紙の本
資本論の本質を掴むことができる書です!
2018/11/29 11:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、現行の世界を支配している経済主義、「資本主義」の本質をとらえ、それを私たちに教示してくれる書です。著者は同書の中で、資本主義は強く、これに代わる制度もない、したがって、私たちはいやでもこの制度と付き合っていかなければならない、と強調します。そこで、この制度の核心、本質を捉えなければ、資本主義の中で上手く生きていけないとも言います。ぜひ、本書を読んで、この世界で生き残っていくために、資本主義の本質を掴んでいただきたいと思います。
紙の本
他人の褌?
2016/12/07 11:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
資本論の解釈本を多くの引用を用いることによりよりわかり易く解釈したちょっとおいしい経済本。新自由主義の解釈は少々怖いものを感じさせる。
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アメリカのみならず日本でも新自由主義への流れが加速し、剥き出しの資本の論理が貫徹する現代において、資本主義の内在的な論理を解き明かしているマルクスの『資本論』が持つアクチュアルな意義を論じた本です。
本書が依拠しているのは、宇野弘蔵編『経済学』上下巻(角川全書)です。宇野は、マルクス主義のイデオロギーとマルクス経済学を切り離すことで、共産主義革命を実現しようとするマルクス主義の実践志向から独立した、資本主義経済の内在的な論理を原理的に解明した著作として『資本論』を読み解こうとしました。同時に宇野は、資本主義の歴史的な性格にも留意し、労働力の商品化に基づく資本主義的なシステムの形成過程を解明しようと試みています。著者は、こうした宇野経済学の簡単な見取り図を描きつつ、資本主義が孕んでいる問題を批判的に考察するための視座を示しています。
外交官として国際政治の現実をつぶさに観察し続けてきた著者にとって、宇野や柄谷行人から引き継いだ世界システム論的な枠組みが、世界情勢を分析する際の基軸をなしていると言ってよいと思います。本書で、資本主義の歴史に関する宇野の思想を紹介しているところには、そうした著者の関心のあり方が明瞭に表われているように思います。
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『人新世の「資本論」』の前に基礎知識をつけるための本として選んだ本のうちの1冊。
(たまたま最寄りの図書館にあったので借りた)
基礎知識の習得という目的には合わず、難解な内容だった。
今回はペラペラ捲って、時々斜め読みをした程度なので評価なしです。
小泉純一郎や安倍晋三が進めてきた新自由主義は「格差社会」をもたらすと言われるが、
日本は「格差社会」から「貧困社会」への過渡期にあるという。
竹中平蔵や高橋洋一を政府のブレーンとして、自民党は菅内閣まで新自由主義路線だった。
菅総理の「自助・共助・公助」発言がまさにその方針を表明していて、まずは自己責任で片づける。
自己責任優先の思想だから、権力者は邪魔になる要素はすべて排除し自分の利益を守ることを考える。
経済は資本家に任せて、政府は民営化や規制緩和を進めてなるべく口出ししないことを良しとする。
失敗した資本家は「自己責任」だから、成功した資本家だけが儲かる。
投資家は資本家に「もっと儲けろ」と圧力をかけるので、儲けた分は新しい事業に回し労働者への再配分はしない。
今の資本主義はまずいんじゃないの?ということを感じる内容。
佐藤優さんの本だけど、たぶん再読はしない。