非線形のモデル化
2022/08/12 08:56
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
同期現象やカオスなどの非線形に振る舞う複雑な現象をどう理論づけてモデル化するかが大変面白かった。数式がたくさん出てくるような形でなく日常語で語られており読みやすい。
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とても難しいが何とか理解してみたいと知的欲求をがんがん刺激される。「カルマン渦列」、ホタルが同時に発光する「集団同期」、「平均値プラスゆらぎ=分散」、硬貨の表裏の累積「ブラウン曲線」、海岸線の形成「フラクタル次元」、「スケールフリーネットワーク」
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リニアからノンリニアへ。というのは科学も人間も。と言っても人間はもともとノンリニア。その方向性で、考えてみたいことがたくさんあります。そうそう、フラクタルの話も出てきます。いや〜、理解するのにあと何十年とかかりそう。笑
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大学時代直接講義を受けたことのある蔵本先生の一般向け新書。数式を用いずに”平易”な文章で書かれた「非線形科学」についての入門書であるが、やはり一般の人に理解するのは若干難しいか。むしろ、非線形科学に興味を持つが専門書では敷居が高く感じている科学者にとって良い入門書となる気がする。
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この先生の授業は大学の時に受けた気がする。当時はよくわからなかった。今回、この本は楽しめた。新書だがレベルは高い。
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おもしろいんだけど,寝る前に読み出す気にならない.
自分の中では,お茶に持って行かないと読めない類の本.
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非線形科学に興味を持って,勉強を始めるのは良いが,その範囲の広さに戸惑ってしまう.本書では,非線形現象に戸惑っている私に鳥瞰図的にこの現象を眺めさせてくれる.決して読みやすい本ではないが,非常に新書らしい本である.
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言ってることはおもしろい。でもむずかしい。頭が途中で止まるww何度か読まなきゃほんとには理解できない。
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非線形な事象をどこまで捉えられるか。
後半は文系にとっては難しい内容。
聞いた話だが、90年代以降は
あまり進歩していないらしい。
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落下の法則、ニュートンの3法則なんかとは違う、不確定的な法則、反応、事実を調べる非線形科学について書かれている。
うちの学科ってこういうことをやるんだよなー、って再確認できる。BZ反応とか授業でやったしなー。魅力的だが、めちゃくちゃ難しいというのはあるが…
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P19
ある人の顔を構成する目、口、鼻あどの各部分ついてどれほど詳しい情報を持っていても、その人固有の「顔つき」はわかりません。顔つきはこれらの要素の布置から生まれる新しい性質であり、要素自体についての知識には含まれないサムシングだからです。(中略)構成要素の間の緊密な相互作用から生まれる新しい性質なのです。
P27
エネルギー自体が生まれたり消えたりすることはなく、その総量は一定に保たれます。エネルギー保存の法則を、このようにマクロな経験事実に即した形で述べるとき、それを熱力学第一法則という。
P35
燃え続けるロウソクが、燃焼によって生じるエントロピーを空気中に排出し続ける事で炎という構造を維持するように、エントロピーが絶えず外部世界に排出され続ける限り駆動力は維持され、システムは平衡から離れた状態を保つ事ができます。そこに生じる様々な形や運動を、ブリゴジンは散逸構造と名付けたのです。
P47
振り子時計はエネルギー変換の過程で生成するエントロピーをエネルギーと共に外部世界に排出し続けています。したがって、それはダイナミックな釣り合いによって安定した状態にある。それは外部世界に開かれており、かつ熱平衡状態から引き離された状態にある。このようなシステムを非平衡開放系と呼ぶ。
P54
熱対流は状況ごとに異なるさまざまな要因が絡んでいる。したがって、それらをそのまま研究対象にしても熱対流現象の核心を見抜く事は容易ではない。そこで熱対流が発生するための最小限の用件をみたしあまり重要でない雑多な要因をすべて除外して得られる単純かされたシステム、しかも実験室できちんと制御出来るシステムを作ってみる、という発想が出てきます。
→単純化されたモデルでの装飾=現実世界
P63
非線形現象の科学は、ミクロに基づいてマクロを理解するというよりは、マクロレベルで現れる創発現象をそのレベルにおいて理解する事を主眼としている。
P78
カオスの存在は、今日では誰の目にもまぎれもない現実です。この現実に人々の目を開かせる為に、あえて現実離れしたモデルを導入するというパラドクスがここにあります。それこそ、非線形科学の特色を鮮やかに示すものです。ローレンツモデルのインパクトは、熱対流はおろか気象学をもはるかに超えて、私たちの自然観さえ大きく変えてしまいました。
P119
対称性の自発的破れが広くみられる現象は相転移
P138
逆位相同期の面白い例
京都大学の大学院生 合原一研氏の研究によると、二匹のニホンアマガエルは逆位相同期で規則正しく交互に発生する。
P141
集団同期現象
サーカディアンリズムの場合、それは多くの微小な振動子から構成される集団が生み出すマクロなリズムだという事がわかっています。人間も含むほ乳動物では、サーカディアンリズムの発生源は脳の視床下部にある視交差上核という部位です。ここに二万個程度の「時計細胞」があって、それがリズムを刻んでいます。これらの細胞リズムが協調することでマクロなリズムを生み出しています。
P152
無数のリズムに��ちた自然、そのようなリズム間の同期から構造化してくるような自然。
P189
「現象の複雑さを、ただちに多くの要因が絡む事による複雑さと考えてはならない」
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今後のライフワークと言うか、自然観の基礎となる事が詰まってます。
集英社新書ってよく知らなかったけど、こんな素晴らしい本が出てるとは。
蔵本先生の入門書ですが、初心者には十分骨のある本です。
数学者の本ですが、計算科学を志す人は是非とも読んでおきたい本。
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新書でこれだけの事を丁寧に書いてくれる事は
非常に有り難い事だと感じます。
非線形とものが、もともと、どのような出発点から始まったものなのかを簡略的に知るには適した本です。
しかし、数式がなさ過ぎる分、わかりにくいような気が個人的にはしました。
でも、本職でなくても読んでいて興味は尽きない本です。
動的な要素の相互作用がどのようなかたちを生み出していくのかと、想像を掻き立てられます
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[ 内容 ]
自然界の秩序は、どのように生み出されているのだろうか。
すべてのものがエントロピーを生成し崩壊に向かう物理法則のなかで、どのように森羅万象が形づくられているのだろう?
自然にでき上がる模様などのパターン、自ずと同期するリズムや振動―実は、意思を感じざるを得ないような不思議な自然現象にも、複雑で手のつけようのなさそうな現象にも、明快な法則・能動因が潜んでいる。
そして、非線形科学は、これまでの科学とは異なる視点から、その動的な機構を明らかにする。
私たちに新たな自然観を与える非線形科学について、第一人者が分かりやすく解説した、知的好奇心を刺激する入門書。
[ 目次 ]
第1章 崩壊と創造
第2章 力学的自然像
第3章 パターン形成
第4章 リズムと同期
第5章 カオスの世界
第6章 ゆらぐ自然
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「カオス・フラクタル・同期現象」といったかっこいい専門用語の知識を得るだけで満足してはならない。
重要なのは、非線形科学という学問の枠組みが現実の自然現象にこれまでの物理学とは異なった新たなものの見方を与えていることなのである。