前からも後ろからも読めるという本。
真中に袋とじがついてます。
恋人から「ミステリーツアーの目的地で待っている」というメールをもらって、樹海にはいった主人公。ツアー客は、一人一人と消えて行く。
「樹海伝説―騙しの森へ」のスピンオフともいえるだろう。
樹海の怖さとか、他人への不信が招く恐怖とか、面白いんだけど、袋とじでなんか興ざめした。
切るのが面倒だし、第一綺麗に切れない。せっかくの本が痛んだ感じがして、そのがっかりがせっかくの面白さを半減させてるように思う。
折原一は、樹海に魅せられているのだろう。
ただ、その結論というか成果、みたいなものが上梓されるには、まだ時間がかかるのかもしれない。
チャレンジ精神は大好きっ!!!でもソレと内容は別。
2010/10/17 02:02
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハジメマシテの作家さん。叙述トリックがお得意だと聞いている。
本書に関しては完全なる装丁買い。書店の新刊コーナーで平積みされているのが目についてしょうがなかったのだ。
よくよくご覧いただくとお分かりになると思うが、『黒い森』というタイトル表紙に二箇所ある。右上から一箇所。そして左下から上に向かって一箇所。これには意味がある。
本書のキャッチコピーは表からも裏からも読める本!。中にはこんな仕掛けが施されている。
「表からも裏からも読める本!」とは、表からスタートする『黒い森』一話が、そして裏からスタートする『黒い森』が一話、収められているということを表しているのだ。
ちなみに表スタートの『黒い森』には「生存者」というサブタイトル(?)が、裏スタートの『黒い森』には「殺人者」というサブタイトルが付けられていて、「殺人者」の方は上下逆に印刷されているという凝りよう。こういう心意気、大好きだーーーっ!!!
引き裂かれた男女の元に届いた「恋人」からのメール。メールの指示に従って男女はそれぞれ、ミステリーツアーに参加する。ツアーの目的地は樹海の奥にある曰くつきの山荘。そのツアーでの行程を男側から描いたのが「殺人者」、女側から描いたのだ「生存者」だ。
一見メタ構造の作品にも思えるのだけれど、単純なメタミステリではない。こういうチャレンジ精神あふれる試み、大好きっ!!!
なのだけれど…本の構造自体に対する「遊び心」に重きを置きすぎたからか、肝心のストーリーが荒いような気がする。先が見えない展開にそれなりにドキドキはするのだけれど、途中からちょっとやりすぎてしまってコメディに近くなってしまっている。
解説者は「唖然とした」というアイテムが登場するのだけれど、それも、このトリックに興味を持たないわたしでも容易に想像できる代物だったのであまりわくわくしなかった。
それでも!こういった「遊び心」はとても好みなので続編(になるのかな?)の『赤い森』も文庫化されたら読むつもりでいる。
投稿元:
レビューを見る
2010/9/1 Amazonより届く。
2025/2/14〜2/17
15年ものの積読本。
表紙の絵からわかるように、本の両面どちらからも話が始まる本自体に細工が施されている。生存者と殺人者のストーリーを読んでから中央の袋とじを開いて結末を読む、という斬新な仕掛け。これは電子書籍化は難しい、紙の本ならでは。
投稿元:
レビューを見る
※辛口です
「ミステリー・ツアーの目的地で待っている」
親に交際を反対され、駆け落ちを決めた樹里に、不可解なメールが届いた。行き先は、作家が家族を惨殺したと伝えられる樹海の山荘。ツアー客が一人、また一人と樹海に消える中、彼女は恋人が待つ目的地へ辿り着けるのか? そして山荘の一室で待っていたものとは…。
仕掛けはトリッキーで楽しいんです。表裏から呼べる装丁や、袋綴じもワクワクしました。でも、肝心の内容が・・・惜しいというか残念というか・・・
ツアーの目的に目をそらされているうちに、肝心の主役二人の最後に取った思わぬ行動に読者が「ぎゃふん」てな予想外の結末を演出してるはずなんですが、どうしても本の意匠が凝りすぎたせいで内容負けしてる気がします。犯人を推理することに主眼を全く置いていないので、そういう意味でも全く楽しめませんでした。というか、正直買ったことを後悔してます・・・(汗)
ただ、ミステリー好きな作家や編集者が楽しんで作ったんだろうな~という愛は感じましたが、それだけです。解説で稀作だ!と絶賛してますが、う~んそうか? コテコテのミステリファンじゃなければ楽しめるのかな?読むのに一時間もかからないのは良かった。
投稿元:
レビューを見る
表からも裏からも読めて、更に真ん中には袋とじ……という造りが面白かったです。生存者編→殺人者編の順で読みました。生存者編は、先の見えない樹海にハラハラしながら読んだのですが、殺人者編は似たようなシチュエーションに慣れてしまったのか、やや淡白に思えてしまいました。結末もそれなりに面白かったけど、わざわざ袋とじにする程の意外性は感じませんでした
投稿元:
レビューを見る
前からも後ろからも読めるという本。
真中に袋とじがついてます。
恋人から「ミステリーツアーの目的地で待っている」というメールをもらって、樹海にはいった主人公。ツアー客は、一人一人と消えて行く。
「樹海伝説―騙しの森へ」のスピンオフともいえるだろう。
樹海の怖さとか、他人への不信が招く恐怖とか、面白いんだけど、袋とじでなんか興ざめした。
切るのが面倒だし、第一綺麗に切れない。せっかくの本が痛んだ感じがして、そのがっかりがせっかくの面白さを半減させてるように思う。
折原一は、樹海に魅せられているのだろう。
ただ、その結論というか成果、みたいなものが上梓されるには、まだ時間がかかるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
本の表側と裏側の両方から読むことができ、
両方を読み終わった後に袋とじ部分を破って解決編を読むと
ひとつの話が完結する・・・という構成でした。
難しいものではないので、一気に読めちゃいましたが
なんとなくダラダラした雰囲気と、
人がどんどん都合よく死んでいくのがちょっぴり疑問でした。
どちらかというと、謎解きではなく恐怖小説を読んでいる感じがしました。
投稿元:
レビューを見る
<「ミステリー・ツアーの目的地で待っている」駆け落ちする二人の恋人に、同じ内容のメールが届いた。行き先は、樹海の奥、作家が家族を惨殺したと伝えられる山荘。ツアー客が一人、また一人と樹海の闇に消えてゆく中、恋人が待つ目的地へ辿り着けるのか?そして山荘の固く閉ざされた一室で待つものとは…。仕掛け満載、心拍数急上昇のサスペンス・ミステリー。>本の表から読む「生存者」編と、本の裏から読む「殺人者」編、そして解決編は真ん中に袋綴じ。このつくりは大変面白かった。ただ話はというと‥色々とそんなにレベルは‥という印象を受けたのが残念。
投稿元:
レビューを見る
「ミステリー・ツアーの目的地で待っている」駆け落ちする二人の恋人に、同じ内容のメールが届いた。行き先は、樹海の奥、作家が家族を惨殺したと伝えられる山荘。ツアー客が一人、また一人と樹海の闇に消えてゆく中、恋人が待つ目的地へ辿り着けるのか?そして山荘の固く閉ざされた一室で待つものとは…。仕掛け満載、心拍数急上昇のサスペンス・ミステリー。
裏表両面から読める・・・
表からは「生存者」、裏からは「殺人者」それぞれの視点から進む物語を読了後に、真ん中部分の袋とじとなった、いわゆる「解決編」の3部構成となっている。
興味引かれる構成で、サイコサスペンスっぽい展開にページは進む。
・・・が、回答編を読むにつれ、どこか尻すぼりな印象。
もうひと捻り欲しかった。
《2010年10月16日 読了》
投稿元:
レビューを見る
表からも裏からも読める装丁や、袋とじになった解決編など作り込まれた内容になっており、伏線もしっかり張っているのはいいのですが、ラストがあまりにも平凡というか大した盛り上がりがなく終わってしまったのがもったいない感じがしました。
投稿元:
レビューを見る
折原一にはいつも驚かされる。
この人はもう、ストーリーが面白いとか描写がどうとかいうことを超越しているので、この本を最後まで読んだらがっかりするとかそんなことは実はどうでもいいのだ。
この表紙を見ただけで、思わずニヤケてしまった。
読んでる最中のドキドキ感、ワクワク感は十分に味わえました。
それでいいのだ。
投稿元:
レビューを見る
「黒い森」折原一
本格ミステリ。乳白色。
表からも裏からも読める作品と銘打たれており、
表からの女のストーリーと、裏からの男のストーリーが、
全体のちょうど真ん中でクロスして解決篇の袋綴じがあるという、
なんとも凝ったつくりになっています。
まあこの趣向自体は面白そうだと思って本屋で手に取ったのですが、
ストーリーは今ひとつだったかな…
本のつくりが先行して、むりやりそれに合うようなストーリーを書いた感じ。
製本屋は大変だっただろうなあという同情を込めて(笑)、☆3-
投稿元:
レビューを見る
試みは面白かったが、なぞがいまひとつ・・・・
全体的に少し無理があるような
感じをうけた・・・でも、赤い森も読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
表からと裏からの二人の視点でストーリーが展開し、解決編が袋とじになっているという、なんとも凝った作り。。。。なのだが、ストーリーが残念かなぁ。
ツアーの目的もすぐ予想できるし、ツアーに紛れ込んでいる殺人者も動機があんまりだし。
大事そうにリュックに詰め込んでいた思わせぶりなものは、結婚に反対していた両親の頭だったりして、と恐ろしいことを考えつつ、読み進めたが、何のことはない、あれか・・・。あれとそれで、目的を達成って。まぁ、そうなんだけど。また失敗した、とかいいつつ幸せそうなのが、バカップル故か。
心中おだやかではない。 ・・・たしかに。
装丁に☆5かな。
投稿元:
レビューを見る
この本は普通に前から読むだけではなく、後ろからも読めるように
なっていて、真ん中が袋とじになっており結末が記されている。
前からは「生存者」後ろからは「殺人者」となっている。
生存者の主人公はジュリという女性、殺人者の主人公はルミオで
同じ現場を違う視点で捉えた物語かな?と思っていたらそうではなく
別々の話になっている。
「ネタバレ」
お互いの主人公がミステリーツアーに参加し樹海を行く。
ジュリはルミオから参加するように連絡を受け、ルミオはジュリから
参加するように連絡を受け参加するのだが・・・と言った感じで
ツアーの正体や2人に連絡した人物の謎が明かされる。