紙の本
興味深い項もあるが…
2016/11/19 17:45
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投稿者:コーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
カトリックと政治の項は興味深かったが、全体としてはやや論点が散漫になっていたように感じた。
著者はアメリカ政治が専門ではないので仕方ないが…
紙の本
カトリックの信者さんが書いたアメリカ合衆国のキリスト教
2016/06/21 21:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中公新書の「バチカン近現代史」でカトリックに改宗したユダヤ人やその子弟達を見捨てた「神の代理人」ピウス12世エウジェーニオ・パチェッリを「擁護」するような内容を書いた人の本なので、どうしても節々にカトリック色を感じてしまう。
福音派は反カトリックの集団だが、保守的な教義が従来型のカトリックには親和性があると見える。
ワクフの事をよく知らないのか、パレスチナ全体を神に寄託した財産だと書いている。またイングランド国王の座に宗教改革以降、カトリックの信者が就いていないと間違った事も書いている。メアリー1世やジェームズ2世が国教会の信者だったのだろうか?
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【熱狂的なキリスト教信者は大統領をどう選んできたか】宗教票の争奪戦といわれる大統領選。狂信的な福音派の影響力、最大の浮動票・カトリックの変遷。神国アメリカの宗教地図を俯瞰する。
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最も近代的な国アメリカで、キリスト教が大統領選や政治・社会の場に根付いているとは知らなかった。テロ問題も宗教と密接に関わっている。
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アメリカにおける宗教と政治の結びつきについて解説したもの。アメリカにおけるプロテスタント、カトリックの歴史を紐解きながら、具体的などのような政策、政治家が支持されていったかということが示されており、2016年の大統領選の状況についても、ごく簡単な記述がある。
アメリカ宗教史とでも言うもので、概観するレベルを超えて、結構子細な点に渡っている印象を受けた。基礎的な世界史、アメリカ史、アメリカの政治についての知識がないと難しいと感じる。ただ、アメリカの歴史を宗教の点からとらえ直し、新たな視点が得られるという面白さがあった。
例えば「禁酒法とカトリックの関係」(p.58)では、「アイルランド人のステレオタイプなイメージから生まれた偏見」(同)に基づいて、反カトリックの政治団体やプロテスタントがアイルランド系への嫌がらせをした、と解釈できるというのは新しかった。そういうカトリックが、「反共」の立場で「共産主義的な傾向に陥りやすい労働階級などの低所得者を、反共産主義的な社会運動に導く」(p.64)として、地位を向上させたという事実は興味深い。さらにルーズベルト大統領のニューディール政策によって労働者の地位が向上したことで、カトリックの地位も向上し、ケネディ大統領につながったという事実(p.67)も納得できる。また、妊娠中絶や同性婚が争点になる理由については、宗教的な視野を入れずして語ることができない。ベトナム反戦運動と相まって出てきた「性の解放」運動への反動として、「伝統的な結婚観や家庭観を取り戻したいと考えるプロテスタントの保守層から、カトリックが唱える妊娠中絶反対という考え方が支持を得るようになった」(p.90)というところで、カトリックとプロテスタント福音派が結びつき、政治的な問題になっていく、ということらしい。
一方、プロテスタントの話では、まず「ピルグリム・ファーザーズ」よりも前に「十六世紀後半のエリザベス一世の時代、すでにヴァージニア州への入植は始まっていた」(p.105)というのも知らなかった。だから「先に入植していた英国国教会のいるヴァージニア州などを避けて、アメリカ北東部に多くが移住」(pp.105-6)したらしい。あと、汎アメリカ主義の起源ともなったジョン・ウィンスロップの「丘の上の町」という説教(p.111)は、確か他の本でも確認した気がする。
ユダヤ・ロビーの外交への影響力についての話で、「キリスト教シオニスト」という章があるのも興味深い。パレスチナ問題とかイスラエルとか、何度か説明を読んでその時は分かっても、結局覚えていられないので、難しい話だった。次いでブッシュ、クリントン政権でのキリスト教勢力の動きについては、カトリック票がどういう動きを見せるかということが興味深い。「福音派もカトリックも六〇年代までは多数派が民主党を支持していた」(p.220)という事実が重要だと分かった。また、オバマの就任式に立ち会ったウォレンという福音派の牧師のように、「妊娠中絶や同性婚に反対する保守であるが、貧困問題や環境問題についてはリベラル」(p.222)という人たちもいて、単純に保守とリベラル、共和党支持と民主党支持に分けられないことも分かる。それにしても、福音派���派の「温暖化で洪水など天災が増加し、貧しい者がより貧しくなる」(p.224)ので貧困問題と環境問題は表裏一体、というロジックが面白いと思った。また、同性婚と中絶問題は同列に扱われる印象があるが、若干温度差があるということが分かった。中絶は殺人だから許せないが、同性婚は心情的には嫌だけれど反対する理由もないし、もう全米で合法化されてしまったし、という感じ(p.225)らしい。そして、トランプ支持の理由として、「白人のいわゆるWASP層の、特に男性が、少数派に転落する危機感からトランプを支持して」(p.227)いるという事実は納得だったが、さらに意外なのはヒスパニックにもトランプ支持が多くいるという事実(同)だった。「すでに米国に入国した移民層の間に、トランプが主張する『強いアメリカ』を支持する層がいるから」(pp.227-8)らしい。
一読しただけでは複雑な状況を整理するのは難しく、いっそのこと図式化とかして解説して欲しいくらいだが、いかにアメリカで政治と宗教が繋がっているのかということを知ることができた。(16//08/16)
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複雑怪奇の感のあるアメリカの宗教事情。プロテスタントとカトリック、左派と右派。もはや何でもありに見えるのは宗教感の無い日本からは捉えどころがない。
敢えて言うなら、既得権益化した産業のなかで暮らすサラリーマンが自分に都合のいい社会観とそれに反する価値観とが争うのと近いのかも。
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日本が必死に一体化をめざしている米国ですが、それは果てしなく不可能だというのが、これを読むとわかります。
英国からのピューリタンの移住からはじまるキリスト教とのかかわりと変遷を、時系列に並べて昨年のトランプ大統領誕生まで明らかにしていますが、そこに信じられないほどの宗教的な動きがあり、それに熱狂する米国民がいるという現実を見れば、この国だけは一体化できるはずがないと実感できると思います。
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いや、これまた良書です。ほとんどの日本人が知らないであろう、アメリカにおける宗教と政治との関わりの歴史についての概説。先日の、『アメリカと宗教』(中公新書)も良書と思いましたが、こちらの方がより読んで面白いかも。まあ、どちらも良書と思いますが。
2016年刊なので、トランプ大統領の誕生前までなのが惜しく、同著者による「その後」の解説もお願いしたいところです…。
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アメリカでは宗教が集団を構成する大きな力として働いている。宗教、特にキリスト教が政治を強く左右する。アメリカの政治や歴史を理解するにはキリスト教を抜きには出来ないと思った。
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アメリカの政治と宗教の関係について。
絶対切り離せないものなんだと思った。最近アメリカで中絶についての法律でデモが起きていたのでタイムリーだった