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さまざまな病気?が出てくる短編集。それぞれラストが良かった‼
2014.12.18
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久しぶりの加納朋子の短編集。まったく独立してるのかと思いきや、微妙にリンクしてることに最後の話で気づく。加納朋子自身の病気の経験が最後の話にはかなり反映されている。
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題材にされているこの手の特殊な病気というのは、ミステリの世界で使うと「一般の人が知らない専門知識をトリックとしているだけ」「だからロジックもへったくれもないご都合主義的な解決になりがち」で、得てしてつまらなくなりがち。
それに対して、加納さんのこの本の中では、これらの病気を題材にすることが、物語とその謎に対して浮いておらずちゃんと意味を持っている。そしてささやかとはいえ解決にきちんとサプライズも用意している。うむ、やはり加納さんはこの辺がうまい。
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クスッと笑えて驚かされて、そしてホロリとさせられる短編集。人の暖かさを感じられる話ばかり。読んでよかった。
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加納朋子さんの新刊は、ほんわかした作品から、胸をえぐるような作品まで揃っているが、ミステリー的な展開力も光る、一筋縄ではいかない作品集である。
「トオリヌケ キンシ」。僕もそうだったが、子供は寄り道したくなるもの。そして好奇心旺盛だ。「トオリヌケ キンシ」の札の先には…。嫌な奴だと思っていたらら、最後にこんなどんでん返しが。詳しい経緯を敢えて省くのはうまい。
「平穏で平凡で、幸運な人生」。平穏で平凡なことのありがたさを、そんな人生を全うする難しさを、我々は普段意識しない。妻の迂闊さに突っ込みたくなるが、こんな輩が現実にもいそうで怖い。オチは何となく読めたが、まあめでたしということで。
「空蝉」。優しかったお母さんが、ある日豹変した。虐待の描写がしんどいが、最後まで読み通してみると…。こういう事例は実際にあるのだろうか。「ぼく」を救った「タクヤ」の背景にも注目したい。違う方法はなかったのかという気がするが…。
「フー・アー・ユー?」。タイトルのまんまです。こういう症状の人を知らないが、彼は自覚しつつも普通に生きていた。そんな彼に告白したのは…。いくらでも深刻に書けそうなネタだが、加納さんは甘ったるく料理したのでした。
「座敷童と兎と亀と」。亀さんが兎さんに訴えました。座敷童がいると。亀さんの家に行ってみると、おいおいおい…。びっくりな真相と展開、そして安心の結末は、まさに加納ブランドであり、本作の一押し。兎さん一家を敵に回したくはないな…。
ラストを飾る「この出口のない、閉ざされた部屋で」。最初は気づかなかった。加納さんのあの作品を読んだファンなら、なるほどと思うだろう。加納さんご自身の経験に基づいているとだけ、書いておく。それだけでもネタバレだが。
ほぼ年一作ペースで、良質な作品を送り出す加納さん。重すぎず、軽すぎず、だから共感できる。事情により一度は崩れたペースが、元通りになったのは一読者として喜ばしいが、何よりもご自身の健康第一で。って、完全にネタバレだな。
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特殊な病気、特異体質に悩む人たちが主人公の短編集。優しいミステリーに仕上がってて、重たい暗い内容でも最後には明るい兆しがあったりして、ホッコリする後味が好きです。
なかでも印象に残ったのは「空蝉」。幼児虐待の話で読んでで凄い辛い…。でも、どんでん返しは一番効いてます!!
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図書館で借りた本。
6話からなる、短篇集。
どの話にも、「普通」の人は持っていない特徴を生まれつき、あるいは後天的に持っている人が登場する。人と違うことによって問題が引き起こされたり、生きにくかったりを、悲壮感なく教えてくれる本。
心温まる話もあり、特に相貌失認(人の顔が識別できない)の男の子の話が良かった。
世の中には、いろいろな特徴を持っている人が、それらと上手に付き合って生きていることを知った。
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加納さんの新刊が読めること、ほんとに嬉しい。
生きててくれてありがとうと思う。
短編やけどちゃんとミステリしてた。
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6つの短編集に共通するのは『特殊』なもの。
こんなものがあるのか、というほど
すべて違うもの。
最後だけ、一体何の夢落ちなのかと思うほど
前半奇妙な世界。
2話目の『特殊』は、警察官にでもなったら
検挙率がよかったかもしれません。
が、平穏と自分を貫く(?)のが一番です。
最後の落ちに、こういう女いるな…と思いました。
5話目の座敷童。
うまくどうにかいったな、という話。
しかしおじいさん、己の家の不審に
とっとと気がつきましょう。
いやでもタイミングがあれなので
この立場になると、そう思うかも…。
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障害や病気に焦点をあてた
短編ミステリーでありながら
深刻にはならずに
ほんわかとした雰囲気はくずさない
ところが流石の加納作品。
なんとなく聞きかじって知ってはいた
障害のことも分かり易く
そういう点でも興味深く読めた。
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ステキな短編集でした。
加納朋子さんも好きな小説家です。
トオリヌケキンシ
ある時トオリヌケキンシという小径を見つけた。
進んだ先には「…ボロいうち」があった。
無邪気な行動の先にあった救い、いつか気づく救い、いつか救われる救いへと繋がっていた。
気持ちの良い読後感です。
平穏で平凡で、幸運な人生
共感覚を持った少女のお話。
もっと早くに気づいていれば…。
気持ちを揺さぶってくれました。
ほっこりする読後感です。
空蝉
ちょっと怖いお話。
ちょっとじゃなかったかも。結構ホラーテイストなミステリー。
ほっとする読後感です。
フー・アー・ユー?
「あなたは誰?」
僕は顔を認識できない。それがわかった時、世界が変わっていった。
こんな子どもがたくさんいます。こんな子どもは自分に起きていることを不思議に思いつつ孤独に戦い合っています。
って、切実な症状を幸せな特徴に昇華してくれる青春を感じた読後感です。
座敷童と兎と亀と
「座敷童がね、家の中にいるみたいなんで」
ユーレイ?のお話と思ったら、家族愛のお話でした。
おじいさんの特徴が謎解きに。
ぎゅーっと締め付けられるセリフが印象に残った読後感です。
この出口の無い、閉ざされた部屋で
「私はあなたを呪います」
ネガティヴワードをポジティブワードに変えてしまえる魔法の少女。
非日常的、だけど現実にある厳しさ、その中に希望を添えてくれる。
生きていく、それが読後に灯った感情です。
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短編6編。
どれもほっこり和める内容。
トオリヌケキンシなどという看板があったら、入っていってしまうよなぁ。どうなっているのか気になって、気になって(笑)。
子供の頃(小学生のころ)、狭い家と家の隙間に入り込んで「どこへ続いているのだろう? あぁ、こんな所に抜けられるんだ」と思って通り抜けてたことを思い出す。あー、懐かしい。
あの狭い通り、隙間はまだ存在するのだろうか?
あったとしても、体のサイズが違うから入れないわよね〜。
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短編って苦手だったんだけど、この本を読んでその評価が変わりました。
どの章もあっという間に、その世界に引き込まれてインパクトの強さが半端じゃない。
こんな凄い作家さんがいたんだ!ってびっくりしました。
【トオリヌケ キンシ】
普通の小学校3年生男の子と女の子の思い出話だと思って
いたら・・・最後のプロローグで、意表をつかれました。場面緘黙症っていう病気で人と話が出来なかったあずさの病気を治していた田村君。
自分がひきこもりになって、それを知って訪ねてきてくれたあずさに初めて過去の事を聞かされて、それが彼の未来を開くと予感出来るエンドが泣けるくらいとっても良かった
【平穏で平凡で、幸福な人生】
共感覚っていう人と違った感性を持ったサワ。
自分の生後10か月の赤ちゃんを誘拐され、赤ちゃんの命が絶対絶命でハラハラ、ドキドキ。
解決策が見事でした。
【空蝉】
優しかったお母さんがある日突然、家の中だけタクミ君を虐待しはじめる。
もう怖くて怖くて、どうなってしまうのか?ハラハラ。
最後の最後の意表をつく、大どんでん返しが素晴らしかった。
【フー・アー・ユー?】
相貌失認の佐藤君と醜形恐怖の鈴木さんとの可愛い恋物語。
「あなたの彼女だよ」って福耳を真っ赤に染めて答える鈴木さんとっても可愛いかった。
【座敷童と兎と亀と】
自分が脳梗塞になり、入院している間におばあちゃんを失くしてしまい、一人きりになってしまったおじいちゃんのお話。
座敷童の正体が分かって、幸せそうに散歩する姿が良かった。
【この出口の無い、閉ざされた部屋で】
ひきこもりで、夢を見て生きている伊東君だと思っていたのが、現実は無菌室に閉じ込められている患者さん。
その彼を現実に引き戻した緑野さん、彼女のはかない思いが悲しかった。
1編1編がすべて印象的で、超感動\(^o^)/
何の迷いもなく☆5にしました(^_-)-☆
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久しぶりの加納朋子さん。
『ささらさや』で加納ワールドに引き込まれ、
他の作品をかたっぱしから読んだことを思い出します。
この本で今まで耳にしたこともなかったような病名を知りました。
つらい現実も、ほんの少し見方を変えるだけで本人も周囲の人も楽になれることもあるんですね。
なにより加納さんの本をまた読めることがうれしいです!
『ささらさや』また読み返します。
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どの作品も重い内容ながらラストに救いの希望の光が垣間見える作品たち。
最後のストーリーは作者自らの体験あってこその着眼点なのだろう。
残念ながら涙が出るほど入り込める長さがなかったのが残念。