紙の本
コーヒーの科学的解説本としては然程目新しい所無し
2017/05/25 18:56
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投稿者:みゃーすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
コーヒーを科学的な切り口で捉えようとする著書は今までにも何冊か刊行されておりましたが、本書もタイトル通りコーヒーに関して科学的に踏み込んだ本で、医学系の著者らしい切り込み方で味覚や嗅覚をコーヒーの味に関係する分子を具体的に挙げて分子生物学的に解説しようという試みはなかなか良いと思います。
ただ著者の考え方の中に実証に基いていない部分があったり、後半でコーヒーの抽出をクロマトグラフィーとしてモデル化しようとしている部分には、さすがに無理があるように思えました。
コーヒーで行われる「抽出」とクロマトグラフィーで行われる「分離」はそれぞれ全く異なる原理に基づくものであり、分子スケール的に見ても粉の空孔と抽出される化学物質のスケールオーダーは干渉しないレベルの差異があり、更に固定層はあくまでも物質が移動相に出てくるのみであり、出てきた物質が固定層と相互作用するものでは無いからです。
そういう意味では金沢大学の名誉教授である広瀬氏が書かれた「もっと知りたいコーヒー学」の方が、実際の実験結果に基づいたきちんとした科学的解説を書かれているので、抽出に限らずコーヒーの科学的に正しい内容全般を詳しく知りたい方にはそちらの方がお薦めです。
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コーヒーを科学する
2016/05/18 08:30
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
単なる知識の羅列ではなく、医学者ならではの視点で分析された、良い一冊です。
特にコーヒー豆と発酵、遺伝的な味覚の違いなどについて、興味深く読みました。遺伝的なPTC味盲は世界の約3割が該当するとのこと(p110〜)。味の好みや違いがわかるという以前に、そもそも全員が同じ味を感じているかどうかも疑問ということになります。著者の専門的な知見によるアプローチは面白いです。
さらに、コーヒー文化における日本の独自性についても様々記載されているなど、はじめて知る内容も多く、参考になりました。
コーヒーの研究本として、オススメします。
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少し難しい
2021/02/04 15:23
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投稿者:くれーぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
珈琲の雑学を学べる本だ。ただし、ちょっと難しい。コーヒーが好きな人はこれを読むと豆選びなど買い方がちょっと変わるかもしれない。
私は、小さなコーヒーノキを育てている。
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コーヒー
2017/12/09 16:37
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投稿者:なほ - この投稿者のレビュー一覧を見る
コーヒーが好きで、単にコーヒーについてもっと知りたい、おいしいコーヒーを飲みたいと思い読み始めました。コーヒーの奥深さに感心します。面白いです
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植物学から淹れ方まで、コーヒーの知識を幅広く。
2017/04/29 17:07
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古い言い回しかもしれないが「コーヒーの百科事典」のような内容の豊富さである。
著者は専門が薬学で、長年コーヒーを趣味としてきた。その興味の「集大成が」本書だというのがよくわかる。
個人的には植物学を扱った章が面白かった。コーヒーとして利用している部分は種子のどの部分なのかとか、普及している種は倍数体であることとか。
生豆からの煎り方、抽出方法はかなり詳しい。薬物としてのコーヒーやカフェインの部分も要領よくまとまっている。
勉強になる面白い話がたくさんあって楽しめたが、コーヒー文化全体としては最近のものにもう少し触れてほしかったようにも思う。例えば最近広まってきたコーヒーマシーンでの抽出方法とか、缶コーヒーなどの液体で売られている物については触れられていない。これらはコーヒーとしてはどうなのか。保存料などの添加物や劣化の問題も気になるところなので著者の意見を聞きたいところであった。
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コーヒー博士になれそう
2016/11/30 06:55
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投稿者:こみこみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もうとにかくコーヒーについての情報を網羅している、といった本でした。文章もわかりやすくところどころ図もあって、NHKの番組を見ているような気分で読むことができました。コーヒーの科学、というだけあって理科のようなお話満載!新しい視点でコーヒーを知ることができました。内容もたくさんあって読み応えも十分!コーヒーとはなんだ、ということを知る良い機会になりました。
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コーヒー好きには
2016/04/26 19:36
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投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
興味深い話がいっぱい。これこそコーヒーを飲みながらじっくり読みたいですね。読み終わったあとはスーパーではなく珈琲屋さんで豆を買いに行きたくなるしちょっとしたコーヒー通になれた気がします。
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これはコーヒー業者にとっての教科書である。歴史から豆の買い付け、美味しさの表現、焙煎、抽出、健康情報に至るまで、そこまで調べなくてもいいのに、というところまで徹底的に調べたコーヒー百科と言っていいかもしれない。ただ一つないのが、肝心のコーヒー消費者にとって必要なコーヒーの淹れ方の技術。これがすっぽり抜け落ちている。
著者の気持ちは、分からないでもない。この本の中で、コーヒーの美味しさに千差万別があるのはひつこいぐらいに描いたし、そこに至るまでのヒントは豆の選定から焙煎・抽出までいくらでも描いた。理想的な淹れ方を描くのは無理だ。あとは自分で工夫しろ。ということなのだろう。
しかし、我々が焙煎まで出来るはずがない、豆の選定なども無理だ。ドリップ式は「中で起きている現象は、注ぎ方による濃縮具合の変化に起泡分離まで加わるという複雑さで」「奥の深い抽出法と言えるでしょう」と済ましている。だからこそ、私としてはもっとマニュアル化して欲しかったんです!!
コーヒーの薀蓄を語るのには、これ以上ないし、コーヒー業界にいる人には必携ですが、コーヒー好きの私にはイマイチでした。
2016年4月読了
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コーヒーについて手広くまとめられていて面白いです。あまり語られることのないコーヒーの植物学的な歴史について多くの知見を与えてくれますし、焙煎や抽出といった各工程の経験則を科学的に見てみようという試みが面白いです。コーヒーが引用されてきた歴史についても踏み込まれています。
面白いポイントはいくつもあるのですが、モカ豆の独特の香りが(本来取り除くべき)発酵豆にあるのではないかとか、コーヒーの香りを特徴づける成分だけを取り出してもコーヒーの香りにはまったくならないとか、この世界の複雑さをコーヒーから思い知らされた気分がしました。
コーヒー豆を選んだりいれることに慣れていて、そこにどんな作用が働いているのか関心のある方が読むと一番楽しめると思いますが、そうでなくてもコーヒーに関心があれば得るところの大きい本だと思います。
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文字通りの内容で、植物としてのコーヒーの来歴や特徴、コーヒーの効能に関わる成分、「美味しいコーヒーの淹れ方」の科学的な定義、そもそもコーヒーの美味しさとは何か、など。コーヒーを飲めるようになったのもここ数年の初心者にはひたすら「へーなるほど」の一冊。
読み終わったら、コーヒーを飲みたくなり、妊娠→授乳で控えていたコーヒーを、1杯/1〜2日ペースで飲むようになりました。
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あなたはどれくらいコーヒーを知っていますか?
豆の産地、品種、製法、なにが味を決める?
コーヒー豆は「豆」じゃない?
「すっきりした苦味」と「後に残る苦味」の違いは?
浅煎りと深煎りどちらがカフェインが多い?
「炭火焙煎で豆の芯から火が通る」は本当?
「コーヒーを飲むとがんになりにくい」は信用できる?
今では、我々の生活に欠かすことのできない嗜好品となったコーヒー。 その独特の香味はどのように生まれるのだろうか。自家焙煎店で培われた職人の技術と知恵を科学の視点で徹底分析。味をコントロールし、自分好みのコーヒーを淹れる秘訣が見えてくる。科学論文に基づく知見を踏まえて、コーヒーのさまざまな謎に迫る!
著者プロフィール:旦部幸博(たんべ・ゆきひろ)
1969年長崎県生まれ。京都大学大学院薬学研究科修了後、博士課程在籍中に滋賀医科大学助手へ。現在、同学内講師。専門は、がんに関する遺伝子学、微生物学。人気コーヒーサイト「百珈苑」主宰。自家焙煎店や企業向けのセミナーで、コーヒーの香味や健康に関する講師を務める。著書に『コーヒー おいしさの方程式』(共著、NHK出版)。
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新たな側面からいくつものコーヒーの魅力を教えてくれる本。ほんとにいい本でした。あとでブログでまとめよう。。
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歴史の話なども出てくるが、難しかった。途中でほぼ挫折。
コーヒーのことをしっかり勉強したい人にはいいのかも。
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タイトルの通りコーヒーのおいしさはどこで生まれるのか、といったことからコーヒーに関する雑学を満遍なくカバーしている。さすがブルーバックスシリーズ、素人でもわかりやすく科学に触れられる。
著者の本職はバイオ系の研究者。大学でガンに関わる遺伝子を研究したり、微生物学の講義を行ったりしているとある。どうやらかなりのコーヒーオタクで、本職でのスキルもフル活用してコーヒーの科学を追求しているようだ。参考文献を見てみると、沢山の学術論文が記載されている。
私たちがコーヒーを口にするまでには、
1.コーヒーノキの栽培、収穫
2.精製して生豆にする
3.生豆を焙煎する
4.焙煎した豆を粉砕する
5.粉砕したコーヒー粉からコーヒーを抽出する
といった工程があるが、それぞれで驚くほど沢山の要素があり、おいしさに影響する。この本はそれらの要素を科学的に説明しているわけだが、コーヒーから様々な分野の科学につながっていく。それが面白い。
更に言うと、
6.コーヒーを抽出して口に含んでからどのようにおいしさを感じるのか?
7.コーヒーを飲んだ後に体にどんな変化があるのか?(覚醒作用とか)
8.毎日コーヒーを飲んでいたら、体にいいのか悪いのか?
といったことまで扱っている。コーヒーに関する全てを満遍なく網羅していると思う。
個人的には、第4章の『コーヒーの「おいしさ」』がよかった。そもそもどういうものが「おいしい」のかは人によって違う。そんな難しい問題に対して、「味ことば」から「おいしいコーヒー」とはどんなものかを考えたり、人が味を感じる仕組みから考えたりしている。
「おいしい」というのは、突き詰めるととても奥深い。人によっても違うし、同じ人でも年齢と共に変化したり、精神状態によっても変わる。そんな風に、身近なコーヒーから広い概念を再認識できたというのが収穫かもしれない。
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「違いの分かるコーヒー」などというフレーズで宣伝しているコーヒーがある。コーヒーも人生同様いろいろある。濃い、薄い、苦いなどいろいろあるコーヒーについて科学したのが今回の本だ。
コーヒーのおいしさを表す言葉には幅がある。「焙煎した」、「まろやかな苦味」、「こくのある」などでコーヒーの味を表現する。これらは日本で使う表現だが、イギリスで使う表現についても言及している。「苦味 bitter」、「苦味が残る bitter aftertaste」、「煙 smoky」、「フルーティ fruity」といった表現を使う。コーヒーを表現するのに「苦味」は欠かせないようだ。
コーヒーを適度に飲むのは健康にいいという記事を読んだことがある。以前、コーヒーは健康によくないということを聞いたことがあり、いったいどちらが正しいのかなとふと思った。