紙の本
視点が変わるって、面白い
2018/05/07 22:28
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
記紀万葉などと大ざっぱにまとめますが、そのころのこの国のようすを想像させる本です。
出雲国風土記の章をを見てると、いまの地図とはちがう日本地図が見えるような気がしました。島根あたりに視点を置いて日本列島を見ると、広がり方が全然ちがう。それはもう、くらくらするほどです。。
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤマトタケルの研究から、風土記に辿り着いた。いろいろな伝え方がされていて面白い。古代の世界がいろいろ想像できた。
紙の本
昔の人は物事をよく見ている。
2018/02/01 21:32
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投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
風土記の状況がわかりやすかった。
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いつもの三浦節。読みやすく分かりやすい。
ただ、口語訳古事記が衝撃的だったので、読後の驚きはそれにはかなわない。勿論、新書という制約はあるのだろうけど。
風土記が一部しか残ってないのは悲しい。多くは、完成せず、中央に報告されてないという事は考えられないのだろうか。全くの素人考えではあるのだが。
ともかく、残されたものの全文を読んでないのでぜひ読みたい。
やはり、日本書紀より古事記や万葉、風土記に親しみを感じてしまう。
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<目次>
はじめに
第1章 歴史書としての風土記
第2章 現存風土記を概観する
第3章 常陸国風土記~もう一つの歴史と伝承の宝庫
第4章 出雲国風土記~神の国ともう一つの文化圏
第5章 語り継がれる伝承~播磨国風土記と豊後国・肥前
国風土記
まとめにかえて
<内容>
勉強不足だったが、当初の朝廷の目論見が『日本書紀』が『日本書』「紀」だったとは。そして『風土記』は『日本書』「志」にあたるとは…。確かに中国の歴史書を踏まえて作ったいるなら、それで該当することになる。そしてその目論見は何らかの理由でうまくいかず、『風土記』は独立した地誌となった。
また「出雲国風土記」の性格についての考察も面白かった(やや難しかったが…)。撰録者が出雲国造(何となく知っていたが)なのだが、もう国司の時代に出雲だけが「国造」が残っていて、しかもそれは元意宇(おう)氏だった。出雲の東側を支配し、神栖神社を祀ってきた。出雲西側の神門氏は朝廷に抑えられ、意宇氏が出雲を支配し、「出雲臣」となった(出雲国造)。その流れで考えると、「出雲国風土記」が純粋な「国つ神」の神話というよりも、朝廷におもねった「出雲氏(意宇氏)」の取捨選択によるものだという指摘が斬新だった。
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公式史と異なるが続日本記に出てくる朝廷からの指示で編纂された書物から日本社会の実態を探る。常陸国風土記に出てくる「倭(ヤマト)武(タケル)天皇」は平安のうちに国を巡り歩いた!神功皇后も天皇として登場する。記紀との大きな違い。記紀と併せ、今まで知ることの少なかった8世紀初めの日本の姿を知る貴重な史料で、日本の古代の知らない姿が浮き彫りになる。常陸・出雲・播磨・豊後・肥前の5風土記の特徴も分りやすい。古事記と出雲風土記にあり、書紀にはあまり登場しない出雲神話の謎。カミムスミがちょっと間抜けな大男として出てくる播磨風土記。浦島伝説は500年頃から800年頃へ跳んだ浦島子!として書紀に登場するらしいが、風土記への記載がないのは残念!失われた他の風土記が惜しい!
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この当時から、中央と地方にはある種の明確な差があったのかと思うと面白い。
記紀の間でヤマトタケルについて比べている本はいくつかあったけど、そういえば、風土記にもかの英雄は出ているのだと思わされた。
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風土記=「日本書」地理志の構想が頓挫したもの、という観点からの概説。「日本書紀」はあくまでも、中国にならった正史「日本書」のうち「紀」に当たる部分として構想されたというのが筆者の考えである。
常陸国風土記にみるヤマトタケル伝承や出雲国風土記にみる日本海文化圏の痕跡など、興味深い内容が展開されており、行間からここまで読み取れることに感嘆した。であるからこそ、五風土記しか残存しないのが本当に残念という読後感も残る。
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日本書紀は、日本書「記」、であって、日本書「志」、日本書「列伝」とあるはずだったのではないか、と著者は推測する。けれど列伝のような個人にスポットを当てる文化もなかったか、日本書紀だけがヒット(?)して、続編が編まれるようになる。
さて、風土記だが、残念ながら全国あまねく、とはなっていない。だからかわからないが、日本の古い話を辿って行くと出雲国風土記にあたることが多い。
本書にも紹介されている出雲国風土記は、成立年と撰録者がはっきりしている唯一の風土記だ。ということになっていたが、そこら辺にも著者は疑いをかける。本当に出雲発信のものなのだろうか、実は国守側がつくったのではないか…そのころからお上はそんなだったのかねえ。
タイトルからは、もっと歴史的背景をビジュアル的に想起させるような文化語りかと思っていたが、ところがどっこい世界史であった(日本史?)。力のバランスによって実際に起ったこと、書物に記されたこと。この双方が歴史だ。果たしてどちらがただしいか。
ともかく、思っていたのとは全然違ったのだが、風土記にこう書いてあった、ということをたどるよりも社会性が強くてずっと面白い。
とはいえ、情報は無限にあるけれど自分の興味や知識でしか読まないから、ほんの片隅を齧ってわかったような気になっているだけだ、と著者の言葉。痛え〜。
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風土記を再読するために、本書も再読。
曖昧な点もありますが、著者の視点は見所ありですね。
日本書紀を日本書+(紀)とするのは、妥当な考えかただとおもいますね。この考えかたをベースに風土記や記紀万葉を読んでいくと納得点多いですね。
著者が『古事記』前文偽書説を当書ではありませんが、興味深いところです。
私は、現存『古事記』自体『日本書紀』よりずっと後世の改作だと思いますがね。
現存の風土記と逸文をさらっと解説されているので次につながる1書だとお薦めできます。