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パパラギ みんなのレビュー

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みんなのレビュー55件

みんなの評価4.1

評価内訳

55 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

パパラギの国。

2009/03/22 01:44

11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:AQUIZ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いつだったか、手にしたことがあるような気もしたが、恐らく紹介文か書評か何かを目にしただけで、実際に読んだことは無かったのらしい。古く、有名な本だったらしいが邦訳が文庫となったのは、これが始めてだとのことだったので。
「パパラギ」と云う、奇妙で理解しがたい風習を持つ人々について、ある身分の高い男性が同胞へ語ろうとした演説をドイツの編者が彼の意志に背く可能性をも冒しながら編纂したのが本書の原典だと云う。
 ツイアビ氏という語り手は、異様な格好を最善のものであると信じて着飾る「パパラギ」達を冷静に観察して同胞へ伝えようとする。不健康で、目的の判らない奇妙な着衣や装身具は、彼らの文化には存在し得ないものであるから、それらを辛うじて似た点を備えた自分たちの社会にあるものに例えて語る。誇張もせず、批難や侮蔑を飾り立てるため歪めることもせず、率直に、ありのままを語る。
 不可解で、矛盾に満ちた「パパラギ」達の慣習や思想をツイアビ氏は観察している。
 ただし、ツイアビ氏は暗く、貧しく、愚かで悲しい「パパラギ」達の生き方を自分たちと同じように変えようとは望んでいない。淡々と彼らの姿を同胞へ語り、「パパラギ」達が信じて求めている幸福や豊かさが、明るい光ではなく忍び寄る闇であることを警告するだけだ。
 まるでSFやファンタジィじみた異界の人々の観察記とも思える本書だが、比喩に満ちた寓話ではなく、素直に見たままを連ねたツイアビ氏の手記が原型である。
 では、この衰退し滅び行くような「パパラギ」達は、60年経過した現在、とうに死に絶えたのだろうか。
 実は、僕たちは「パパラギ」の生き方をツイアビ氏より良く知っている。
 パパラギとは、南海の島の酋長であるツイアビ氏らが白人(ここではヨーロッパ人)を指す言葉である。全身を布や革で無闇に被い尽くし、光も風も与えられない石の箱に住まう人々のこと。
 ツイアビ氏は、実際にヨーロッパの国々を見た。白人達が自分たちに与えようとした、彼らの思い描く机上の空論に過ぎない叡智が、いかに取るに足らないものであるのかを確かめた。
 新しいものを頑なに否定したのではない。未知のものを直感だけで恐れたのでもない。
 良いと勧められたものを無防備に信じることもなかったが、先入観だけで避けて通ることもしなかった。
 パパラギは、60年も前のヨーロッパ人のことであるが、僕たちの生活は今やパパラギと同化を経て、一層の暗闇へと向かっているのかも知れない。当時のパパラギとシャパニ…彼らの言葉で云う日本人…には、かなりの差異があっただろうが。
 パパラギも、シャパニも、あらゆる石の箱に住まう人々も、ツイアビ氏と同じ暮らしを営むことはできないに違いない。一年の半分を雪で覆われる僕の街が、彼らの島と同じく椰子の木に囲まれた、年中とても暖かな土地に変わったとしてもだ。
 仮に僕が、宇宙を隅々まで気軽に旅し、様々な物質を自在に操り、誰も餓えず、病に苦しむ者もない星へ視察に向かったとして、果たして観察すらも満足にできたものだろうか。
 ツイアビ氏たちの島には、両手の指で数え切れるほどの種類の食べ物に、同じ数ほどの道具しか存在せず、家には窓もない。物質量だけを比較すれば、彼らの文化は酷く粗末で貧しい。
 僕たちは、ビルも道路も、携帯電話もインターネットも破棄することはできないだろう。新しい物を得るたびに足りないものが次々に生まれていく。これを豊かさと発展であるのだと信じなければ、辛すぎて生きて来られなかったのかも知れない。
 それでも、大切なものだけは全部持っている南の島の人々のように、捨て場のないガラクタに埋もれながら、石の箱の中から出られなくとも、きっと光を探すこともできると信じたい。
 この1冊の「パパラギ」は、明るい海を渡る小さな舟。通り抜ける風。明日には昇る太陽だ。

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電子書籍

物欲からの脱出を

2020/05/13 10:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

南太平洋のとある部族の首長が、ヨーロッパのど真ん中に投げ込まれます。物質的な豊かさを追い求めてしまう、20世紀からの風潮に鋭い疑問を投げかけていました。

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2009/04/29 22:25

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2009/06/09 23:28

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2009/11/08 22:31

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2010/02/28 23:33

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2010/10/16 21:13

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2010/12/10 18:23

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2011/02/27 17:50

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2012/04/14 17:55

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2013/02/03 14:51

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2013/05/03 09:46

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