後半の証明が面倒くさい
2016/08/21 00:11
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「矛盾する」が続く反証パートは現代文学ばりに退屈。切り口は相変わらず面白いので、もう少しリーダビリティが欲しかった。しかし前作以上に共感や同情できる人物がおらず、ゲームのように殺人談義とゲーム的展開が進むのに全く違和感がないのは流石。それにこんなにひどい話のわりに、読後感が良いのも不思議な魅力である。
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
婚礼の席で死者が出た。犯行の手口、犯人は誰か、何故なのか。
丞くんは海外出張中なので弟子のレンくんが当たります。それを側で見てるフーリン。
あらゆる撒き餌がすべて繋がって来て、さすがに「それはないだろぉ」って気分になります(笑)
また新たな美女登場ですよ。
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仮説の穴とややの御都合主義、あと今回に関しては奇蹟とするにはやや神秘性が欠けることとか、不満点もあるんだけど、前回も細かいところは甘かったので許容範囲。良いところは今回はフーダニットが本格的に加わったところ。やはりこのシリーズは読みやすいし、読んでいて面白い。前作同様多重解決の一つ一つのピースはやや弱いが総合的には収まりの良い本格ミステリになっている。ロジックで穴を埋めていく様子がやはり何より楽しい作品だ。
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結婚式の酒盃回し飲みで起きた飛び石毒殺を巡って新郎新婦両家の親族が自説をぶつけ合いそれを八ツ星がぶった斬る一章は、前作の流れを踏襲しつつ短いボリュームながら負けぬ熱量を放つし予想外の引きで読者の期待を嫌が応にも高めてくる。
続く二章では裏社会の暴力が支配する世界へ舞台を変え、一章で検証された説を取っ掛かりに命懸けの舌戦が繰り広げられる。犯人を明かしてからもキャラクターの登場のタイミングとその方法で飽きさせないエンタメ力が光る。そしてクライマックスのあの説の反証がある登場人物を救い出す構成が見事。
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第一部のラストが衝撃的過ぎたけど、そこからの第二部もなんとも面白い。様々な仮説が飛び交うも、それぞれに確からしさがあって、捨て仮説が一つもないのは本当に素晴らしい。個人的には八ツ星くんにMVPをあげたい。
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『その可能性はすでに考えた』の続編である。前作は、多重解決もののようで、多重解決ものではなかった。今回は、正真正銘の多重解決ものである。前作が意欲作だった点は買っていたので、読んでみた。
ある婚礼の席で、新郎・新婦を含む8人が、同じ盃を回し飲みしたところ、8人中の3人および乱入した犬1匹が死亡した。死因は砒素中毒。なぜ3人と1匹だけが死亡したのか? 砒素を隠し持っていた新婦に、疑いがかかるが…。
事件そのものの構図は至ってシンプル。焦点は、誰が、どのように、3人と1匹だけを殺害したのか。現場にかけつけたのは…あの胡散臭い青髪の探偵ではなく、その弟子という小学生。彼が、前作のように一つ一つ可能性を潰していく。
堂々巡りの議論は、それなりに読み応えがあるが、第一部ラストで…は? ポカンとしたまま第二部に進むと、なぜか舞台は海上に停泊した客船へ。舞台が移る経緯については書かかないでおく。裏社会の大物の逆鱗に触れた理由とは?
多重解決合戦の続きも読みどころだが、前作にも登場したある人物が、窮地をいかに切り抜けるか焦っているのが興味深い。そりゃそうだろう、ばれたら洒落にならないのだから。と、そこに、いよいよ主役の青髪の探偵が降臨!
前作を読んでいないと、人物関係がわかりにくい面もあるが、事件そのものはシンプルだけに、いずれの説も、前作より論理展開に無理が少ない。その反面、何でもありな前作より、小粒な感もあるかもしれない。
唐突な告白による幕切れの後、脱力するオチが用意されていた。今までの議論は何だったんだよ、おい…。しかし、不思議と腹は立たないのだった。青髪の探偵は、懲りずに「奇蹟」を追い求めるのかねえ。
たったこれだけの設定を、ここまで膨らませて長編に仕立てる手腕は、ある意味すごい。まだ続編が出るなら、つき合ってもいいかな。
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で、そのYはどこいったよ。
続編。パターンは一緒、可能性を複数提示して、それを否定していくやつ。論理的というか緻密というか。青崎のより証明寄り。説明ではない。ので、青崎より読むのがつらい。正直ななめよみだもんな、証明部分。なんだろ、そこを楽しめないとだめなのかもしれないんだけどさ。最初の小学生探偵の時点でだめだった。「罪をかぶせることを前提とした犯罪」って。いや、うん、なんか、いろいろ言いたくなる。探偵も言ってたけど、ほんとそうなら、もっと単純な図式にするでしょ。ややこしくなってる時点でアウトでしょ。罪をかぶせられた相手はすぐ分からなきゃ意味ないんだし。や、それを基準に考えてたんだろうけど。
しかもそこななめよみしちゃったから、結局父親がどうやって殺したのか、いまいち分からん。杯の龍の部分に毒塗ったってことでいいの? いやっていうか、うん、なんだ……。もうちょっとなんとかならんかったかなぁ。オチがなぁ。初歩的な、って探偵自身言ってたけど、そこはほら、あんだけ可能性考えて否定してんなら、考えておけよ、っていうパターンで、フーリンさんの「奇蹟を前にすると視野が狭くなる」ってのもある意味伏線だったのかしら、って思うね。
というか、個人的に一番好きなのはフーリンさんなので、彼女の見せ場があって欲しかったなっていう。その不満が一番でかいわw
抜粋。
ちなみにこの女は人体破壊の趣味が高じるあまり、多少の物理知識まで備えている。
リーシーさんのこと。医学的な知識は当然、だろうねぇ。
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先程、読み終わった。
頭の中がこんがらがっている。
元弟子のレン君が旅先で出会った少女のために大奮闘します。しかし、犯人は割り出せず。
便りのウエオロは海外に。
巻き込まれて死んだ犬が裏社会のボスの愛犬だったため、フーリンさんは容疑者たちの拷問を依頼されます。
が
この事件の犯人はフーリンさん。
動機は会社のいざこざ。
しかし、現れたウエオロは
それすらも「その可能性はすでに考えた」とし、事件を「奇跡」と言う。
相変わらず話の展開は早い。
ひとつの可能性がでてもすぐに打ち破られ、新たな可能性が提示される。
詭弁と詭弁の対決。
最終的にウエオロは母親の起こしたという奇跡をどうやって証明するのかはたまたそれは本当に奇跡だったのか。次巻が気になります。
ミステリーで探偵小説で神の奇跡が証明されるのか、
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奇跡がこの世に存在することを証明するために探偵業を営む上苙丞が主人公の第2弾。
<あらすじ>
聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した毒殺事件。
それは、同じ盃を回し飲みした8人のうち3人だけが殺害されるという不可解なのものだった。
(殺害順●○●○○○●○)
前作でも登場したフーリンと八ツ星も式に参列しており、八ツ星が次々推理を披露。
生き残った5人が共犯説、犯人がそれぞれ別々説、天井から杯に毒を垂らした説、など。
推理と論理的否定をしてる中、ついに探偵・上苙丞が登場する。
果たして3人の毒殺は聖女による奇跡の犯行なのか?
<オチ>
実はフーリンが殺害しようとしてたが、共犯のミスにより未遂に終わった。
真実は花嫁の父が盃に毒を塗るトリックによって殺害した。
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探偵役の上苙丞が奇蹟を証明するために全ての可能性を論理的に否定していくというコンセプトは前作と一緒ですが、第一部の唖然とするラストから物語が大きく変化していく展開がスリリングで秀逸ですし、仮説も否定も切れ味が増しています。上苙丞や中国人美女・フーリン、少年探偵の八ツ星聯などラノベチックなキャラクターも立っており見せ場もバッチリ。多少突っ込みどころはありますが大満足の一冊です。
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二転三転四転五転する推理。
悪魔の証明はできるのか。
倒叙ミステリの要素も入り、ストーリー展開が目まぐるしいです。
今後も楽しみな作家です。
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風変わりな祝言を行う小さなまち、大きな盃で回しのみされた酒で、半分だけが死んだ。
「その可能性はすでに考えた」第2弾。
続き出たー!
今回も解説たっぷり、おもしろかったです。
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前回読んだことをすっかり忘れ再読。面白かった。
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とある毒殺事件の容疑者達が争うように次々持ち寄る仮説。
犯行可能だったのは誰なのか。
そして全てのトリックの可能性を否定したとき、悲劇は更なる悲劇を呼び、論理は更に飛躍し、誰もが奇蹟を望む展開に。
精緻に組み上げられた曼荼羅のような、祈りにも似た一つの証明。
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結婚式の回し飲みで男性だけがヒ素中毒で死んでしまう。花嫁のカバンから発見される毒物。しかし、それをいつ仕込んだとしても他の犠牲者が出たはず。本当に奇跡は起こったのか?
前作に続き推理合戦が面白い。次々と出る仮説と反証。今回は叙述トリックのような部分もあるが、その可能性すらすでに考えて探偵は反証してしまう。最後にオチもつく。唯一欠点を挙げるとすれば、早すぎてついていけない。
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素晴らしいロジック。ここまで塗り固められた論理推理はなかなかみない。舞台も展開もはちゃめちゃなのにすごくおもしろかった。