電子書籍
2作品
2016/12/20 14:24
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投稿者:ユミル - この投稿者のレビュー一覧を見る
2作品それぞれで新しい視点を見せてくれました。少し怖さを感じます。新たな気持ち悪さ、気味の悪さを感じるのには一番だと思います。
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
音楽の道を歩む感性に優れた女性。論理的な理系女。長期間にわたる2人の友情を通しての、バーチャルな音楽作りの物語。着想の面白さは本人によるものか、編集者のアイデアか。それはともかくとして、一皮むけた朝井氏があり、強者になったとの印象。音楽業界の小説は五木寛之氏の「演歌の竜」が最高峰だろうが、本作もそれに近づいている。しばしばドーナツが小道具として使われているが、氏の年代だけにドーナツ盤の連想するのはOVERか。表題作と「レンタル世界」が一体になっているのも頷ける。
紙の本
なんともいえない読後感
2018/07/06 09:54
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編『レンタル世界』…面白いですね!いずれこういう時代がくる、いやもう来てるのかな?と感じさせる話(^^)中編『ままならないから私とあなた』…幼い頃からの女性の友情、距離感を独特の構成で読みやすかったですが、えっ!これで終わりという感じで、まさにままならないでした(笑)続き書いてよ的な、何かモヤモヤ、すっきりしない読後感でした(^_^;)どちらの話も価値観、考え方が誰が正しいのか、自分は登場人物の誰に似ているんだと考えながら、何が正しく何が正解なのかわからなくなる話でしたね。
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ままならなすぎて、読後スッキリしません笑。
もやもやもやーーーっとしてて、湊かなえのリバースを思い出した、なんとなく。人はもちろん死んでませんが、厭な小説。
朝井くん、女の子? って聞きたくなるくらいいつも女子目線が上手。
はじめのレンタル世界はオチがすんなりわかったのでビビることはなかったけど、園子温の紀子の食卓を思い出したなー。レンタル家族、レンタル彼女。紀子の食卓のときよりもいまはわりとそのレンタル◯◯が浸透しているのかな。
そして表題作。
小学校からはじまるんだけど、非合理的なことは一切排除する薫みたいな女と、まっすぐで純粋なまま生きる雪子とではどちらの方が生きづらいのだろうと、なんとなく思った。
雪子の言葉がうまくでてこないところ、伝えたいことたくさんあるのにどうしても言葉として列べることができないあの感じ、すごく丁寧に描かれてる気がする。
ままならないわ、ほんと。
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【多くの人が同意する価値観は、本当に正しいの?】効率や利便性を重視する薫と、無駄で意味のないことにこそ温かみが宿ると思う雪子。仲良しだった二人の人生はどう進んでいくのか?
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短編の「レンタル世界」と表題の2作品。
どっちもよかったなー、わりと好きっつーかw
軽くホラーというか、ブラックというか・・・こういうの、もっと書いてくれると朝井さんも面白いかな。
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同僚の結婚式で見かけた、新婦友人に一目惚れ。後日、偶然出会った彼女は全く違うプロフィールを語っていて…「レンタル世界」
主人公の男の考えがうざったくて、最後に彼女からバシっと言われていてスッとした。
無駄と思えることは全て切り捨ててきた薫と、切り捨てたものにこそ大切なものがあると信じる雪子。幼なじみの二人は真逆の価値観を持ちながらも仲良く友人関係を続けていたが・・・「ままならないから私とあなた」
この二人、最後はどうなるんだろうとモヤモヤしながらどんどん読み進められた。薫の言う事も雪子の考えもどちらも共感できる。どちらかというと私は雪子側の人だけど。
どちらの作品も、現代の多様化する価値観とそれに伴うサービスや技術など新しいものの登場にどう向き合っていくかというのがテーマなのかな。
これまでの自分では受け入れがたい新しいものに直面したとき、なるべく考え方を柔軟にしながら取り入れられるものは取り入れたい。それで自分も新発見をしながら変化できるのかもしれないし、変化を楽しめる自分になれたら。
最後まで読みきったあとに、だからこのタイトルなのねと納得できたのが嬉しい。
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ままならない人間関係や社会を描いた素晴らしい二篇。変化する世界でどう生きていくのかを問う表題作が秀逸。異なる価値観を持つ二人の女性の対比が見事。著者らしい感性で描かれる物語はむちゃ面白い。
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人工知能が小説を書く時代である。
ましてこんなことは可能だろうと思う。
でも、もし、そうなったら、著作権とか、
もしかしたらこんなことになっちゃうかもしれないよ~~。
というものが、きちんと過去から積み重ねて書かれていた物語だった。
そこに、朝井さんお得意の女の子の細かい気持ちなんかが挟まれるものだから
何だか、変な感じに盛り上がってしまった。
だからこそ、最後はギャグのような終わり方だった。
もう疲れた~息切れした~勘弁してって、朝井さんの愚痴が聞こえてきそう。
もう一つの違和感は、なぜこんな短編を前につけたのか?
ここで十分後味を悪くさせておいて、さらにというところを狙ったのか?
最近の朝井さん、よくわからない。
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やっぱり朝井リョウさん好きだなー、新刊これからも買いたい。今まで好きになった作家さんとはまた違う気持ち。このひとが何を考えてなにを書こうとするのか見ていたい。
表題作も良かったですが、個人的には「レンタル世界」のほうが分かりやすくぐっと突かれて好きだったかも。主人公みたいな人嫌いだわ〜うざいわ〜えええ主人公と同じ考えなの朝井さん???と思ってたらそんな安易なわけなかった。
表題作も2人ともにいらっとした笑
なんていうか、朝井さんの書くひとたちは、こう、良い具合に整えられていないというか……レストランだし、一見そんな個性爆発を目指しているわけではないのに、普通するよねっていうような盛り付け方をしてないかんじ?なんていったらいいんだろう、うーん。無難な整えで口当たりを誤魔化さないかんじ。
だから彼の書く、決して完璧でない登場人物たちは、わたしたちが他人事として鑑賞者になりきることができない。上に見たり下に見たり、気持ちよく憧れたりかわいそがったりできない。時には真横に、時には後ろに、時にはすこし前にいて、「君たちと同じなんだよ」と、読み手をざわざわさせる。そのすごさ。
同い年というのもあるからか、なんだか、読んでわたしも戦わなきゃいけないなあという気になる。べつに社会のあり方を、とか大袈裟なことじゃなく、考えよう。目を瞑らずに、しっかりと見て、考えよう、と。
ああ、これからも色々なものを書いていただきたいなあ。たくさんの人間を書いていただきたいです。
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多くの人がなんとなく感じているけれど言語化できない感情、日常の中にある澱のようなものを書くのが相変わらずうますぎる。
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「レンタル世界」
レンタル家族、レンタル恋人、レンタル友達・・・。
よくある設定、オチもわかってしまったが、面白かった。
「ままならないから私とあなた」
小学校時代から仲の良い雪子と薫。
無駄なものを排除し効率性を求める薫、ごく普通の感覚の雪子。
だからなんなのだろう。
最後まで何もおこらず退屈だった。
(図書館)
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手にとってから、一気に読了。二つの物語のどちらも興味深かった。どちらも人間の価値観、なのかなぁ…。一つ目はレンタル友だち、レンタル彼女など人間関係をレンタルする人の話。ニュースでレンタル彼氏という仕事があると知っていたけど、こうして本で読んでじっくり考えると…複雑。そして表題でもある二つ目「ままならないから私とあなた」読んでいるうちに、なんとなく想像はつくけれど、重視するものって人それぞれなんだなぁと。私は主人公のユッコちゃんタイプの考えなので、逆に薫ちゃんの言葉にハッとさせられたり。うーん、深いなぁ。あー楽しかった!という本ではないけど、心地よい読み終えた時の疲労感(いろいろ感じるものがあった)がある。
効率は、必要。だけど、感情は自分だけのもの。
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朝井リョウさんらしい作品でした。
現代的というか、あり得そうな近未来的というか、とにかく「今の時代」を切り取り、独特の表現力で物語を紡ぐのが朝井リョウさんだなぁって感じます。
「レンタル彼女」については、先日読んだ「リップヴァンウィンクルの花嫁」でも結婚式の代理出席が出て来た為、余計リアルに感じました。
表題作については、少し唐突な終わり方で物足りなさがありましたが、テーマはとても興味深いものでした。
何でもかんでも自動化され、いつかロボットが人の手に代わり労働力となるなんて言われているこの現代ならではの小説だと思います。
何が正しいのかなんて、答えはないなと思います。
代理出席が悪い、全て自動化して効率を追求することが悪いなんて、言うのは簡単だけど、物語の最後に薫が語る主張には耳を傾けざるを得なかったです。
「人間関係だけは合理化できないし、何も省けない」と主張する雪子。
でも一方で、「レンタル彼女」の様な世界が存在し、その中でも言われている様に風俗やキャバクラで気軽な関係性を楽しんでいる人なんてごまんといるわけで。
何かそうゆう矛盾を朝井リョウさんはちゃーんと突いて来ますよね。
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朝井さんの小説はいつも現代を明確に切り取っている。いろんな方向から切り取るから立体的。あまりにも正確だから、読んでいる最中は爽快感よりもちょっとずつ傷つけられていく感覚がする。すごいな朝井さん。