紙の本
古き良き時代だったのかも…
2002/04/24 15:23
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投稿者:キシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日露戦争というあまり興味のなかった出来事であったのに、読み終えるとこんなに重要性のあった出来事だったのかと思いました。秋山兄弟、正岡子規の三人を通してみる明治中期から後期の時代背景が手に取るように解り、只の歴史小説というより、三人の伝記を読んでいる気がしたし、また、歴史の中に自分が一緒に生きていたような気さえしました。
また、日本が何故太平洋戦争を起し、そして、悲惨なまでの終末を迎える結果がこの作品を読んで解り、歴史的にもこの作品が優れていると感じずに入られませんでした。
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「おれは、単純であろうとしている」
と、好古はいった。さらに、
「人生や国家を複雑に考えてゆくことも大事だが、それは他人にまかせる。それをせねばならぬ天分や職分をもったひとがあるだろう。おれはそういう世界におらず、すでに軍人の道をえらんでしまっている。軍人というのは、おのれと兵を強くしていざ戦いの場合、この国家を敵国に勝たしめるのが職分だ」
負ければ軍人ではない。
と、好古はいう。
「だからいかにすれば勝つかということを考えてゆく。その一点だけを考えるのがおれの人生だ。それ以外のことは余事であり、余事というものを考えたりやったりすれば、思慮がそのぶんだけ曇り、みだれる」(p.197)
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明治と言う時代を秋山兄弟と正岡子規の三人を通して描く。
この時代の人々の豪快さ、潔さ、必死さがひしひしと伝わってくる。
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「坂の上の雲」は、日露戦争をテーマに描いた小説であり、司馬遼太郎を語るときには、必ずと言っていいほど挙げられる本です。この小説が日本の高度成長期に団塊の世代の人達に読まれ、日本人としての誇りと勇気を与えたという話も聞くことがあります。
私が気に入っているのは、この小説の主人公である秋山真之と正岡子規の交友の部分です。正岡子規は俳人として有名ですが、実は記者として世界の中の日本を見ることを自分の使命として考えていました。しかし日清戦争従軍後、体の具合が悪くなり、結局自分の意志を実現することができなかったのです。しかし、秋山の方は軍人として欧州へ留学するなど、本当は子規がやりたかった事を次々と実現していきます。
アメリカ留学する親友秋山に病床の自分の想いを託して、「君を送り 思ふことあり 蚊帳に泣く 」という句を送りました。普段俳句など読まない私にも、正岡子規の俳句に込められた気持ちが伝わり、思わず涙腺が緩んでしまいました。読んで泣いたというのは言いすぎかもしれませんが、しかし、この本を読んだのが通勤電車の中というのがいけなかった。溢れそうになる涙を隠すのに、上向いたり瞬きしたり目をぐるぐる回して何とか抑えきりました。周りから見ると、変な人に思われたかもしれません。
この小説を読んで泣く人などいないと思いますが、じっくり読むと涙腺を刺激する場面がたくさんあります。NHKがテレビドラマ化しましたが、ドラマで見るのと原作を読むのとでは、感動の質が違うような気がします。
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明治の叙述詩です。
男の生き様とは、そして日本本来の強みとは、そんなことを考えさせられる物語です。
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松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。全八冊
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坂の上に見える近代化という雲を必死で追いかける明治日本。この時代には確かにあった『日本人らしさ』が僕には少し羨ましい。
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前々から読みたくてなかなか機会がなかったが
ついに読み始めた。
正岡子規、幕末日本の人々の思想が描かれていて
非常におもしろかった。
あと7巻楽しみです。
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日露戦争から100年ということでこの本を読む人が多いと聞いた。今の閉塞感漂う日本と比較し、国際社会の中での地位向上のために力を注ぐ「日露戦争の頃の日本」を美化して見る人もいるようだが。しかし、そのような見方ばかりにとらわれてしまうと、司馬氏がこの本で書こうとしている本質を見落とすことになりかねないと思う。日本が目指した「国際的地位向上」はいったい具体的に何をもって地位が向上すると考えられていたのか、そしてこの戦勝によってその後の日本がどのような道を歩み、現在に至るのか。歴史とは「あの頃」の過去の出来事として学び知ることではなく、そこから続く、今自分が立つ「現在」を知るための材料のひとつなのだから。
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俺は竜馬のファンだが、これは竜馬がゆくよりおもしろい。若者にはマジ読んでいただきたい。読み終えた時、この国に誇りを抱き、今を生きようと強く思える。決定的!
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日露戦争当時の日本軍のぎりぎりっぷりがよくわかる。
それでも大国ロシアに勝つんだからそりゃー爽快ですが。
毎回そう上手く行くわけじゃないから、よい子は真似しないでねv
個人的には日本の「幼年期の終わり」とでも言うべき話じゃないかと思ってます。
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明治とゆう時代を知り、近現代の日本の姿を見ることのできる作品だとおもいます。実際、高校生以上でないと難しいかも・・・。素晴らしい作品です。最終巻まで読んでね
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司馬遼太郎作。伊予松山の秋山兄弟を主人公に据え、日清戦争から日露戦争までを描く。現代史をほとんど教えない高校教育において次の4作品は重要。
(1)竜馬が行く (2)燃えよ剣 (3)翔ぶが如く (4)坂の上の雲
この4作品は江戸時代から明治時代への変遷のミッシングリンクを埋める作品である。
現代を生きる日本人にとって必読書のひとつ。
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竜馬がゆくに続き読んだ事で愛国心に覚醒した原因となった本。いかに近代日本の発展が神がかり的なものだったかがよくわかり、「明治すげー!日本すげー!」と思えること請け合い。
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初めてのシバリョー作品、初めてにしてはえらい長い作品を選んだやないかーい!
たまにつまらなくなる戦争手順の細かい説明などを盛り込みつつ・・・・でもそんなものはすっ飛ばす。
基本的に歴史っておもしろい。事実だからね。
1904〜5年に起こった日露戦争を舞台に、戦争にかかわる人間と、その周りにいる人々を描いている。
わかりやい言葉で丁寧に説明しているので、長い話だけど退屈はしない。
秋山好古、真之という海軍で活躍した天才参謀兄弟を軸に、世界の情勢、陸軍と海軍の関係、
日露戦争の勝利は奇跡に近かったことなど、話は行きつ戻りつ、又、遠くの方へ飛んだりしながら進んでいく。
日露戦争は決して日本が強かったから勝ったのではないと、日本がちゃんとわかっていれば、
あの忌まわしい太平洋戦争に突入しなくても済んだのだ。
とにかく読みごたえのある小説でした。