紙の本
消化するには重過ぎる
2021/07/21 19:16
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
胃にずんとくる重苦しさ。
亡き父親が書いた小説を探す可南子、依頼を受けた芳光、商売をする気を喪失した伯父。彼らに希望はない。
みんなどうにもならない。詰んでいる。
明るさの見えない作品。
読んでいてちょっと疲れた。
紙の本
編集者さんは如何なものか
2012/06/14 05:08
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投稿者:たぬき - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤先生の「氷菓」をはじめとしたシリーズ(青春推理小説が好きな方は必読、小峰元を読んだ頃を思い出しました)、「○期限定」シリーズは大変面白く、大好きですが、これは普通です。集英社の編集者が「渋い作品をお願いします」とあったと、解説にありますが、この編集者は残念ながら外れです。
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リドル・ストーリー、初めて聞いた。謎は、一つの解答が示されてこそ楽しめるのだよ…と思う私には、向かない、な。
結末は入れ替わっているだろう前提で、暗号とかになっていたりしないかしらとぐるぐるしてみたりしたのだけれど、もっと素直に、そしてちゃんと、文章を読むべきだった…。
舞台が、今、ではなく、あの時代、だったのは、芳光を描くためだったのかなぁ。
そして、「わたしの夢」の最後に記載されていた『木霊』が何のことかわからなくて、疑問符が浮かんだまま終わってしまった。クラスの文集の名前だろうか。
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そこはかとなく退廃的で郷愁的な。
好みのエッセンスが散りばめられていて、「儚い羊たちの祝宴」に続いて素敵な一冊。
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別に恐ろしい展開でもないのにぞくっとする。恐くなる。でも先が気になる。米澤先生の作品は中毒性が高い!中でも今作は作中に登場する結末のない物語、リドルストーリーが話と切り離しても面白く、さらに結末のないはずの物語に用意された結末の存在が興味を引き、より中毒性を高めている。この先を読まずにはいられない魅力と、しかし読むのをためらってしまうゾクゾク感が本格ミステリーと言われる所以なのだろう
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謎ヒロインはいつものことだけど、今作はいいかんじ。登場人物達のその後が語られず、余韻のある結末でした。
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このミステリーがすごい! 2010年版 第4位。
古本屋に居候する主人公が探して欲しいと依頼されたリドルストーリーに秘められた話とは。
リドルストーリーとは謎物語、読者に委ねて結末を書いていない小説のこと。
真相がよくわからないのはすっきりしない。
ビブリア古書堂のような雰囲気だが、こちらのほうが古い。
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単行本の方はすでに既読だったので、ストーリーを知った上で読んだのですが、それでも面白い。
表紙は文庫版の方が好みですね。葉山響さんの解説が丁寧でよかった。
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読了。物語冒頭にぽんと置かれた序章「私の記憶」を読み返し、感傷に浸っているところ。題名がいいよね。綺麗で淡々とした文章と、構成の妙、作者の器用さに唸りつつ、登場人物達の諦観や苦悩にやるせなさを感じた。私自身はこのやるせなさは不快ではなく、"物語が存在しない"凡人の物語として、自分だったらどうしたかをあれこれと考えさせられた。最後の主人公の選択もせつないが嫌いではない。
ただ、もう少し長くても良かったかなと。主人公の内心や心変わりをもっと味わいたかった。作中作となっている五編のリドルストーリー(結末が読者に委ねられた物語)が、"不安な童話"を読んでいるようで面白かっただけに、この作中作を追っている主人公がこれを読んでどう思ったか、影響を受けたかも気になるところだ。
ストーリーは、伯父の古書店に居候中の青年が、ある女性からその父が昔書いたという五つの短編の処在を探すよう依頼され、追い求めるうちにある一つの事件の真相をたどることになるというもの。そして短編五作はリドルストーリーでありながらも、結末の一文が提示されるというトリッキーな展開。ネットやケータイが普及していない時代を舞台に設定しているところも、人と人の会話を引き出す調査モノとして効いている。
全体のトリックそのものは途中で気付いてしまったが(多分作者もそれは承知と思う)、この作品はトリックに取り組むより、五編のリドルストーリーを一つ一つ味わった上で、この五編を追い求めるうちに浮かび上がる大きな物語を楽しめばよいのだなと思う。
---- 追記
米澤穂信『追想五断章』刊行記念インタビュー
http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/090826_book01.html
これを読んだ。主人公の描写が少ないのは、わざとだった。自分の物語を持たず、そして他者の物語に関与しようとしてできなかった者の物語。うーーーん。そうなのか……
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5つの短編小説を探す依頼を受けた青年が、作者である男の半生を追う。それぞれに全く無関係そうなストーリーの筈のその物語は、男の半生の欠片が散りばめられていた。
どこかしら後味の悪さを残す5つのリドルストーリーは、男が巻き込まれたとある事件が大きな影を落としており終始陰鬱な雰囲気が漂う。男の半生を追いながら、青年は自身の両親との距離や思いを自問自答し、苦悩する。
リドルストーリーとして独立した物語を随所に挟みながらも、本筋の物語へと終息させていく手腕は見事の一言。
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【読了】米澤穂信「追想五断章」 8月3冊目
8月の3冊目は米澤穂信の「追想五断章」。「氷菓」のアニメ化をきっかけとして読み始めた米澤作品も、この作品によって文庫化された作品は全て読了というくらいに、ちょっと米澤穂信という人の書く作品が気に入ってしまっている。
さて物語は、古書店に居候する主人公が、ある女性から死んだ父親の書いた5つのリドル・ストーリーを探して欲しいと依頼されるところから始まる。リドルストーリーという言葉を初めて知ったのだけれども、小説の一形態で、あえて終末を書かない形式をいうらしい。日本人作家で有名なのは芥川の「藪の中」だとか。
実際に話が進行していく中で、5つの断章、リドルストーリーが登場するのだけども、これがそれぞれの話として読んでもなかなかよくできている。ショートショートの範疇に収まっているので、全体の流れを切る事もなく、実に効果的なアクセントとして機能している。それでいて全体的に繋がる効果も有しているのだから、よく考えられたものだと感心してしまう。
惜しいと思うのは、音楽に例えれば、とても技巧的なアレンジを駆使していてとても興味深いのだけど、肝心のメロディがちょっと弱いという状態になっている気がするということか。要素、要素がちゃんと絡み合う様は見事なのだけど、歌抜きのトラックを聴いているような感覚。
この地味な淡々とした感じが魅力ともいえるし、小説ならではの作品とも言えるのだけども、善くも悪くもキャッチーさに欠けるところが、少し誰にでもオススメというわけではなく、この作品の良さをわかる段階にいる人を選ぶ必要があるかなと感じた。とはいえ、ハマる人はすごくハマるスルメ作品なのは間違いなく、読み返すたびに新たな発見があるのではないかと思う。
以下、好きなフレーズ
173P”斯く有ったということと斯く有って欲しいということ、あまつさえ斯く有れば面白いということすら混同した連中が、僕を悪鬼だと公然と指弾した。”
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タイトルの小細工には薄々気付いていたが、最後まで読んだとき、冒頭の作文の意味がわかり、巧みなストーリー展開に舌を巻いた。
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五つのリドル・ストーリーとそれに隠された謎、最後に明かされる真実など一つ一つの要素はとても魅力的なのですが、最後まで読んで全体的に平坦になってしまった気がします。
オチが先に出てしまっているので、インパクトに欠けるのもマイナス点。
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「複数のリドル・ストーリーを作中に詰め込んだ本格ミステリ」という謳い文句にまさにぴったりの作品でした。
劇中劇のように、小説の中に小説が登場して、
それがラストに向けてパズルのようにカチカチはまっていくので、
最後まで一気に読みきってしまいました。
読む時の心の状態で、それぞれのリドル・ストーリーの捉え方がかわるであろう本作品、節目節目で読み返してみたいと思います。
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流し読みしたら読み返さなければならなくなる。依頼主の父親が昔残した結末のない5つのストーリーを探していくなかでだんだんと真相が明らかになっていく。
どんでん返しがあるわけでもないが落ち着いたテンポで読めた。