紙の本
奴隷解放前夜のアメリカ南部
2018/05/27 22:45
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『風と共に去りぬ』は映画はテレビで見て、昔、漫画を読んだことがあります。
このたび、岩波文庫で新訳が出たので、読んでみました。
第1巻を読む限りでは、けっこう読みにくい本です。
でも、南北戦争の頃のアメリカの様子が分かるので、歴史の本を読む感覚で読みました。
奴隷解放前夜のアメリカ南部。
「あとにも先にもこの時代ほど女に備わる自然な資質を低く見積もっていた時代はなかった。」という記述がありますが、人権を軽んじる文化は、一部の人権だけでなく、どの人権をも軽んじるということでしょうね。
差別する者は、差別の世界の中にいるということです。
電子書籍
新たな魅力
2018/05/16 04:27
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
新訳改訂版で読みやすく感じました。長編シナリオながらも、あっという間に物語の世界観へと惹き込まれていきました。
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まだ物語は始まったばかり。
スカーレットの性格は極端だ。女からは嫌われるのは当然だが、周りの男も本来の姿を知らずにいるのは馬鹿だろう。
どうなるのかわからないけど、この性格が良い方向へ転べば、現代的な女性の価値観を持って共感できそうだが。
とにかく、この巻ではスカーレットは馬鹿女だった。子供だった。
この歳まで、風と共に去りぬは、小説も映画も観たことがない!
知っていることといえば、映画のジャケットのヴィヴィアン・リーと、黒髪黒ひげの男性、そして「明日は明日の風が吹く」。
現在は「明日というのが日がある」と訳すらしいが。
クラーク・ゲーブルがにやけた濃いおじさんで映画を観る気がしなくて。
でも、読み終えたら、鑑賞する。
まず、翻訳選びで迷う。新潮文庫か岩波文庫か。
検索していくつかの意見を読んだり、文章の出だしで、なんとなく岩波文庫の方が合ってるかなというのと、簡単な登場人物紹介、地図、解説、年表、注釈と、付属がたくさんついているので選んだ。
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タラ農園での物語の幕開けから、スカーレットがアトランタ行きを決めるまで。鴻巣訳の方を先に読んだので、切れ目が変な感じに思ったけど(やっぱり1巻でレットと踊るところまで読みたいと思ってしまった)、原作を見たらこちらの切れ方が原作通りだった。
やや、一人称やなまりの使い方がいわゆる「翻訳文!」という感じがありますが、基本的にはとても読みやすく、また注釈が丁寧で嬉しい。やや文章が堅苦しいかと思っていたけど、なぜか人物の気持ちがスッと入ってきて分かりやすい。特に、鴻巣訳を読んでいた時はアシュリーが何を考えているのかが常に地の文を読んでも謎のままだったのだけれど(あえてスカーレットの混乱を表現しているのかも?)こちらの訳は「アシュリーがメラニーに親愛の情に根付く深い愛情を持ちつつ、同時にスカーレットを女性として愛している」という感が打ち出されている印象を受ける。と同時に、レットのメラニーへの尊敬・親愛の情もよりクリアに感じる。言い回しが率直だからか、読むのが2回目なので余裕があるからかは分からない。
この物語は常に、スカーレットが何を考えているかはとても明晰なのだけれど、スカーレットが物事を深く考えない質(と何度も言及されている)なので、周囲の男性の行動原理が正確には分からない、といったタイプの小説な気がしていたのだけれど、思ったよりそうでもないのだろうか? マーガレットミッチェルは、本当は巧みな形容詞遣いなどで、男性陣の気持ちを読者に対しては提示しているのだろうか、という気になった。要検討。
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請求記号:933.7-MIT
[1]
https://opac.iuhw.ac.jp/Akasaka/opac/Holding_list?rgtn=2M020290
[全6巻]
<鈴木英子先生コメント>
私は、社会で認められる女性として生きようと決心してから、多くの困難に遭遇しました。幾度となくスカーレット・オハラ(主人公)の強さを思い、ここまで来ました。
<BOOKデータ>
1861年4月、南部ジョージア州。大農園主の娘として育った16歳のスカーレットはある日、生まれて初めて試練に直面する…。南北戦争とその後の混乱の時代を、強靱な意思の力で生き抜いてゆくスカーレットの人生と激しい愛を描いた長編小説。新訳。作品に多角的に迫る「解説」、物語の背景がみえてくる。丁寧な注釈・関連略年表付。[1]
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(全6巻あわせての感想です)
とにかく自由奔放なスカーレットがかっこよかったです。アメリカ南北戦争前後に起こった価値観の変化の中で、女性であることをハンディキャップにせず、激動の時代をたくましく生き抜いていく彼女の半生は読んでいて楽しかったです。後に奴隷制度を肯定しているような記述が問題になったらしいですが、そういう時代だったんだから仕方ないと思います。
訳に関しては読んでいて特に気になるところはありませんでした。旧訳も新潮文庫版の訳も、もちろん原文も読んだわけではないので大したことは言えないのですが、自分にとってはこの程度の読み易さであれば十分満足です。
むしろ気になったのは本文以外の編集で、全体で第一部から第五部の構成なのになぜか全六巻になっている点はまだいいにせよ、各巻の冒頭にあるネタバレ満載の主要登場人物紹介は何とかならなかったのでしょうか。話の流れに合わせて各巻で記載を変えるくらいの配慮はあってもよかったのにと思いました。また巻末の訳者解説も、力作ではあるのですがさすがにちょっと長すぎる気がします。そういう意味ではこの岩波文庫版は、初読の人が純粋に物語を楽しむためのものというよりは、原作の背景などをより深く調べたい人向けの研究本・資料本といった位置付けなのかなあという気がしました。
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父のアイルランド気質を強く受け継いだスカーレットが、動乱の時代を強く逞しく生き抜く物語。映画では本当に短くしか取り扱われていない箇所だが、父や母の出自まで細かい描写があり、時代背景を知ることでより理解を深められるような気がした。
p254「われわれ南部人の問題は、旅行をあまりしないこと、旅行をしてもその経験を十分に生かさないことです」という言葉が心に刺さる。何を見て何を学ぶかを大切にしたい。
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スカーレットの激しい情熱や南北戦争禍のアメリカでの生活が読んでいて美しいと感じました。
人種差別がまだ当たり前で身分制度も厳しい時代が、今の時代しか知らない私を当時のアメリカへ連れて行ってくれました。
⑵も読もうと思います