企業経営者の必読本です。
2016/11/03 14:03
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投稿者:ズンベさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
例え奴隷であっても効率良く働かせないと生産は落ち、主人(経営者)の利益を圧迫する。 規律の為にも締めるべきは締め、やる気を起こさせる為に褒美も与える。 企業経営者(特に中小企業の親父)にとって、必読の一冊でしょう。 勿論、中間管理職も読まなければ、リストラの対象になってしまいます。
内容最高、読みにくさも最高
2015/10/17 00:18
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は非常に刺激的で面白い。今まで知らなかったことも多く書かれており良書であることは間違いなしです。ただし、読みにくい!とあるローマ時代の貴族が語るという設定で書かれているのですが、私には非常に読みにくいものでした。内容だけを粛々と記述した方が良かったのではないかと感じます。
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投稿者:mikado - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代ローマの奴隷制度には現代の資本主義と通ずるものがあることがよくわかる一冊。
世間一般がイメージする奴隷というと、かなり酷い扱いを受けているような印象がありますが、意外に自由を与えられていたりしたようで、現代企業で必死に働く社会人とどちらが優遇されているのか、と考えさせられました。
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古代ローマ時代、侵略の結果に得られる財産である奴隷。どうやって手に入れるか、買うか、共に暮らすか、しつけるか。その際の主人の心得とは。
ニヤニヤしながら面白がって読む現代の読者は、あれ、これってもしかしてカイシャの作り方だっけ? と本の表紙を見なおすかもしれない。
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著者は古代ローマの貴族だ。といっても、実在の人物ではない。解説者であるジェリー・トナーが作り出した架空の人物だ。トナーは英ケンブリッジ大で古代ローマの社会文化史を専門とする研究者。本書では架空の同時代人に語らせることで、ローマを支えた奴隷の仕事や暮らしぶりを生き生きと描写してみせた。
古代ローマには奴隷があふれていた。正確な統計は難しいが、首都ローマでは3人に1人が奴隷だったと推定される。彼らは田畑を耕し、家長の食事の準備や洗濯、掃除などあらゆる家事をこなす。富裕層にとって奴隷所有は生活水準を示す指標でもあり、手紙の朗読や代筆、食事の時の演奏のためだけに専門の奴隷を持つ者もいた。
興味深いのは、家長が奴隷を単なる「使用人」とみていたわけではなく、自らが支配する集団「ファミリア」の重要な一員と考えていたことだ。ファミリアの繁栄には奴隷の働きが欠かせない。家長は良い働きをした奴隷には相応の報酬を与え、時には結婚も認めるなど、その管理に細心の注意を払っていたという。
解説者のトナーはセネカなど古代ローマ人の著作を史料に、当時の奴隷に対する価値観を読み解く。それでいて内容は堅苦しくない。古代ローマ社会を知る入門書として役立つ。橘明美訳。(太田出版・1800円)
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こんな本が欲しかった1これであなたも一人前の主人になれる。もう悩まない。>>>訳者あとがきより。
会社に置き換えると笑えない^ - ^
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ローマの奴隷制度についてローマ時代に書かれたという体で書かれた本。
奴隷に対する主人のあり方は、翻って現代の会社組織にも当てはまることが多々ある。
焼きごてとかされないだけましか。
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これほど昔から人間が人間を差別し、労働させるという考え方があり、それがのちの植民地、黒人奴隷などにつながっているんだろうと思う本
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古代ローマ人の目から見た奴隷管理法
奴隷制は古代ローマの全時代を通して社会の基盤、あまりにも当然のもの、いらないと言う人はいませんでした。
英米の奴隷貿易では、黒人は本質的に奴隷であり、白人に劣るとされた、古代ローマ人は人種的区別を論じたことがない、解放奴隷が次々に同胞に加わる社会、ローマ人の多くが奴隷の子孫
解放奴隷、人は希望があればどんな苦しみにも耐えられるか、絶望すれば自暴自棄になり何をしでかすか分からない。
実務から見た奴隷制、どんな時代にもその時代特有の矛盾があり、人間社会はそうした矛盾を頭の片隅で感じながらもつっ走る傾向を持つ、
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古代ローマ人マルクスは、ケンブリッジ大のトナー教授が生み出した架空の人物です。自ら経営するファミリアでの経験や見聞を元に奴隷の扱い方を指南するマニュアル仕様で、奴隷制から見える古代ローマ事情を生き生きとわかりやすく教えてくれます。「古代ローマ人の24時間」を彷彿しました。こんな感じで日本版が書ける才人はいませんか?古代は勿論、平安期の奴隷も実態がわかりません。
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ローマの貴族マルクス・シドニウス・ファルクスが書いた奴隷管理法、という体裁をとって、
古典研究者ジェリー・トナーが書いたギリシア・ローマ時代の奴隷についての解説書。
訳者あとがきにあるように「こんな本が欲しかった! 古代ローマ人が奴隷管理法を語るタイムトリップガイド。生身のローマが見えてくる!」という、ローマ時代の生活には、切っても切れないというか当然のように存在した奴隷について、様々な文献の記述から、いまそこに見えるように生々しく平易に解説した本。
奴隷の立ち位置、奴隷との付き合い方の基本、奴隷の買い方、奴隷への罰の与え方、奴隷の解放について等々、記述は詳細かつ多岐にわたる。
そこには、貶められた獣のように扱われ使役される奴隷ではなく、主人の所有物という法的な立場はもちながらも、存在を認められ、働き、生きた、奴隷という存在が見えてくる。
著者は、「しかし、いくら存在を認められとはいえ、今の時代にはマルクスのように奴隷制を容認し、それを正当化する人はいない。しかし、現代はどの国でも奴隷制は違法であるといっても、奴隷状態に置かれているひとはたくさんいる。Free The Slave というNGO団体の統計によれば、暴力で脅されて労働を強要され、給料ももらえず、逃げる希望さえない人が2700万人いる。現代社会には、古代ローマのどの時代より多くの奴隷がいるのです。」と、本書を締めくくる。
さらに、現代社会には、消費を煽られることによって精神をコントロールされ、給料をもらい自由に生活しているという形をとりつつも、自分の精神は縛られ、稼いだというお金は搾り取られ、老後はクズのように捨てられる、より多くの奴隷的立場にある国民が多くいる。それに強く矛盾を感じた。
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代々奴隷を扱ってきて奴隷の扱いはお手のものという架空の人物・マルクスが語る奴隷管理方法の本。ケンブリッジの教授さんこんな遊び心のある本だしちゃえるんだなぁ。
これを読んだ誰もが思うでしょうが、現代の会社と似ている。勿論ここまではしないよってこともあるけど奴隷の方がマシじゃないのこれってこともある。
奴隷を不当に傷つけたり殺したりが禁止されていたり、自殺未遂歴を開示しなきゃいけなかったりしたのは知らなかった。また開放された後も主人のために働くのが当たり前だと思われてたことも。この辺りもプライペートの時間って何それな会社に通じるところがあって微妙な気分になった。
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某国民的アイドルグループの公開処刑的記者会見を発端に色々考えさせられたが、その際にTwitter上で紹介している人がいた書籍。
現代日本のあり方にも通じる部分がたくさんあり、面白くもあったが色々と考えさせられる本であり、なるべく多くの人に読まれるべき本だと感じた。
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本書のタイトルを見て、眉をひそめた方も多いかもしれません。
「奴隷」などという理不尽な存在を「しつけ」るなんて、まるで奴隷制を正当化しているようではないか、と。
いえいえ、そんな意図は毛頭ありません。
奴隷制は今やどの国でも違法ですから、本書も当然、過去の「奴隷制」を扱っています。
しかも、それは当時、「当たり前」のものでした。
過去に「当たり前」にあったものを、現代の価値観で断罪する態度はいけません。
謙虚に受け止める姿勢が必要でしょう。
と、前置きがやや長くなりました。
ローマ帝国時代の奴隷制とは、実際にどのようなものだったかを紹介しているのが本書。
奴隷の買い方から活用法、罰し方まで、豊富な文献を渉猟して実に詳らかです。
たとえば、奴隷の「価格」。
平均的な値段は、15歳から40歳までの健康な成人男性が1000セステルティウス(最低限の暮らしなら年に500セステルティウスあれば家族4人がどうにか食いつないでいけるのだとか)、女性は800セステルティウスだったそうです。
成人男性でも40歳を過ぎると800セステルティウスに値が下がり、60歳を超えると400セステルティウス前後というから、何だかリアルです。
多くの方が想像するように、奴隷にとっての日常は過酷なものだったようです。
主人のために農作業その他の労働に励み、手を抜けば鞭打ちなどの体罰が待っています。
ただ、主人にとって奴隷は決して安くはない「資産」という考え方が広く共有されており、当時のローマ人は一般的に奴隷の酷使や虐待に批判的だったので、めったやたらと体罰が振るわれたわけではありません。
むしろ主人は、賢明であればあるほど、大切な「資産」の価値を損ないかねない体罰に頼るのではなく、奴隷が自分のために懸命に働くよう教育に腐心しました。
また、奴隷は懸命に主人のために尽くせば、いずれ解放されるのが一般的でした。
解放に関する主人と奴隷の間の取り決めは法的拘束力を持ち、主人がそれに従わなければ奴隷は都市長官に不服を申し立てることができたそうです。
そうして解放された奴隷の中には、大きな権力と莫大な富を得た者もいました。
それだけでなく、才能ある学者や作家として優れた業績を残した解放奴隷もいたそうです。
普段とは逆に主人が奴隷に給仕しなければならないお祭りがあったことや、逃亡奴隷や解放奴隷を組織して皇帝とローマ軍の鼻を明かし続けた義賊の話など、実に興味深い記述ばかりで読んでいて飽きません。
内容だけでなく、本書の構成も振るっています。
語り手は、奴隷の扱いに慣れた古代ローマの貴族「マルクス・シドニウス・ファルクス」という人物で、この人物が実に生き生きとしているのです。
もっとも、そんな人物は実在しておらず、これは本書の実際の著者で、古代ローマの社会文化史が専門の大学教授ジェリー・トナー氏の創作。
しかも、章ごとにトナー教授が最後に「解説」を添えるという凝りようです。
読物として実によく出来ています。
さて、私は冒頭で、奴隷制が過去のものであるような趣旨のことを書きました。
では、��奴隷」はもうこの世に存在しないのでしょうか。
著者は「あとがき」の解説で、フリー・ザ・スレイブスというNGOの推計を引きながら、暴力で脅されて労働を強要され、給料ももらえず、逃げる希望さえもない人々が2700万人もいると紹介しています。
そして、次のように述べます。
「現代社会には、古代ローマのどの時代よりも多くの奴隷がいるのです」
私たちは、果たして「奴隷制」のあった時代から進歩したといえるのでしょうか。
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奴隷がどのようなものであったか、分かりやすく、読みやすい。また、現代にも通ずるところもあり読む価値があると思う。