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内容(「BOOK」データベースより)
人民解放軍による悪魔の所業から逃れ、日本に潜伏中のウイグル人亡命団と、事件を追う女性ジャーナリストが襲われた。証拠隠滅をはかるべく送り込まれた中国の刺客。それを黙認する弱腰の日本政府と警察。絶体絶命の亡命団に、謎の男が救いの手をさしのべた。頭脳明晰、身体屈強。ロシア武術を極め、情報機関にも裏社会にも怖れられる存在―。こいつは一体何者なのか?その手がかりは、謎の言葉「カーガー」。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2016.3.24読了
面白い。
こういうスタイルの小説なので、ご都合だったり、浅いのは仕方ないと思うが、それらを踏まえても面白い。今、こういう痛快アクションハードボイルド小説で1番面白い作者と言っても過言ではないと思う。
ちょうど同じタイミングでハードボイルド小説を他に2冊読んでいたのだが、今なかなかハードボイルド小説が成り立たない時代、昔ながらのハードボイルドが似合わない時代なんだなと感じていた。
でも、月村了衛氏の作品は昔からのハードボイルド小説として充分成立させていて、そして面白い。
きっとあると思うが、シリーズ化を希望します。
映像化もね。
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非常に映像化しやすい、七月鏡一の世界とでも言えようか。「闇のイージス」や「ワイルド7」「24」が好きならドンピシャかも。
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雑誌記者の仁科曜子.中国のウイグル人迫害の話の取材を始めるが,接触したウイグル人が殺され,「カーガー・・・」という言葉を残す.曜子は暴力団菊原組の親分と定期的に懇談しているが,「カーガー」が何かと問うと親分の顔色が変わった,曜子は日本の潜入しているウイグル人と接触するが,直後に中国当局から追われる.曜子を守ろうとする菊原組にカーガーこと影村瞬一が加わり,強力な中国の殺し屋と対決するが,殺し合いの場面の記述が素晴らしい.影村の活躍でウイグル人グループを米国大使館に引き渡せたが,日本の警察は裏取引をして真相を明らかにしない.迫力ある展開で一気に読破した.
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中国政府による民族浄化政策で生き残ったウイグル人の亡命者を、日本人女性ジャーナリストとヤクザ、そして「カーガー」と呼ばれる伝説の男が決死の覚悟で守り抜く。
ウイグル問題など社会問題に関しては興味深く読めたのではあるが、「土漠の花」や「機龍警察」と違って、今現在の日本を舞台にしてしまうとどうしてもB級臭を感じてしまう。B級ハードボイルドが嫌いなわけではないけれど、「機龍警察」のような濃厚な作品を読んでいるだけにちょっと勿体ないかな。警察官僚の中国との癒着や、最後に綺麗に収まったオチなど、全体的に想像しやすい、ありがちな設定であったせいもあるかも。まぁ、何もかもが綺麗に終わるし、最後に明かされた影村との人間関係の繋がりには意外を感じて面白かったのではあるが。
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元警官が紆余曲折の末、武器も素手もいけるスーパーソルジャーとなり、中国政府に虐げられた人たちを助け、中国の特殊部隊と壮絶な戦いをする話。冒頭では主人公はジャーナリストの女性みたいだったけど、読み進めるうちに誰が主役かわからなくなる。また、共闘してくれるヤクザの中に「特殊」な奴がいて敵をバタバタ片付けてくれたり、使える「銃器」が充実してたりと、展開が都合よすぎる。ただ、つまらないのかと言われれば「そこそこ面白い」ので、著者の次回作もきっと読んでしまうだろう。
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面白かった。
戦闘シーンはもちろん、個々の人間の背景描写が明確で
、すぐに感情移入してしまった。
「リラックス」「呼吸」「姿勢」「常に動く」
何にでも通用する考え方。
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月村了衛祭り、手持ち本では最後の一冊。
人民解放軍による悪魔の所業から逃れ、日本に潜伏中のウイグル人亡命団と、事件を追う女性ジャーナリストが襲われた。証拠隠滅をはかるべく送り込まれた中国の刺客。それを黙認する弱腰の日本政府と警察。絶体絶命の亡命団に、謎の男が救いの手をさしのべた。頭脳明晰、身体屈強。ロシア武術を極め、情報機関にも裏社会にも怖れられる存在―。こいつは一体何者なのか?その手がかりは、謎の言葉「カーガー」。
極めて普通のアクション小説。やっぱり、「機龍警察」ぐらいのぶっ飛んだ設定の方が好みだな。
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本当にこの作者の機龍シリーズとの質の差は何だろうか。いくら中国の暗殺部隊を相手に素人を仲間に戦わなくてはいけなくなったとはいえ、伝説の男と称される男が自分の過去をペラペラと喋るものかね。伝説の男となった経緯をそういう方法でしか説明できないのもいかがなものか。もう機龍シリーズ以外は読まなくてもいいかな。
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月村了衛さん、「ガンルージュ」「槐(エンジュ)」面白かったです。この2冊は武闘派女性の息をつかせぬアクションでした。「影の中の影」(2015.9)も一息に読了しました。とにかくテンポがいいです。仁科曜子というジャーナリスト31歳とウィグル族を中国の特殊部隊から守ろうとするヤクザと「カーガー(沖縄の方言で影法師)」たる元警察庁キャリア。タイトルにあるように「影」たるカーガーが主役ですが、私としては随分「ヤクザ」に魅せられました!
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ゲラをいただいたので、読んでみました。
問題提起は最初だけで、後はずっと状況描写ばっかりなんだけど、娯楽としては、良いかな。
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機龍警察に続いて読んだ月村了衛氏の作品だ。『ガンルージュ』では、2人のスーパーウーマンが登場したが、今回は一人の女性ジャーナリストと超スーパーマン(影の中の影:カーガー)が登場する。余りにもあり得ない気がするが、今回も日本で中国人部隊が戦闘を繰り広げる。そしてこの中にある中国でのウィグル人差別が本当なら、恐ろしい話だ。
そして、余りにも恐ろしい日本の高級マンションでの戦闘!!!一気読みのエンターティンメント作品だ。
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国際的な問題をテーマに、ひたすらのエンタメに徹する筆致は相変わらず見事。今回はウイグルを巡る中国の陰謀。ただ、いくつもの不満もあった。
まず、とびきりの謎であるはずの「カーガー」の秘密と素性があっけなく明らかになってしまうこと。新藤をはじめとする任侠の味方の人数が多すぎ、その各々のエピソードが冗長に過ぎるということ。(新藤の単細胞キャラは邪魔だったし、殺人鬼の味方はいらなかった。)中国の蝙蝠軍団たるものがあまりに弱すぎるということ。国際社会、警察組織の闇のいちいちにジャーナリストたる曜子が過剰に驚きすぎるということ。曾埜田の悪役ぶりがステレオタイプ過ぎるということ。なにより、同じような戦闘シーンが長すぎて冗長過ぎた。
ストーリーの骨子は面白く、ラストシーンの余韻も好きだが、途中の戦闘シーンの中弛み感が半端なく、期待はずれだった感は否めない。
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2020/06/23読了
#このミス作品29冊目
元警視で婚約者を殺された主人公が
正義のヤクザとタッグを組み、
中国組織とそれに加担する悪徳警備局長と
戦う構図が面白い。
戦闘シーンも迫力満点のハードボイルド小説。
しかし中国共産党の新疆ウイグルに対する
陰謀パートについてはすごく生々しい。
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野心に燃えるジャーナリスト仁科曜子は、ネタとして追っていたウィグル族に関する情報提供者を目の前で殺されてしまう。
やがて曜子に接触してきた亡命者グループの人々は、中国がウィグル族の人々に対して行った数々の非道な民族浄化と人体実験の生き証人だった。
彼らを抹殺するために日本に潜入した中国の暗殺者たちから曜子たちを助け出したのは、『カーガー』と呼ばれる謎の男・景村。
そして、曜子を守るために送り込まれた武闘派暴力団『菊原組』の新藤をはじめとする男たち。
警察も、外交上の理由から彼らを守ってはくれない。
明日の朝6時までを生き延び、アメリカ政府の保護下に入ることができるのか。
…と書いてみると、なんてヤボなあらすじ。
ごめんなさい。
強大で理不尽な力に抗う亡命者たちのため、命を賭して闘う男達の血の熱さに、ヒリヒリしながら走り抜ければそれでいい!という感じ。
いくらでも非情になれる政治や暴力の世界に生きる男たちが、ときに抑えきれない人としての情のために、公には出来ない立場で誰かを救い出したい時、「影の中の影」である「カーガー」に全てを託す。
「人は裏切るものだ」と知りながらも、「決して裏切らない」と信じることができる相手を得た喜びは、汚い世界に生きているからこそ、得難いもの。
殺人に快楽をおぼえる異常者・樋口の中にさえ、感謝や思いやりの心があることにも、ぐっとくる。
こうしてみると、月村さんの作品が好きなのは、戦闘シーンを華麗に描きながらただの暴力礼賛にならず、女性や子供の陵辱をやたらと描かず、かといってただ弱いだけや色っぽいだけ、優しいだけの都合のいい存在として済まさないところかな。
いわゆる「ハードボイルドアクション」を読んでちっともスッキリしない時は、たいていこのあたりがダメで、勝手にやってろ!という気分になるんだけど、どうやらその匙加減がイイのです。