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許すことが出来ないのも、人間だからしょうがない。その事であまり悩まず、その事を胸の中に置いて懸命に生きた方がいいと言う提案に近づきたい。
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許せないのなら、私は許さなくていいのではないかと思う。
今日の午後、あらたに許せないものと出逢っても、これは私には許せないナ、
とつぶやきポケットに入れてしまえばいいのではないか。
大切なのは、許せないものをわざわざ目の前に引っ張りだして凝視しないことである。
許せない自分だけがダメな人ではなく、皆それをかかえて生きていることを知ることである。
ーーー以上抜粋ーーー
長年心の中で、とりたてて考えず漫然と行っていたことを、
きちんと言葉に置き換えてもらったような気がする。
私の思いを肯定されたようで嬉しかった。
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ある人がすすめていたそうなので、読んでみました。
が、内容があまりないのか、読み手であるこちらの責任なのか、あまり得るものはありませんでした。
得たもの(知識)としては、伊集院静が昔野球をやっていたことと、松井秀喜の人間としての素晴らしさぐらいでしょうか。
重いテーマについても、気軽に読めるテイストになっていますが、全体的に肩の力を抜き過ぎな印象。
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たしかに『許す』って。なかなか。
若い頃おとなになるって『認める』『認められる』って。
こと、かも。などと、思っておりましたが。
『許す』ことかもねぇ。おとなになるって。
〜忘れることができないのは承知で、大人は若者に告げなくてはならぬことがあるのだ。〜
そして、読んでいる時にみつけたの。
アメリカのユーモア作家 Josh Billings
There is no revenge so complete as forgiveness.
〜許すこと、それ以上に完璧な復讐はない。〜
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伊集院静氏の著作は何冊も読んでいるが、少し御沙汰してしまった。この「許す力」も「大人の流儀」から2つ跳んでいる。
自分は許せないんだな、ホント。心が狭いからさ。でも「許せないならそれでいい」と言っていただける。
「家人の『くれぐれも思慮に欠けた行動は・・・』」でブレーキをかける。伊集院氏といえども奥方の言葉が御自分を制御されているらしい。
氏の著作は大好きだが、どうしてあれほどの美形の女性達があんな飲んだくれの博打うちになびくのか、納得できなかった。いや、日本の女性も美しいだけじゃない、捨てたもんじゃないということだ。
飛ばした2冊、買いに行こうっと。
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この人あんまり好きじゃない、と思いつつこのシリーズだけは読み続けてしまうのは何故でしょう。
それはやはり響く言葉があるからなのかなぁ。
許すということは確かに心がけだけでは出来ることではありません。許さないけど続けていく、関係を断ち切らないというのも大切なことなのかもしれないと本書を読んで考えました。
(引用)
忘れることができないのは承知で、大人は若者に告げなくてはならぬことがあるのだ。
人はさまざまな事情を抱えて、それでも平然と生きている
大切なのは、許せないものをわざわざ目の前に引っ張り出して凝視しないことである。
じーんと心に染みていく言葉です。
特に響いたのは
(引用)
風景には残酷な面がある。かわらない景色というものは、時には残酷な面を持っている。
と言うところ。私はこれと全く真逆のことを、変わらない風景を目にして感じたことがあります。
何が起きても変わらない景色があるというのは慰めになると。
人によって、あるいは人の心情によって風景は優しくも残酷になる。自然が人間に対して感情を持たずにそこにあるからそうなるのでしょうね。
そしてこの真逆の感想を持ってして、私はやはり著者とは合わないんだろうなぁと思います。(笑)
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それは選手としての能力もあるが、それ以上にドラフトで起きた桑田真澄との事件を黙って耐え、迎えてくれる球団があるなら、そこへ行くと決めた潔さだった。
「時間がクスリになります。それまで踏ん張りなさい」
どんなに精神がまいったとしても、いつか立ち直って再出発できるのが人間だとも書いた。
"人はさまざまな事情を抱えて、それでも平然と生きている"
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「許す」がキーワードのエッセイは最初と最後だけ。初めて読んだ、伊集院静。この年代の人特有な表現が薄く、なんだか嫌味なく頭に入って来た。ただ、一箇所、「付き合ってきた女達にうんぬん」と女達を見下す文章があったけど、そこ、自分の鏡と思いなさいよ。どうして、そんな女と付き合う男はましと思えるわけ?それぐらいしか、反感抱かなかったな。珍しく。いいねぇ、人との交わり。他も縁があったら、読んでみたい。
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相変わらず読みやすく、すぐに読めてしまう分、これまではあまり記憶に残らなかったけれど、今回は、実に記憶に残ることが多い内容でした。
たまたま、置かれてる境遇が近かったのだと思うのですが…。
無理に許さなくてもいい、そんなことをしなくても、思い出さなければいい。
まさに、至言。
許すために思い出して腹を立てることなく
許せない自分を狭量だと嘆くこともない。
忘れる、というのはまさに人間の最良の特技だと思う。
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この人のエッセイかなり好きです。生きてきた確固としたものが、言葉の根底にあるから。こういう人生の先輩の生き方を見ると、歳をとるのも悪くないと思う。そんなメッセージが読者に伝えられるなら、もうそれは、別に小説でもエッセイでもジャンルは問わないわけだ。50代と比べると4倍の仕事をする60代、頼もしい。
大切なのは、許せないものをわざわざ目の前に引っ張り出して凝視しないこと。許せない自分だけがダメな人ではなく、皆それをかかえて生きていることを知ること。
なるほど。
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許すことで起きる活力。確かにあるかもしれません。しかし、哀しみの中にあると、なかなか許そうと思えないのも確か。だから、許せなくてもいい、許せないことを抱えながら、しかしそのことをわざわざ引っ張り出して凝視せず、胸の中に置いて懸命に生きた方が良い、というのは、前向きになれる言葉だと思いました。許すことも許さないことも生きる力になる。そのとおりかもしれませんね。
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シリーズ四作目。目新しさはないかもしれないけれど、やはり読んでいて落ち着く。大切なこと。大切なもの。してはいけないこと。心があたたかくなること。
そうですよね。そうでした。そんな確認をしながら読み進めるような安心感が与えられるのは、文章の美しさもあると思う。
許させないことは、許せないままで。
それもいつか心の中で何かしらの力になっているかもしれない…。
その言葉のあたたかさに、安心して本を閉じた。
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歳をとったな先生。追悼文が大半を占める。若いころと現在の自分を比べる。それら思考はおのれの死をも意識してのことだろう。そこに悲哀がある。
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許すという行動、許すことでそこから何かが始まることはたしかなような気がする 生きる希望さえ失いかけている人もしる。それでもその切なさを皆が乗り越えるのは、時間という薬と、死んだ人に恥ずかしくない生き方をしようとわかってくるからである いつか許せば、それはそれで生きる力になるのだろうが、許せないものも人のこころの中で何かしら力になっている気がする
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「○○力」という、その力の大切さや力のつけ方を説いた本が結構出ていますが、本書もそういう類の本かと思って手に取りました。
が、殆どが著者 伊集院静詞のエッセイで、その内容すべてが「許す力」に結びついているとはいい難いものでした。
ので、ちょっとガッカリ。
ですが、僅かに書かれていた「許す力」については、心に深く届くものがあり、読んでよかったかなぁ。
伊集院静氏の本は初めて読みましたが、昭和なヘンコツ( 曲がった事が大嫌いな頑固者)オヤジの臭いがプンプン。昨今、こういうオヤジがだんだん少なくなってきた気がする。
昭和なヘンコツオヤジに会いたい方にお勧めの一冊。