舞城王太郎の入門的作品集
2016/09/28 00:32
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々の舞城作品文庫化ということで購入しました。
舞城作品は、設定がブッ飛んでいる、名前が変、難解すぎる(主にミステリ)といった特徴があり、なかなかとっつきにくいイメージがありますが、この作品集は舞城作品のアクの強さが良い意味で薄れています。
流産に怒りを抱く男、鮎の家に嫁ぐ姉、バーベルのように扱われた男等々、設定こそ突飛ですが展開自体はついていきやすいし、サッパリ終わる物語が多いです。個人的には「バーベル・ザ・バーバリアン」が一番好きでした。
この作風にハマったら、キミトピア→ビッチマグネット→九十九十九→ディスコ探偵水曜日と舞城ワールドに浸かってみてください。
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無敵の舞城ワールドをかたちづくる物語のペンタグラム
二十七歳の春、突然流産のことが気になりだした僕。理不尽な赤ちゃんの死が高頻度で起きることに怒り、妄執する男を描いた「美しい馬の地」ほか四篇を収録。全作品が芥川賞候補作となった奇跡の短篇集を文庫化!
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何かを読んで心を動かされるのにも2種類あって、ひとつは作品と自分の中身がマッチした心地よい心動かされ方、もうひとつは心なんか動かされたくないのに無理やりに、強制的に、ほとんど暴力的にその辺を引きずり回されるような、そんな凶暴な感動だと思っているんですけど、私の中で舞城作品は完全に後者。小説と云うより劇物と呼びたいくらいです。
で、『短篇五芒星』。
5篇全てが芥川賞候補作!と言われても文学賞に疎い私には、それがどんだけのどういう事なのかちょっと分からないんですけど、読んでみてなんかスゲー!というのは思い知らされました。
言ってる事もやってる事も推理も結婚も要は起も承も転も結も突拍子もなくて、その突拍子のなさが怖くて、でも続きが気になるから読んじゃって、読んだら読んだでまた怖い目に遭わされて、あまりの怖さに変な汗をかいていたら急になんか優しくされて、え?怖いの?優しいの?どっちなの???って私ポカーン。安定の舞城ワールド。
あの団体やあの探偵(もちろん西暁町)も登場するので、過去の長編再読したい熱まで高まりました。
【収録作品】
美しい馬の地
アユの嫁
四点リレー怪談
バーベル・ザ・バーバリアン
あうだうだう
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文庫化したので再読。こんなんだっけかと微妙に記憶が曖昧だった。美しい馬の地、あうだうだうが好きです。話があっちこっち行くのにどこか芯みたいなのを感じて、そういうところが好きなのかもしれない。
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舞城王太郎という人の作品には、いつも
甘えとかわがままとかいった、エゴの発達途中に生ずる必要悪
みたいなものを肯定しなければならないとする思想が
根底に置かれていて
それはたしかに大事なことだなあ、と言いたいのはやはり
それがきちんと自覚されなければ
きちんと乗り越えることができないものだからであろう
甘えとかわがままを自覚しないままに抑圧させてきた者は
どこかで不満の爆発を起こしてしまい
舞城作品にしばしば登場するような
きちがい犯罪者になってしまうことも、これあるのだと思う
「短編五芒星」には、そのようにならなかった人々
危ないところに追い込まれながらも
なんとか世界と折り合いをつけた人々の物語を集めている
ただし、その折り合いのつけ方が正しいものかどうかはわからない
「熊の場所」に戻るのではなく
「熊の場所」に二度と近づかないことを心に誓ったものではないか?
しかしとにかく人々は、自らの生を自らに許していく
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超非日常だけれども、それが日常に溶け込んでいる異常さが読んでてハラハラドキドキわくわくする笑
姉が鮎と結婚する話の、最後の何故なら何も決まってないからだ、本当に。みたいなさらっとしたまとめや、悪はこの世の一部で存在していいけど放っておくと増長するから叩くとか、そして悪も感情だしみたいな切れ味の良さ、他のどの小説にもない面白さがあった。
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舞城王太郎は舞城王太郎でしかない。
舞城王太郎の文体とリズム感、世界観が心地いい
物語や台詞によってフォントを変える所なども好き。
小説という名の作品だなぁ。と感じる
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美しい馬の地 3
アユの嫁 2
四点リレー怪談 2
バーベル・ザ・バーバリアン 3
あうだうだう 3